2024/07/22 のログ
グライド > (酒は、御世辞にも質の良い物とは言えない
貧民地区で高い酒でも置いて在れば、近日中に野党が盗みに来るだろう
そう言う場所だ、王都の中でも、此処は生きるために手段を選べぬ者たちの街だ
だが、質の悪くてただ濃いだけの酒が、妙に合って居る夜もある物
今夜みたいな夜がそうなのだろう、ただ、何も考えずに、安酒を煽る

其れで良い。 其れが良い。 品の良い酒には出せぬ風情だ。
高い酒が悪い、何て言うつもりは毛頭ないが。)

「……久しぶりに静かで良い夜だ。 この地区の夜とは思えねぇ。」

(あんまりこういう事を口に出さない方が良い、と言う事も在るのだが
つい、言葉にしては、椅子から立ち上がり、窓に近付いた
空が良く見える。 明かりの乏しいここでは、星明りが美しい。
此れが平民地区の飲み屋街なんかでは、そうも行かないだろう

月はもう沈んで仕舞ったか、暗い夜空に視界が溶けて行く様な心地になる
――明日はきっと、茹る程に暑いのだろう。 そんな予感だ)。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 宿」からグライドさんが去りました。