2024/04/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエイリさんが現れました。
■エイリ > 女は酒を飲むために様々な店を利用するが、お高く気取った店はあまり得意ではなかった。
酒の質に多大な期待をしなければ、ふらりと入れる貧民地区の酒場のほうが賑わいがあっていい。
女独りで安酒場に来れば面倒な客に絡まれることもしばしばだが、気に入った相手ならば応じればよし、そうでなければ追い払えるくらいの自衛手段は十分過ぎるほど持ち合わせている。
今夜も安酒場の席に付くなり寄ってきた、貧相な駆け出し冒険者といった風体の男2人組を、適当にあしらって追い返したところだった。
「ダメよお、ボウヤたち。
そんな動体視力で冒険なんか出かけたら、ゴブリンのへっぴり腰の矢だって避けられないわよ?」
弾いたコインの表裏を当てる、というあまりにも単純な勝負に惨敗した青年を、からからと愉しそうに笑って追い払う。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にラギさんが現れました。
■ラギ > 「よーし、いつもんとこで一杯くらい飲んでくか~」
依頼の帰り。
今日の案件は難易度の割に実入りが良く、重装の少年は上機嫌だった。
貧民地区の酒場ならいくつか知っている。
酒を飲んではいけない年齢だが、いわゆる”付き合い”でたくさん訪れているので今更躊躇いはない。
相当な質の悪い酒でもない限り、質の悪い酔い方なんてしないと自負している。
酒場の扉を開けば、なんだかしょぼくれた表情の男2人組が目に留まるが、
「どうせスッたんだろな」と興味なさげに見送り、ひとまずカウンターへ向かっていくが……
【貴女に気付く:1 気付かない:2】 [1d2→2=2]
■ラギ > 少年は気付かず真っ直ぐにカウンター席へ向かっていくと
「発泡酒よろしくなー。」と店主に上機嫌な声で注文する。
当たり前のように「成人してるっての」と宣うが、恐らく初見じゃないのか店主もスルー。
■エイリ > 女性に声をかけて情けなくフラれた男たちに立つ瀬はなく、それがある種の実力勝負であれば笑いものになる他ない。
2人組はそそくさとカウンターから離れ、まさに酒場へ入ってきた客とすれ違いで店を後にしていった。
賑やかな酒場は人の出入りも多く、「まぁ出ていくよわね」以上の感想を抱くことは特にない。
それにしても入れ替わりに入ってきた客は随分と小柄だ。
お行儀のよい酒場ではないので追い払われることはないだろうが、注文を聞いてもらえるかは店主の機嫌次第だろう。
そしてどうやら、機嫌はあまりよくないらしい。
「まーすたぁ! 注文ぐらい聞いてあげたらァ~?」
カウンターまでは少々離れているのでよく通る鈴のような声を張り上げ、そっぽ向いてる店主に話しかける。
さて聞いてくれるだろうか。
■ラギ > 堂々と腰掛け、当たり前のように注文を飛ばしたというのに、
店主のとった対応はスルー。
これには少年もご機嫌ムードに曇りがかっており、おーい と
聞こえる距離から催促する。
すると、己の背後からよく通る女性の声が。
やや態度の大きい少年のみならず、貴女の一押しも加わったとなれば流石の店主も対応を変えるのだろうか?
【頑なに応じない:1 渋々と注文を受ける:2~4 嘘のようにてきぱきと応対する:5~6】 [1d6→3=3]
■ラギ > 少年の声には無視を貫いていたが、貴女の一声によってようやく己に視線が向く。
はぁ とため息をつきながら、カウンターであるボトルに向かって歩みを進める店主の後ろ姿を見れば、
「未成年のガキなんて大勢来るくせによー」とぼやく。
その後、くるりと椅子ごと回転して店主に呼び掛けてくれた貴女へ振り向けば
「ねーさん、ありがとな!!酒飲めないとこだった」
兜をとり、にぃ と歯を見せてはにかむ上機嫌な少年の姿が。
前髪より上部の汗ばんだ髪は兜にぺたんと潰されており、装備は最低限の洗浄をしただけで仕事帰りだと分かるだろう。
「ねーさん、マスターと仲いいの?」
■エイリ > さすがに客から声をかけられて無視するわけにはいかないのか、店主は渋々ながら応じてくれたようだ。
虫の居所でも悪かったのだろう。
人助けをした後は気分がいい、などとジョッキを傾けていたところ、店主に無視されていた小柄な少年が近づいてくる。
邪気の感じられない相手をハナから追い払うほど、人の悪い性格はしていないのだった。
「せっかく店に来ても注文を聞いてもらえないんじゃ、骨折り損だもんねぇ。
……え? 仲いいかって?」
身支度をしてから訪れるような店でもない。
むしろ血の臭いをプンプンさせながら来る者が珍しくない店だ。
少年の格好は気に留めなかったが、問われたこれまた無邪気な質問には、指先を顎に当てて悩む仕草。
「ン――……鼾の大きさを知ってる仲、って感じかな」
無論、口からでまかせであるが、わざとらしく色っぽいしなを作って。
■ラギ > 過去にも酒を注文するまでに手間取った事はあるが、無視までされる事はなかった。
面倒な客でもいたのか、面倒臭い取り締まりでも受けてたのか。
不機嫌になる要素はいくらでも思い浮かぶが、払うものは払うのだからサービスを受ける権利はある。
ともかく、貴女のおかげで少年は無事に酒をあおって帰られそうだ。
「そーそー、なんのための酒場だって感じだし。オレ、ちゃんと大人なのにな」
顔立ちは明らかに未成年。種族によっては成人していてもおかしくないが、彼はれっきとした人間。
店主は彼の素性を知ったうえであの対応だ。良くない行為をしてる後ろめたさがあるのだろうか?
ともあれ、酒さえ飲めればそれでいい。
店主への口利きが効果てきめんだった貴女へ、気軽に問うてみれば返ってきた答えは予想の斜め上。
「イビキ~?あー、めっちゃグースカうるさそうだもんなオッサン!はははははっ……」
最初は、膝を掌でばんばんひっぱたいて貴女の問答に大ウケしていたようだが、不意にその笑みは消え失せ、
「……マジ???」
小声で零す。貴女の言葉を真に受けて、きょとんとした顔でじーっと貴女を見つめる。
野暮ったいローブ姿にしか見えないので、貴女が恐ろしく扇情的な姿をしてるとは気付く由もなく。
■エイリ > 「マジだと思う? 違うと思う?
妾が実はマスターに惚れてて、根も葉もない噂を流して既成事実を作ろうとしてるってこともありえるわね」
うまく引っかかってくれたのをいいことに、女はさらに調子に乗って言葉を続けた。
……のだが、言い終わった直後に小さく欠伸が出てしまい、せっかく漂わせていた色気も台無しに。
「――ゴメンね、キミ。
今夜は遅くまで飲めそうと思って来たんだけど、お酒が回りすぎて眠くなってきちゃったみたい。
愉しかったから、また会えた時はじっくり飲みましょ」
少年にはローブに見えているだろう懐から、銀貨を何枚か摘んでテーブルに置く。
自分が飲んだぶんと、それから彼がもう数杯は飲める程度の額だ。
冒険お疲れさま、と少年の肩を撫でてから、店を後にして。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエイリさんが去りました。
■ラギ > 「え……ええぇ……?いや、んな事聞かれたって……」
愕然とした表情のまま、ぽかーんと貴女を見つめているしか出来なかったが、
続けて紡ぎ出されるのは己を弄ぶような艶めいた思わせぶりな言葉の連続。
確かに店主は若い女にもウケがいいかもしれないけどさ……と、店主よりも
人生経験はまだ浅い少年は目をぱちくりさせて頭の中で想像を巡らせるのが精一杯。
「ん、あぁ。うん、帰り道気を付けてな……。
眠くなったなら、夜道とか後ろ気を付けねーとあぶな……」
続けようとした矢先だった。
貴女が懐から取り出した銀貨に目を遣ると、「へ!?」と驚愕。
そのまま労いの言葉と共に己の肩を撫でられれば、呼び止めようとするも既に後の祭り。
「…………あのねーさん、親切だったけどよくわかんなかったなー……」
貴女には終始翻弄されたままの少年が、戻ってきた店主に発泡酒を差し出されれば、
やっと来たか とはしゃぎだす。
そして、不意に店を後にしてもう居なくなった貴女が通った入口を振り返り……
【さっきの女の人と寝たのか聞いてみた:1 また会いたいなと名残惜しそうに飲んだ:2】 [1d2→1=1]
■ラギ > ……バシャッ!!!!
「うわっぷ!!?」
機嫌の悪い店主に、余計な冗談は言うべきではなかった。
酒が飲めると思った矢先、顔面に酒をぶちまけられてしまった。
……あの人と店主の関係性は果たして??
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からラギさんが去りました。