2024/05/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 目に見えるもの、それがすべて、映った通りのものとは限らない。
見た目は大丈夫そうに思えても、時に、それは思った以上に傷んでいたりもするのだ。
特に、ここ貧民地区、そこに並ぶ建物は、よく老朽化が進んだものが混じっている。
壁を叩いてみれば、あっさりと綻びを見せる場合もあり。
少し風が吹いただけでも、表面が少しずつ削れ、埃となって飛んで行く時もある。
つまりは、あれだ、何が言いたいのかと問われれば。
「うむ、見事に抜けてしまったようじゃな…」
そう呟く少女、今居るのは、どこぞの建物の屋内。
廃れた教会か何かか、集会場なのか、それとも、どこぞの広間か、結構だだっ広い空間の中央に佇んでいた。
その足元には、崩れ落ちたであろう、何かの破片やら何やら。
…うん、何かって言うか、間違いなく天井とか、屋根とか、そんな色々混ざったものだ。
いつも通る、屋根の上と言う散歩道。
ちょっとした油断か、着地した建物、かなり老朽化していたのだろう。
思いっ切り踏み抜いて、その下、今居る場所に落下したのだ。
運が良かったのは、その足元に、誰も居なかった事。
それ以外、運が良いのか悪いのかがあるならば、この建物に来ていて、これに気付いて誰か来るかどうかだ。
とりあえず、この状況をどうするか、それを考えるのが先決か。
少女は、のんきに思案する仕草をしながら、天井の穴から見える夜空を、見上げていた。
■タマモ > 「………さてはて、妾にとっての救いは、誰かの住まう場所ではなかった、と言うところか。
それでも、まったく使われていない、と言う訳でもないようじゃ。
これを見付けた時に、どんな反応をするのか…面白くはあるが、後々が面倒そうじゃのぅ」
ぐるりと周囲を見渡してみれば、そこまで埃は舞っていない。
ここが未使用の場所ならば、落ちた時点で、咳き込むぐらいに埃が舞うものだ。
となれば、何かしらの理由で使われている、と考えるのが妥当だろう。
実際に住んでいるのか、勝手に使われているのか。
そもそも、ここが何の建物か、と言うのも分かっていないが、それはそれである。
まぁ、力を使って元通り、も不可能ではないのだが…
元の状態を見過ごした為、完璧な復元はちょいと難しい。
元通りと言っても、ここらの破片を寄せ集め、繋ぎ合わせる、なんて感じだからだ。
踏み抜いた際、細かな破片がどこぞに吹っ飛んでいたりしている、と考えれば。
己のそうした考えに、間違いはないだろう。
ともあれ、ここで突っ立っていても仕方ない。
直すのを挑戦してみるか、素直に逃げるか、その選択を考えよう。
…逃げるのが素直な考え、ってのはおかしいって?気にしたら負けだ。
■タマモ > 考えて、考えて、考えて…
考えながらも、周囲への意識は向けたまま。
「………よし、逃げよう」
再びそう呟いたのは、周囲に誰も居ない事が、はっきりと分かったから。
誰も居ないならば、文句の一つも言われはしない。
己がやったと言う、証拠も何も残していない。
これならば大丈夫、そう判断出来たのならば。
ぐ、と軽く身を屈め…たんっ、と床を蹴り、自ら開けた天井の風穴を抜け、屋根の上へ。
その後、少女の後を追おうとも、その姿、その場に既に無く。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。