2024/12/24 のログ
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ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にオウルさんが現れました。
オウル > ――…寒い、凍える程に寒い。
身も心も財布も極寒である。
なのに服装が秋の装いなのは無駄使いのせいだ。
ギャンブルはしないが、食べ物……特に甘味に金をかけた所為だし、新しい薬の材料とかそっちでもお金は飛んでいく。

少年はこの賑々しい貧民地区の路地裏にあたる道を平民地区に向けて歩いていた。

ああ、思い出した学院での生活にもお金を使っていた。
例えば配布教材以外のプラスα分にいざこざを回避するための潤滑油に…諸々だ。

「……金持ちになりてぇなぁ…貴族様でもいいわ……。」

貴族連中に恨みはあれど、それと貴族になりたいかは別。
なんにせよこんな寒い思いをしなくて済む身分になりたい。
――…まあそれも夢のまた夢であるけどね。

眼帯が温かいと思うほどの寒さ。
それでも何とかなっているのは左目のおかげである。
ただこれ以上寒くなると極端に眠くなるのが玉に瑕だ。

路地を照らす街灯はまばらである。
その明かりに照らされながらふらふら~っと歩いていた。

行く当てもなくどこかへ
少年は王都の闇へと消えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からオウルさんが去りました。