2024/09/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイズミさんが現れました。
イズミ > 貧民地区にもいろいろある
特にその治安も、基本的には、平民地区に接してるところからじわじわとグラデーションするみたいに悪くなる傾向があるように思う

バシッと白い線があって「ここから貧民地区!」みたいなモノではない
でも、足を踏み入れれば、そこが普通でないことが分かる
それが貧民地区というもの

日が落ちてまだそこまで時間も経過しておらず
夕と夜の合間の時間帯
平民地区に住む町娘は珍しく仕事を探しに外に出ていた

身の上を話すと、この春の同日同晩に、父親は女冒険者と、母親は男冒険者と
偶然にもそろって駆け落ちしてしまい、独り家に残されてしまっている
父も母も、片方は家に残り、一人娘と平和に暮らしていくだろうと考えていた節があり
お互いに全ての財産には手を付けずに自由だけを手にして旅立っていった
その結果、お家には娘と財産だけが残った…それが今の状況である

平民だけど、中流階級ではあったので
今すぐお金を稼がないと餓死するような切迫した事情は無いし
なんなら一人で慎ましく生きていくなら仕事しないでも平気かもしれない
それでも時々「お金を稼ぐ方法をみつけなくちゃ」と思うことがある

今日も損な感じで
ふらりと外に出てきたのは、過去に何度かしたことがある絵画モデルの仕事をさがしてのことだったのです

イズミ > 画家と言っても様々で
基本は貧乏な人たち…なきがする
その一方で、宮廷画家みたいなのもいるし
平民が趣味でやってるような人もいる

つまりは、平民地区でも、富裕地区でも、そしてこの貧民地区でも
どこでも「絵画モデル」の仕事はある…のだけど

とりあえず過去2回絵画モデルをした経験を振り返ると
それは全部貧民地区寄りの区画だった
それも昼ではなく、夜
その時は別に「モデルです!」とか「私を描いてみませんか!」とか
そういった売り込みもなにもなく、歩いていたところに声をかけられた
そして話を聞くと、その人は画家で、確か…貴女を見てインスピレーションが沸いたから是非モデルになってほしい、みたいなお話で
それなりのモデル代を頂戴した

なぜか二回とも、裸で後ろ姿だったのだけど…
花を手に振り返ってほほ笑んでみようかと頑張ったけど
「はいはいかわいいかわいい」みたいな感じで前を向かされてしまった

後は30分くらいで体が痛くなってきたけど頑張って
多分2時間くらいで解放された

それ以後、「仕事は何をしているの?」的な話題になると「モデルをしてますぅ~」って答えてる15の夏


「そろそろ秋か……」

イズミ > そんなこんなでただ夜道を歩いてるだけでそうそう「モデルになってください」なんて声がかかるはずもなく
人出を求めて貧民街でも人出(?)活気(?)がありそうな通りへやってくる

盗品が売られてたり、屋台風の酒場があったりする区画だ


「それなりに人が居るってことは、それなりに秩序があるって事よねー」


そう。それなりに安全というか、危険度の低い処だと勝手に思う
ここをフラフラした後で、最後には酒場に寄って…等のプランを頭に描く
とりあえずは、ここで…


「そうだ!」


ここの人達の識字率がどうなってるのか良くわからないけど
手持ちのボードに「モデルさんします。料金要相談」なんて大きく描いて
それをもって路地の脇に立った

たちんぼさん作戦開始
…でもそんなのでお客さんが付くはずもなく!
時折の冷たい視線に削られつつ、足の裏どころが腰まで痛くなってきたころにスタミナが尽きて
酒場に立ち寄る元気も出ずにヘロヘロとお家へ帰りました…

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からイズミさんが去りました。