2024/07/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 宿」にグライドさんが現れました。
■グライド > (横合いより掛かる声に断りを入れつつ、歩む娼館通り
既に宿が決まって居る以上、店に招きたい女達を引っ掛ける訳にも行かぬし
ついこの間、諸事情で街に其れなりの泡銭を落として居る事から
女達からも、今宵も無理にとは引き留められぬ
宿に辿り着けば、受付に声を掛けつつ、棚に並んで居た酒瓶を一本引っ込抜く
店の主人が片眉跳ね上げ、「宿賃に追加すんぞ」と言う声に
ひらり、振り返る事も無く、掌を軽く振り返して
――部屋への扉を開ける。
ここ数日で見慣れた部屋の中、テーブルへと酒瓶を乗せれば、椅子に腰掛け
コルクを引き抜き、グラスに注ぐ事もせずに、ごくりと煽った
着込んで居た上着を脱ぎ落し、もう一つの椅子の背へと掛ければ
裸身を晒しながら、酒瓶を傾けて、窓の外に視線を向ける
――夏が訪れた。 雨がちであった空も、最近は晴れ間を増やして来た
熱さが厳しいのは億劫だが、酒が美味い季節でも在る
仕事も無い、ただ、のんびりと過ごすには、悪くない夜だ。)
「――――――山を抜け谷を抜け、海川を跨いで訪れしはマグ・メールの地。
……吟遊の真似は如何にも上手く行かねぇな。 連中の頭ン中は如何なってやがんだ。」
(――余り吟じるのは得意ではない。
彼らの様に語彙が多いとは言えない故に、何となく、其れっぽくなると言うだけだ。
……己にもう少し学が在ったら、変わったのかも知れないが
生憎ながら、学徒に混ざって学び直すと言う歳は、とうに過ぎ去って仕舞って居る)。