2024/05/05 のログ
ライア > 「まあ……クレイさまは傭兵、なのですね……。
 傭兵の方は皆、クレイさまと似た価値観をお話されます。
 とても刹那的で……まるで風前の灯火のような、鮮やかで、儚い思想です……」

男の言葉に似た言葉は、他の傭兵や便利屋稼業の者達から聴いた事があった。
気高く強くも儚い、少女が抱くのとは違う日々の過ごし方。憧憬もあり、畏れもあった。

「……はいっ。ふふふ、どうぞいつでも遊びにいらして下さい。
 カウンセリング室を利用される方はとても少ないので、主な仕事は"待機"なんです、私」

男の言葉に『是非』と答え、にっこりと笑みを深める少女。
男が行う授業による生徒への影響に関しての話を聴けば、少し眉尻を下げながら

「まあ……では、近日男子生徒の方の来訪が少しずつ増えているのは
 クレイさまの講義による影響があるかも、と……それは、むしろ感謝をしなければっ。
 お勤めを頂けるのはとてもとても光栄な事です、機会を増やして頂けたなら、苦労だなんてとんでもありませんっ」

肩を竦める男の横で、少女は晴れやかな笑みを浮かべ続けている。
貧民街の、更に郊外。人気の無い修道院に来訪者は少なく――
その為、少女にとってこうした時間はとても貴重なものなのだ。

クレイ >  
「風前の灯火はともかく、儚いは初めて聞いたぞ俺」

 その考えは無かったとばかりにハハハと笑って答える。
 むしろ何も考えていないバカとかそっちの方がはるかに多い。
 待機と聞けば少しだけ意地悪く笑って。

「そりゃ羨ましい。むしろ4月は大忙しだぜ俺は。夢見る馬鹿が大量に来るからな」

 もはや夢を壊すのが仕事と言わんばかり。だが半分は間違っていない。少なくともそんな理想を持った奴が戦場に行けば待つのはただ死の運命だけだ。
 だから夢を壊して現実にする。それがこの男のある意味で仕事と言えた。
 男子生徒が多いと聞けば相手を見る。

「……男が増えてるなら別の理由も混ざってる気がすっけどなぁ」

 恰好もそうだし、距離感もそうだし。
 見る為に話す為に近くに行く為にあわよくば……そんな理由でカウンセリングを受けに行く生徒も多そうだ。

「まさかと思うけど、その恰好で学校来てる訳じゃねぇよな?」

ライア > 「そ、そうなのですか? ……はっ。
 いえ、そのっ、儚いと言うのはですね? 決して、決っして、弱さや脆さを表す為に言ったのではなくっ」

『初めて聞いた』と言われれば何か粗相をしてしまったのかと慌てるも、
笑って答えるその様子を眺める内、釣られて少女は再び笑みへと戻る。

「まあっ。夢見るばか、だなんてっ。夢があるのは素敵なことではいのですか?」

少女は物心つく前に戦場を、敗戦後の逃走を経験しているものの
それは無意識に記憶の彼方へと置いて来てしまっている。
故に、男が語る"馬鹿"の理由がわからず、眉を顰めて再び小首を傾げた。

「別の理由……? んん、そうですね……相談や懺悔の内容は様々ですから、そうだと思います。
 ……え? は、はい。私はこの装い以外には寝間着しか持ち合わせて居りませんし、正装ですから。この服で」

『まさかとは思うけど』という前置きを不思議そうに聴きながら、
少女は男の問いかけに対し、さも当然といった様子で返答した。

クレイ >  
「わかってるっての。言われた事がねぇなって思っただけだ」

 そんな綺麗な表現じゃなとケラケラ笑っていた。
 相手が眉を顰めればハッと笑う。

「馬鹿さ。小説の英雄に本気でなれると信じてる。実際、練習やらでもそういうのは勇気を見せて最初に突っ込んできて……それがただの蛮勇だって理解した時には大怪我して帰る。実戦だったら死んでるよそいつは」

 ある意味で男のやさしさでもあった。これが踊り子になりたいとか歌手になりたいとかなら夢を目指す相手を馬鹿と言わない。だが戦士や騎士の場合、馬鹿は死ぬ世界。だからこそそれを完全に否定して叩き折って来た。

「ま、全てを許せとかが多い宗教家にはちーとばかり厳しく聞こえるが……ある意味でやさしさだ。そういう奴の夢は壊してやらないと最後には死か死以上の苦痛が待ってる」

 だから男は戦争に”夢”を見る人間を”馬鹿”と言い切っているのだった。
 そこまでは真面目だったが、相手の服装の話を聞けばジトっとした目を向ける。

「お前、いつか襲われるぞ。あの学校結構ヤバい奴多いからな」

ライア > 「蛮勇、ですか……己の力量を見誤ってしまってしまっては、
 確かに命を落とす事が有るのやもしれませんが……、
 でも、生徒達がそうならぬ様クレイさまが教え導いているのでしょう?
 なら、いつか生徒達も気付く筈ですっ。とても素敵なお仕事をされていますね、クレイさまは」

男が『ある意味でやさしさだ』と言えば少女はその言葉に深く頷き、
『夢を挫く厳しさは、誰もが持てるものではない』と力強く肯定して見せる。

「ぉ、襲われる……っ!? が、学院の中でまさか、そんな……。
 や、ヤバい奴、というのは……どの様な……? 心積もりをしておきませんと……」

少女にとって男の言葉は青天の霹靂だった。
男の言葉に真摯に耳を傾ける。男の横から前のめりに姿勢を崩せば、距離が詰まる。

クレイ >  
「物は言いようだなおい。そこまで綺麗に肯定されるとは。ただ給料分の仕事してるだけだっての」

 思わずハハハと笑ってしまう。
 あくまで金の為と言ってのけるのは傭兵らしいというべきかそれもまた彼なりの冗談交じりか。それは彼だけがわかるだろう。
 相手の様子を見る。前のめりならば谷間等もしっかりと見えるようになるだろう。
 そんな相手を見て。

「ヤバいやつってのは」

 といえば肩を軽く押し返して逆にソファーに押し倒すようにするだろう。
 そして本来ならば手の平で口を押えるだろうが、指を1本当てるだけ。その上顔を近寄せる。ほぼ指1本の距離で会話を続ける。

「こういう事してくる奴ってこと。あの学園、生徒や教員に普通に女を食いまくる奴とかもいるしな。流石に知識なしって事は……あー、シスターだしあり得るのか。結構堅い奴多いしな宗教関連は」

 相手の出自を考えてそう思い直して。
 軽くうなずく。

「ま、つまりこのまま胸触ったり服を脱がせたり。場合によっちゃそれ以上までする奴って事。ここまでいえば何となくわかるだろ。男も、一部は女もそういう恰好を見せつけられて、あそこまで近い距離だとそういう気になっちまうもんだからよ」

 怖い思いしたくないならやめときななんてその距離で笑う。

ライア > 「きゃ……っ!」

会話の最中、ふいにソファへと小柄な身体が押し倒されれば
少女は驚いた様子で瞼を見開き、男の顔を唖然と見上げた。
指が一本唇へと当てられその顔が寄れば、大きな瞳で見つめたまま――

「こういう事……とは、欲望の発散の事、ですか?
 女を食いまくる……それは、性的に女性の身体を消費せんとする者が居る、ということでしょうか」

男の言葉に応えた後、暫く考えに耽る様に顔を伏せた後、少女は再び男を見上げて

「世の殿方は、その殆どが常に己の欲望を制し……湧き上がる情動で他者を傷付けんと自制の日々を過ごすと聴きます。
 そういった殿方が抱える悶々とした想いや欲望を受け止める慰めるのも、私の、フィーリスの女の役目です。
 ありがとう存じます、クレイさま。私の事を案じて下さって。でも、大丈夫ですっ」

少女は健気な笑顔を男へ向ける。その様子は先程迄と何ら変わらない。
一般の女であれば、男の言葉は脅し文句にも聴こえただろう。
が、修めた戒律によって歪んでいる少女にとっては、それは日常の一部とでも言った様子で――

クレイ >  
 そんな相手の様子を見る。その目に動揺などはほとんど見られなかった。
 むしろ逆。先ほどまでと何ら変わりない様子で。

「なるほど、そっち系統か」

 宗教関係にはそういうのもいる。眼前の少女がそうだとは思いもしなかったが。
 そんな彼女の様子を至近距離で見つめた。

「なんというか、宗教ってのはわかんねぇな」

 それを間違ってるとか歪んでるとか言うつもりはない。それが本人の満足ならばそれを咎める理由などどこにもない。
 というより、咎めようにもそんな資格はない。そういう神を信じてそうする彼女と金の為に人を殺す自分。それを当然と思ってる時点で等しく一般常識から見れば歪んでいるのだから。

「じゃあよ、このまま俺としようぜ」

 男は娼館の女主人から依頼を受けた。しかしそれは言い換えれば男は娼婦を買うつもりで訪れた先で依頼を受けた。そういう意味でもある。
 彼女との境でもあった指を退ける。

「俺だってよ、目の前であんなふうに見せつけられれば、そういう欲求だって湧くさ。それでどうする、するかしないか」

 少女がほんの少し顔を上げればキスになる距離感で男は声をかける。
 とはいえ彼女にのしかかるようなその体。具体的には陰部からは既に堅く、熱く主張しているモノを感じるだろう。

ライア > 「…………?」

少女は暫く不思議そうな瞳で男を見上げていたが、
『宗教ってのは~』と聴くと、笑顔の眉尻が薄く、寂しげに下がる。
己が修める戒律が極めて小規模なものであり、理解されない経験も当然経験しているからだ。

――と。男が再び口を開けば少女は一度驚いた顔を見せた後、おずおずと視線を逸らして

「それは、その……く、クレイさまの欲望を、私が受けてもよい、という事ですか? でも……。
 傭兵稼業の方々は、娼館で娼婦を買う事で慰める事が多い、のですよね?
 見ての通り私は未だ幼い身ですし、ご期待に添えるか、どうか……その……」

少女は、娼婦達に対して強い憧憬と敬意を持っている。
生業として男を慰め、己の美貌を磨き、術を磨き、日々を懸命に生きる彼女達を。
一部を大きく歪めながらも、少女の倫理観や価値観は危ういままで正気を保っている。
だからこそ、男の持ちかけに対しての反応にこそ年相応の少女の様な恥じらいを見せる。

「私の顔を、良く見て下さい。私の身体を良く、眺めてみて下さい。
 決めるのは私ではなく、貴方なのです。クレイさま。貴方は……どう、したいのですか」

己の腹部に感じる、男の下肢から主張する熱。
しっかりとその熱を感じながら、男の瞳を澄んだ青の目で見上げる少女の表情は
先程までの笑顔とは違い、真摯な。真っすぐ男の目を見つめ返す、真摯な表情だ――

クレイ >  
「たしかにそういう事が多いが、別にそれ以外だって多いぜ。中にはあくどいやり口を好む奴も多いが、俺はそういうのはあんまり好きじゃねぇな」

 戦争で村を襲うとか、敵兵を無理やり集団で襲うとか、場合によっては仲間を襲って戦死という事にして処理したりとかそういった事はよく散見される。
 だからそう返すだろう。その後相手の様子を見る。先ほど受け止めるのが仕事。そういいながらも彼女は年相応のように見えて。
 だけど、笑って返す。

「あのな、冗談でこういう事は言わねぇよ。冗談のつもりなら俺はさっきの時点で身を引いてる。けどそうだな」

 でも、ここでああだこうだ言うのは流石に恰好が悪いというものだ。
 だからこそ、相手の真剣な表情に対してこちらも真剣な表情で見返した。

「ライアとしたい。今こうして俺の下にいるライア・フィーリスとしたい」

 そうしっかりと言い切り、拒否する様子を見せなければそのままキスをしようとするだろう。

クレイ > 【一時中断】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区郊外//フィ-リス修道院」からクレイさんが去りました。
ライア > 【時間都合により中断となりました】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区郊外//フィ-リス修道院」からライアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にゼオンさんが現れました。
ゼオン >  最近、少し運が良いのもあって上玉に巡り会えてるものだから。
 ちょっと拘り過ぎてる気もする。

 もっと面白いことがあるんじゃないかと思うが。

 最近女狩りをしていても質も反応もイイ女が多すぎてやりたくもなってしまう。

「っけどぉー、ナンパもいっかなぁー」

 春はなんかエッチしやすくなる季節らしい。
 じゃあ、普通にナンパでもいいんじゃないかと思えて来る。

 ……そうでなくとも、一度ヤッた女がいれば手を出してしまいたくもあるのだが

「マッジで上玉ばっかだよなぁ。テンションさがんねえのがマジいいわ」

 狙った女が己のものになる前提。
 逃げられるとも、負けるとも思っていない。
 仮に子供に変えられたとして、他者を圧倒できるだけの才覚。

 それを自覚しないまま、自由気ままに倫理に反して粗暴な街並みを歩いていく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にニュアさんが現れました。
ニュア > ぱちゅ───、と。
その指から弾かれた魔術と血を練った小さな飛礫が、
前を奔る猫の背を外し、地面を弾いた。

「クソ! 有り得ないんだけど……!!」

走りながら魔術を打つとか有り得ないし、自分が走ってるのも有り得ないし、
よりによって外してるのも有り得ない。
雑踏を擦り抜け、往来に時折肩をぶつけながら、
─…此の儘じゃ逃がす。そう思ったから、
前方を行く男に、駆けながら怒鳴る。
帯剣している。ならば心得はあると思ったのだ。

「そこの、金髪!! その猫、──潰して!!!」

捕まえて、でも無い。逃がさないで、でも無い。
──────潰して、である。

青年の傍らを──すぃ。と1匹の、影の無い黒猫が駆け抜ける、間際である。

ゼオン > 「は? なん?」

 人もまばらになってきた頃、不意に猫が前を横切る。
 こう見えて猫好きだ。餌やったりする。不細工なおっさんより猫のほうがいいし、
 むやみに餌やるなとか抜かすおっさんを殴り飛ばす程度には猫が好きだ。

 ましてや故郷では黒猫は幸運の印。
 様々な色で塗り潰されて黒くなるほどに強い縁が富をもたらすと言われている。

「いや、しねえけど。つかなに命令してんし。」

 猫を、ひょいと自然な仕草で抱き抱える。
 逃げる様子もない。大きな気配。包み込むような気配が獣に敵ではない、
 良い逃げ場だと悟らせたのだろうか。

 ……無詠唱で自らの肉体に肉体強化を施す。猫を潰せなんて言う奴だ。
 まして今飛ばしたものを探すがない。兄貴分が教えてくれた指弾とかでもない。
 魔術、というには魔力が奇妙。そして僅かに残る赤い残滓。

「潰せってあに言ってんだよ。お前さ、マジカワなにゃんこちゃんじゃん。
 ええっと、どーとくしんとかないわけ?」

 猫の顎を優しくくすぐりながら鼻で笑う。煽り立てる。
 ……まったく、黒猫は本当に縁を運んでくれる。

 こんなイイ女を難癖付けて犯す口実を運んできてくれたのだから。

ニュア > 「─────────… は????」

ひょいとまるで自然にソレを持ち上げた相手に、
全力疾走をしてきた細面が、──…瞠目した。
唖然である。まさか抱き上げるとは思わずに、──だってそれは。

「…っ…いや金髪、お前、何抱いてんの??ぇ、ってゆうか返して潰すから。」

相手は気付いているだろうか。寧ろ、気付いていないのか。
それは猫、のカタチをしながら、──猫では無かった。
魔力で練られた運搬装置。
恐らく、この猫を潰せと宣う不穏の主の“何か”が、
猫を擬態した外殻を与えられて──… 逃走した、或いは盗まれようとしていたのだ。

しかも、その猫もどきは、相手の懐をイイ隠れ蓑だとでも思ったか
ニャーンなんてマジカワにゃんこちゃんを装いだす有様で。
そしてこっちは不本意に走らされて若干グロッキーであり。
前屈みに暫し、ぜぇはぁと痩躯を宥めてから、…生白い顔を持ち上げた。

「…ッ…… は?どうみてもマジカワニャンコチャンじゃなくて
 グロキショドロボウネコじゃん。ぇ、… じゃあいい持ってて。潰すから。」

指先が、ちりりと魔術を凝固させ。
至近にて、切り傷めいた紅滲む末端が、───礫を弾かんとし。

ゼオン > 「くっそ口悪っ。何か咥えてっかこれ? 飯でも盗み食いされた?
 んじゃあ俺が奢るからさぁ。お話しようぜぇ?」

 ニヤニヤ笑いながら猫の頭を撫でる仕草は思いのほか優しく。
 猫に似せた何かが敵意や害意、悪意の類を持っていれば過剰に反応するが、
 好きな動物には能動的に探査をすることもない。興味がないのだ。

「あ、そう言う風にやるんだ。」

 だから、敵意には反応する。だが今となっては犯す上で良いスパイスで。
 だからつぶさに、指先に集まる魔力を注視し、猫にぶつかる瞬間、拳で打ち払う。
 威力そのままにかちあげた紅礫が屋根の端をかすめて瓦礫を散乱させ、
 その中で懐から小瓶を取り出すと蓋を開いて。

「いいもん見たな。ええっとぉ、こんな感じでいいのかなっと」

 半ばアレンジ。小瓶から零れた薬品が手の平でいくつかの小さな粒となり、
 貴女の首、胸、腕、足に次々高速で放たれる。

 極小。故に視認しがたく、風を切り、しかし穿っても針を刺された程度の痛み。
 だが、薬品の中身は媚薬。

 それも本来百倍に希釈して服用させるものを、血中に原液を立て続けに打ち込む。

「にゃんこちゃーん、今からお前に意地悪した奴のこと青姦レイプしまちゅからねぇ。
 ここで逃げないでよぉーく見てまちょうねぇ」

 などと、赤ちゃん言葉を言いながら、手近な木箱に降ろすと、頭を撫でてじっとしてるように促して。
 それから、薬品を打ち込んだ貴女に悠然とした足取りで近づきながら、

「いやぁー、動物虐める奴とかマジ遠慮なく犯せるからいいわぁー。
 罪悪感とかなくていいわぁー。
 ……男っぽい素振りしてっけどさぁ、良い匂いすんだよなぁ。
 イイ女の匂い、ってぇの♪」

 男を犯す趣味はない。だが、仕草に女が混じる。
 併せて、隠れてる女を見つけ出す為に五感強化も使用していたから、
 雌の香りにニヤニヤ笑いながら胸ぐらをつかんで布地を引き裂こうとする。

ニュア > 唖然、とする。

「いやソレまず猫じゃないから。猫のカタチした俺の財産だから。
 俺の財布撫でるのヤメて使えなくなるから。ねえ」

猫を潰せば、外殻は霧散して娘の稼ぎの詰まった革袋に戻る筈なのだ。
なのに。───なんだか酷く面倒な事になった。

ていうか、咄嗟に、魔術で練られた凝固体を掴めるものなのか。
自分だったら到底しない。
もしそれが適うなら、余程のセンスの持ち主か無謀な莫迦か、どちらかな筈で。
剰え。再び、その少年容貌が見開かれる。

「 は?」

一介の拳で流れを変えられる術式じゃない筈だ。
余程の精度で、魔術の流点を見定めて、逸らさない限り。
──────なんだこいつ。ヤバい。
しかも。まるで手遊びでも真似るみたいに──…いや、まさか。

「  ッ !??!??」

模倣された。一瞬で。──────ますます、本当に有り得ない。
咄嗟、身を引いたけれども間に合うものじゃない。
何かを仕込まれた。そう思った途端─……  ぐ、ら。膝が傾いだ。
薬品には相当強い耐性がある。通常の十数倍でも利かぬ程度には。
だから、──────相当ド鬼畜にドギツいやつを仕向けられたのは即座に理解した。

「ぉ、前、…………バカなの!???
 どう考えてもその猫がナンなのか分かってんだろ…!? 
 なんでコッチが悪者みたいになって、犯されなきゃなんないわけ…!??
 大体、野郎を犯して何が、タノシい──… ッ ッざけんな殺す!…ちょ─… ッ」

相手にしてみれば、随分と薬の効きが悪い、とは感じる筈だ。
だが──効いている。胸ぐらを掴む相手の手から逃れられない程度には。
ビィィィィィィィッ! 衣を裂く音が路上に響いたなら、
少年容貌の、───胸元を布帯に隠した真白い痩躯が先ず、晒される筈で。

かっ、とその細面が色を孕み。

ゼオン > 「はいはい、どーぶつぎゃくたいする奴はみんなそういうんスよ」

 幸いというか、運が悪いと言うか。
 男の目的は女狩り。それも得手がある者、抵抗する者を相手にしての。
 だから本来は体の周囲を覆うようにまとう魔法防護(マジックバリア)も極薄に圧縮、
 己の体にまとわせもしている。
 だから掴めるし撫でられていて。
 ……だが、何度か撫でているうちに違和感もある。

 にゃんこちゃんは野良猫でもこんな毛並ではない。
 もっとふわふわしているのだ。
 だが”これ”は違う。そう気づきながら相手の言葉を取り合わないで壁に追い込んでいく。

「こういうのってさ、丸々見たまんま真似るわけじゃねーのよ。
 色々予測してさ、それが的中して上手く行くのがたのしーわけ♪
 ……つかすっげ。並の奴ならヤリマンになるぐれーのぶち込んだのにマジ正気じゃん♪」

 まだ抗って来る。だが流石に効いてないわけではなく、
 抵抗していても衣服を引き裂くのに抵抗できていない。
 まろび出る布地に圧し潰された膨らみの痕跡。

 それを見据えてほくそ笑み。

「は? 俺に命令したからだけで充分じゃね? つか人に物頼む態度じゃなかっただろ♪
 てーわけでー、罰ゲームの公開レイプけってーい……♪

 薬だろうが、魔術だろうが、テメエの頭パーになるまで犯すから覚悟しとけよテメー」

 悪いのは己の反感を買ったこと。ただそれだけだと。
 耳元で押し殺した悪意を囁きながら布越しに乳首をひねり上げ、
 長衣の下のパンツを強引に引き下ろしながら壁に抑えつけ、
 己もズボンを手早く脱いで、反り返った逸物を掘り出す。
 太さは並。だが長さが異様で、その先端は既に先走りを伴いながらエグいぐらいに広がっている。
 並の形状とはおよそかけ離れた異形。
 それを下腹部に押し当てながら、別の小瓶を取り出して、ふたを外すと、
 あろうことかそれを貴女の淫裂に押し込む。

 それも媚薬。それも原液。それを指で押し込みながら粘膜摂取を強要し、
 溢れるそれを陰核にこびりつかせて指で扱き立て。

 足で抵抗しようと、金的を狙おうと、ニヤニヤ笑いながらいなして。
 相当に、気分次第で犯し慣れていることが伺えて。

ゼオン > 【部屋移動します】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からゼオンさんが去りました。
ニュア > 色々と───心底有り得ない。
もうマジ有り得ないし有り得たくもないしサイアク過ぎる。

娘がこう後述する──…夜の行方は、木箱の上で悠々寝そべるマジカワにゃんこちゃんの瞳の中にのみ映り…。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からニュアさんが去りました。