2024/10/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にオウルさんが現れました。
■オウル > あくびを噛みしめながら少年は貧民地区を歩く。
今夜は【ギルド】のお仕事ではなく『冒険者ギルド』の仕事で、貧民地区と平民地区の境界線に近しい路地の見回りである。
時折好奇心で貧民地区に踏み込んで、或いは間違って入り込んで、身ぐるみ剥がされてゴミ捨て場に捨てられる、何てよくある話。
それは運がいいほうで。
これが女だと二度と貧民地区を抜けられない、とか、弄ばれて死体となって後日…なんてことはざらにある。
という訳であまりお高くない報酬で衛視の目の届かぬ場所を巡回して、迷い込んできたもの、好奇心で入り込んできたものを追い返す仕事が定期的に冒険者ギルドに依頼として貼られていて、今夜はその仕事に従事している。
「どうせ何にも起きない、なーんにもだ。」
ここ最近は深いところでは騒がしいが、その分浅い部分では比較的平和で、【ギルド】でも『おとなしくしていろ』という指示がまた出ているので、どうせそんな状況下で騒ぐ奴もいないし、元々こっちに入り込んでくる奴だって稀なわけで、ただ散歩しているだけでお小遣いがもらえるラッキーってなもんである。
「く、ぁ~………。」
あくびだって零れる。
眼帯に隠れた異形なる眼にもあくびで涙がじわと滲む。
仕方なし眼帯の下に指を入れてゴシゴシと擦りながら、帰り際に何か食って帰ろうかなと、考えたり、考えなかったり。
交代要員がくるまでのんびりと過ごす。
結局今夜も何もなく、少年は今夜の仕事の報告に冒険者ギルドに向かうのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からオウルさんが去りました。