2024/09/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にオウルさんが現れました。
■オウル > 少々縁のある孤児院に一晩泊めてもらう事になった少年。
宿とは違い簡素すぎるベッドの質と祈りの声に眠れず、孤児院を抜け出して眠くなるまで貧民地区の路地を彷徨うことに。
――…まあ、なんだ神父とシスターがおっぱじめなければ安眠できたんだけど、釣られて周囲のベッドがモソモソしなければ爆睡できたんだけど!
「まあ、その……奴らも人間ですし?
でもシスターは人間じゃなかったっぽいけど。」
眼帯下の左目が疼いたんだから普通ではないはず。
と、まあ終わったことは右から左においておいて、口の中に棒付きの飴を咥えこんだ状態で、後頭部あたりで手を組んだ感じで、歩きなれた道を適当に歩く。
一夜のベッドを借りたとしても孤児院に戻りたくもない。
神父とシスターのお祈りなんて聞きたくないし、自分より年下の孤児たちの性癖がねじ曲がって大変な姿も見たくない。
ないないないないないないない尽くし。
あーもうどうすっかなー?
まだ眠気が遠いんですがー?
「……ギルドに寄ってみる?酒場で軽くバイトする?」
大あくびを零しかけ、その時口から飴まで落としかけ、ぱくっと慌てて口を閉じて、ついでにあくびを噛み締めた。
今日の飴はちょいと強い薬を混ぜるのに使う為に香りが濃い薄荷味で苦手ではあるが、その一応これも仕事の一つと、欠伸で発生した涙で瞳を濡らしたまま絶妙に微妙な表情を浮かべているのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にグラスフィーエさんが現れました。
■グラスフィーエ > 唐突に、少年が歩く先の壁に右から近づく奇妙な影が浮かび上がる。
夜中に出歩くにしてはおかしなシルクハットにタキシード。
胸のあたりが僅かに膨らんでいるから、女なのは間違いないだろうけど、
グラスと瓶持っているらしきその影が、右に大きく傾いでいるのは
何故だろうか。
けして人間離れした姿勢ではない、真横にとかではなく角度にするなら35度くらいか。
しかし普通に歩いているだけの人間がするものではない。
ましてその方向から時々「ギヒヒヒヒ」とか「ケケッ」とかの怪音がするのでなければ。
そして少年にとってまずそうなのはその影は徐々に小さくなってきている、
つまりはこのまま歩くと、この奇妙な相手とまともに鉢合わせしかねない。
幸いというか、相手がそちらに気づいた様子はない。
物陰にでも隠れればやり過ごす事も可能だろうが。
さて女の方はと言えば、珍しく仕事(情報屋)の方で儲けたらしく
少し高めのワイン買ってグラスで飲みながら街中徘徊中。
黙ってさえいれば、安めの娼館で普通に買えそうな面相のはずだが、
顔の上半分を覆う大き目の瓶底眼鏡と、下半分のほとんどが大きく開いた半月状の口に
占められている為、色々と台無しである。
まして発する声が、女性の喉から漏れているとは思えない下卑た笑い声なら尚更。
けれど本人的には今夜は上機嫌、多少の些事は笑って見過ごせそうな感じで。
■オウル > 何度目か欠伸を噛みしめながら、同時に口から棒付きの飴が落ちないように、その棒をギと噛み締めて、時々欠伸でこぼれそうになる涙を指先で拭う――…いい加減ほんのりと眠気が、醒めた。
意匠の凝らされた眼帯下の瞳、裸眼の瞳、双方で奇妙な影を捉え、スンッっと眠気が弾ける様に消え、ゾワリと背筋に悪寒が走る、それは本能的な嫌悪というよりも本能が警戒せよと訴えた結果だ。
明らかに『普通』ではない。
双眸が捉えた影は『普通』と認識するには有り得ない。
――…グラスと瓶は理解でき、なくも、ない、が、歩き方か浮かび上がる影の角度か、違和感しか感じれない。
少なくとも『違和感』を感じている時点で『普通』とは思えない、思えないが、【ギルド】の警戒すべき人物のリストにこんな感じのがあったような、なかったような、ダメだ醒めたはずの睡魔が記憶の扉を通せんぼしてる。
奇妙な相手とのエンカウント。
普段なら本能に従い避けるべきなのだが、同時に湧き上がる好奇心が選択肢を選ばせてくれなかった。
まあ、貧民地区ともすれば酔っ払いが歩いてたっておかしくないし、多少、……結構、訂正とても奇妙な相手だとしても、退屈と孤児院のアレコレに比べたら、まっ、楽しそうであるからして。
特になんだろう、あの牛乳瓶の底みたいな分厚い眼鏡も気になるし、その大きな口も興味はあるし、それに……笑い方が他人とは思えなくて、ぷっ、と失礼ながら小さく噴き出したように笑うと、こちらから奇襲……ではなく挨拶を。
「やあ、ずいぶんとご機嫌な感じだけど、イイ儲け話でもあったん?」
挨拶と呼ぶには軽すぎる声を。
口元は視線の先の人物には叶わないが唇の両角を持ち上げて、にっこりと、それなりに人懐っこい笑顔を向けてみる。
もし何か美味しい話があれば噛みたい、という貧民地区ではよくありふれた挨拶でもあった。
■グラスフィーエ > 「んあ?」
女にしてみれば唐突にかけられた言葉、
暗がりから聞こえれば普通は多少なりとも警戒したりするのだろうが
元々そういうのを気にしない性格なのと、程よく酔いが回っているから
返答は間の抜けた、その顔から聞こえたのでなければ可愛らしく聞こえなくもない声で。
人影あるのを認めると傾いでいた体は流石に元に戻し、酔っぱらい特有の
とろんとした目の下を僅かに朱に染めながら、開いたままの口から「ヒヒッ」とか
声出しそちらに顔向け。
「あー・・・大した事じゃ無いっスよぉ。
アッシが気に入ってた屋台潰しやがった、ボケナスチンピラがいたもんで
そいつのいた組の隠し金のありか、よそに売って小金稼いだだけっス。
・・・そうだ、よかったらアンタもどうっスか。
奢る・・・ってか、飲みかけっスけど瓶には口付けてないんで、
アッシとサシ飲みでよかったらっスけどね?」
言いながら手に持っていたグラスをついと振ると
手品よろしく中身入っているグラスの後ろから、同じ形の空のグラスが現れ
それに親指だけで器用に栓抜いた瓶の中身・・・割と良さそうな匂いの赤い液体を
注いで少年に渡そうと近づいて。
■オウル > 唐突に声をかけるなど普通は絶対にしない。
貧民地区の治安の悪さを考えればスルー一択。
加えて本能が警戒せよと悪寒で合図までしてるのに好奇心には勝てるはずもなく、結果はこの通りで相手にちょっと変な声をあげさせる事となった。
眼帯下の異形の瞳、裸眼の人間の瞳、双方を細めて貧民地区によくいる酔っ払いめいた女性?の顔を見つめたまま、更ににぃーっと歪んで見えるくらいに笑みを強くして、僅かに残る警戒心もその笑みで上書きする。
【ギルド傘下】の奴らの話ではないかな。
もしそうなら今頃『指示』が来ているはずだ。
捕まえてこい、か、腕の一本でも持ってこい、か。
まあ、無理である、絶対に無理である。
勝てない予感しかしない、あのグラスとかどうやってんだ。
「うちのギルド絡みじゃないっぽいし、アンタにケンカ売った奴らはご愁傷様って感じかなー……まあこの界隈では良くある事だよね。」
少々大げさに肩をすくめた後に、手品か魔法にしか見えないグラスの複製?召喚?創造?に思わず「ヒューっ」と口笛を吹く、うん、隙あらば儲かってるようだしお財布でも、と思ったけども、それも無理だ。
可能性があるとすればもう少し深く酔ってもらってかな。
「ん?いいの?美人とのお酒は大歓迎だよ。
こっちはお酒の共になりそうもない薄荷味の飴なら提供できるよ。」
ガリと奥歯でその薄荷の飴をかみ砕く。
口の中には薄荷の香りが広がる最中ではあるが、何とも芳しい香りのする赤い液体が注がれたグラスを素直に受けとった。
言葉でも伝えたが美人とのサシの飲みは嫌いじゃない。
娼婦の姉さん方の酒の相手もすることもあれば、仕事で飲むこともあるのでお酒自体も嫌いではなかった。
■グラスフィーエ > 「ギルドぉ? アンタそっち関係の人っスか・・・
んな大きなとこじゃ無いっスよぉ、ただそいつら目の敵にしてた奴らの事も
知ってたんで適当に情報売っ払っただけっス。
・・・当然相手の方のやばいネタも、1つ2つ握ってるっスけどね?
もし詳細知りたかったら、適正価格で売らなくも無いっスよ?」
どうやら目の前の少年は何らかの組織に所属しているらしい。
幸いにして魔族女の敵に回るとかは無さそうだが、
今まで知らなかった相手の事は知っておきたい。
そんな思惑あるからこそ、そこそこ酔っているにも拘らず
しっかり商売の話してみたり。
「ゲヒャヒャ、これが気になるっスかぁ?
ままま、よくある魔法での取り寄せっスから問題ないっスよ?
・・・飴、っスか。
確かに酒と合わせるのは聞いた事無いっスけど、
一つ試してみるんで貰えるんなら貰うっスかね?」
何せ、この女の正体は魔法をよく使う系の魔族。
グラスの一つや二つ増やすのも作るのも出来なくはないが、
此度は普通に家から引っ張り出しただけのガラスのグラス。
手品っぽく見せたのは、単なるお遊びの演出。
飴手渡されたなら、笑ったままの口が器用に開いてぽいと放り込まれ、
ついでガリゴリバリバリと恐らく奥歯で嚙み砕いたのであろう音が響く。
こんな場所で渡される飲食物にはもう少し気を付けてもいい筈だが
意に介した様子もなく。
「キーッヒヒヒヒヒッヒヒヒ!
ハハ、酒の後だと変な感じっスね、この味。
・・・も一個貰えるっスかね?」
どうやら気に入ったらしく、お代わり所望してみたり。
もし少年のグラス開いているなら、休ませないとばかりに注ぎ足されたりするだろう。
■オウル > 飴玉を噛み砕き、最後にペッと棒を吐き出すと其処らに捨てずにポケットにしまい込み、直ぐにも折角の頂き物のグラスに唇を寄せると、くいっ、とまずは一口だけ喉へと芳醇な香りのする赤い液体を流し込む。
普段はこんな上品なモノは飲まないんだけども、貰い物だし偶には悪くないかなーなんて、少しだけ頬に薄紅を浮かべて、キヒッと視線の先の女と良く似た笑い方をする、こちらが素である。
「売ってもらえるなら一晩アンタの時間を売って欲しいかなー?情報は自分で何とかしろってギルドから怒られるし。」
適切な情報の扱い方はまだ未熟と情報関係の仕事で怒られたことを思い出しながら、またクイッとグラスを傾けて、吐き出したい苦い思い出を芳醇な香りで喉奥へと押し流し、彼女が飴に興味をもったのが解れば、ポケットに手を入れて薬を練りこむ前のただの強烈な薄荷の飴をぽんっと投げて差し出す。
包み紙はオブラート。
なのでそのまま口に放り込めば……と説明する前に、受け取った直後に口に放り込みバリバリとかみ砕いて咀嚼する女にケラケラっと大きな声で笑って見せた。
魔法を行使しての取り寄せ。
凄く気になるジャンルの魔法であるが、今は敢えて聞き流す、それよりも女を一晩買いたいと臆する事無く口にした、その口で三度グラスを傾けるとグラスは空に……ならなかった。
また注ぎ足される赤い液体。
ならばとお返しにおかわりの飴玉をぽんっと山なりの軌道を描くように投げて、相手の口に入るか挑戦しながら、またキヒッっと悪戯めいた笑みを浮かべる。
「口移しの方が面白かったかなー?」何て、キヒッとまた笑う、寧ろ笑いっぱなしであった。
なんとなくわかった。
女は奇妙で普通ではないが少なくとも楽しい相手であると。
冗談を言えるほど、冗談を言うほどに結構さらりと相手への警戒を解いている自分がいた。
■グラスフィーエ > 「・・・ハァ?
アッシを買いたいってのは、あーつまりそういう事っスよねぇ・・・?
・・・ギーッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!
ア、アンタ、よくゲテモノ食いって言われないっスか?
確かにアッシは体だけならそれなりのつもりだし、
襲ってまわすってんなら判らなくも無いっスけど、
正面から頼まれたのは初めてっスよぉ・・・
面白そうなモノ持ってるってのに、ねぇ?」
女自身を欲しいと言うなら、思わず目を丸くして呆けた顔見せた後に
涙浮かべて大笑いしながら
さりげなく少年の隠しているモノについても言及してみたり。
なお魔法の探査とかではなく、単に嗅覚で『妙なモノ』の存在知って
いつ自分に仕込むかと半ば待ち受けていたりして。
無論効きはしないのだが一向にその気配無いので、このまま酒飲んで別れるか
適当に情報交換するかのどっちかだろうと思っていたのに、
まさか(互いに酔っているとはいえ)真顔で求められるとは思っていなかったから、
ひぃ・・・と笑い声の残滓残しながら、タキシードの袖で笑い涙の粒拭いて。
「金はいいっス。
体で商売出来るほど立派なもんじゃないっスからね、
・・・ゴクン。
今貰ったのと合わせた飴3つで手を打つっスから
連れてくなら早めにお願いするっス。
酔い覚ましにも時間かかるっスからね、適当な場所じゃないと
色々まずい気がするっス」
放り上げられた飴は、今度は口に入る直前で
これだけは普通サイズの舌で受け止めてから飲み込んで。
そういうとグラスも酒瓶も持ったままで、すっと少年の左側に移動して
腕を絡めようとしてくるだろう。
そして・・・流石に半月状に空けた口は一度閉じて、次に開いたときは
ニィイっとでも声出しそうな照れくさそうな笑みで。
■オウル > んーと、小さく唸る、悩んでるというより言葉を探している。
だって「そういう事」以外に理由もなく、ただ単に女が言うそれなりのつもりの身体に興味をもったというだけの事――…後は色々と楽しそうだからって、ダケ。
もう一つ言うとすれば、こちらの『飴』に感づいた事。
此処でハイドウゾ何て面白くもない、効き目の有無はともかくとして、効いた時に楽しめる方が断然良い。
だから、買いたい、と正直に下心を込めて女を誘ったのだ。
「面白いものも危ういものも当然あるよ?」
【ギルド】で配っているモノは当然常備している。
後でレポートする為に試作品の数々もそしてご禁制レベルのモノもだ。
感づいた相手にわざわざ隠し立てする理由もない。
だからあると明言すると、飴玉を放り投げたその手を自分のポケットに滑り込ませると、明らかに空気の違う飴玉を一つ取り出して、見せるだけ見せてヒョイとポケットにしまい込む。
「はいはいっと契約成立な。
飴玉くらい幾らでもあげるさ、代わりにそりゃもう楽しませてもらうけど、あっでもまわすのは無理かな?準備しないと、でも、手錠で縛るくらいは……。」
できるけど?と言葉の終わりに繋げると、冗談だよと言わんばかりにケラケラと大笑いした後に、グラスを女へと返しながら、左側にたって腕を絡めてくるのを楽しみながら、連れ立って歩きだす。
――…照れくさそうに笑う顔に悪くないって笑みを返し。
歩き出す先は貧民地区でも比較的ましな場所にある連れ込み宿のほうへ、きっと歩く方向と地理を知っていれば、察してもらえるだろうか。
本当に冗談でもなんでもなく、女を抱くつもりであると。
もしかしたら途中で我慢できなくなって襲い掛かるかもしれない、が、今はひとまず宿へと向かうのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からオウルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からグラスフィーエさんが去りました。