2024/06/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にドリィさんが現れました。
■ドリィ > 遅く起きて用向きを終え、夕餉──…代わりの肴と酒を数杯引っ掛けて、今宵も好い気分で終わろうかという帰り道。
月が長く伸ばす影の昏きを引き連れて歩む女の、千鳥足の気配の欠片も無い足取りの悠然たるは変わらぬけれど、
「ぁっれぇー……なぁんかーぁ……… 、面倒なのを釣っちゃったカンジ?」
声にならぬ程度に独り言ちるは、少しばかり離れた背後に、付き従うかの気配を感じたから。
恐らく、酒場で近くの席にいた、此方をニヤニヤと眺めていた輩共。
誘うなら正面より堂々とくれば、気が向いたなら誘われてやらないでもないものを、
大方、この先の人目の失せた路地にて囲い込んで狼藉を、といったところだろう。
「────…このあたり、足元が抜けそうでヤなんだけどなァー……。」
もぉー…、と拗ねた発声ヒトツに足取りを緩めたなら、
片方の爪先をトントンと地に慣らし、女は、──“ショートカット”を試みた。
しなやか嫣然たる曲線美を誇る脚の、類い稀なる脚力が放つ、とぉん、と軽々しい跳躍。
塀を越え、住居の屋根迄。軸の揺らぎも無く、着地をしたならば。
面食らって路に飛び出してくる男共を睥睨は一瞬。ぴらぴら、と指を揺らして雑な挨拶とし。
まあ、暗く危なっかしい夜道の数本分くらいは──高みからの散歩もいいだろうと。
■ドリィ > 屋根を爪先で踏み、腐った屋根板を器用に避けて跳び、女は細路地の幾つかを高みから通り過ぎた。
窮屈にあばら屋が鬩ぎ合う狭い空が嘘のような屋根の上の夜空の広さは解放感すら感じ。
んーー! 伸びをしながらの足取りは優雅さをも醸していた。
まるで闇夜の黒猫の如く、豊満なボディをむっちりと覆い隠す漆黒の装いも艶やかな女は眼下を見下ろしつつに、
「泥棒と勘違いされるのもー…… 癪だしー…?」
不審者扱いは真っ平であるからして、適当な路を見つければ、着地の場を定め、
「───…ッ よっと。」
と、 ん っ。 何食わぬ風に、地に降りた。
■ドリィ > そのまま、女は路を一本曲がって雑踏に紛れ───…。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からドリィさんが去りました。