2024/08/14 のログ
■ゴットフリート >
僅かに視線を上に向ければ、不可視の猟兵が屋根の上に跳ぶ。
ぎし、と壊れかけの屋根を軋ませる足音は二つ。
路地を歩く男の、前と、後を護るように。
もっとも――こんなものでは気休めにもならない存在が徘徊することもある。
それを、老貴族は存分に知っている。
所詮は侭ならぬ人間の身、強いものに遭えば容易く踏み躙られ
代わりに弱いものに出会うのならば存分に踏み躙る。
「どっちでもねェのが、最悪だけどな。」
なんて、また独り言が髭面の唇を割って零れる。
進む先は奥へ、奥へ、このままいけば王都の端まで到達してしまうか。
あるいは、曲がりくねった道は、もっと別の場所に導くか。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からゴットフリートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にオウルさんが現れました。
■オウル > 暫くぶりだというのに何も変わらない。
陽光眩しい時間帯でも響き渡る喧噪。
それと客引きのお姉さん方の黄色い声。
あとは、奴隷市場を競りの声。
違うことといえば――…この何とも言い難い蒸し暑さ。
少年はだいぶ暫くぶりではあるが本拠地である王都マグメールに帰還した。
ここ最近は長期間にわたって幾つかの街を転々とし『飴玉』の販売に精をだしていたり、とか手紙を届けたりとか、『ギルド』の仕事に邁進していた。
その仕事もひと段落ついたのか『ギルド』から帰還命令が届き、こうして王都に帰還し『ギルド』に報告も済ませ、暫くぶりの自由な時間を与えられたのである。
「……学院に届け出とかださなくて大丈夫?
駄目だよなー…駄目だろうなー……うん……。」
あいも変わらず賑やかな貧民地区の路地を歩く。
目的もなし、ひとまず夕暮れ時まで涼しく過ごせる場所を探して歩いている。
頬を伝う不愉快な汗。
左目の眼帯と瞳の間に滑り込む汗。
こんなんだったら『ギルド』にいればよかった何て思いつつ。
■オウル > ただ『ギルド』で休むと間違いなく併設の酒場で働かされる。
それ自体は特に嫌でもないのだが、空調が~とか、休憩が~とか理由をつけてロハで働く事になるのが目に見えている。
だとすると、早々に学院に立ち寄りの、ロビーや図書館で休む、か、友人は…いないが、顔見知りの部屋に入りこむか、になる。
どちらにせよ貧民地区でぶらぶらしていたら蒸されてしまう事は間違いない。
「はぁー……自分の交友関係の狭さを恨むわ。」
眉間にしわを寄せた自嘲気味にあきれた表情を浮かべ、大きな溜息を吐き出すと、貧民地区から平民地区に向けた路地へと足早に少年は駆けていくのであった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からオウルさんが去りました。