2024/05/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にグラムヴァルトさんが現れました。
グラムヴァルト >  
「アァ? ンだよ、これっぽっちしか持ってねェのか。 ……ったく、イキって絡んできた割にァてんで弱っちぃし、金目のモンもほとんど持ってねェとか、てめェら何なんだマジで。」

路地裏に倒れ伏し、苦悶の呻きを血反吐と漏らして震える男達。
その内一人の傍らにしゃがみ込み、手にした金貨袋の中身の少なさに凶相を歪ませるのは、灰色の蓬髪を雑に撫でつけた浅黒い肌の長駆。
『ごめんなさい、すんませんでした、調子乗ってました、もう許して。』と繰り返すゴロツキの鼻っ柱を無造作に放つ拳で潰し、舌打ちと共に立ち上がる。
全体のシルエットは脚の長さや引き締まった腰からスラリとスリムに見えようか。
しかし、革ジャケットの背筋や両肩の盛り上がりは尋常ではない。
殺気を放っているわけでもないというのに、その後ろ姿だけでも鳥肌が立つほどの暴力を感じさせるその男が

「―――――よォ。なァに見てンだコラ。タダ見してンじゃねェよ。出て来てツラァ見せやがれ。」

肩越しの横顔が、彫深い眉庇によって作られた色濃い影の下で銀色の三白眼をギョロリと向ける。
雑多に不用品の積み上げられた路地の物陰。
そこに潜むのは偶然この現場に通りがかってしまった薄幸の乙女か、はたまた重い殴打の音と男達の悲鳴を聞きつけ様子を伺いに来たツワモノか。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からグラムヴァルトさんが去りました。