2024/04/02 のログ
■バティスタ > 大凡の者は施しを受けに行っているのか、あまり住人の姿は見られない。
病に臥せっている者でもいれば、"奇跡"を降ろして見せて信心を迫ったりできるのだけど。
そんなことを考えて歩いていたが──。
「…はぁ」
「くっさい。来るたびに思うけどよくこんなところで生きていけるわね…殆ど家畜じゃない」
辺りに誰もいない、故に溢れる本音。
嫋やかな微笑みを崩さなかった少女の姿は既にそこにはない。
「それでも次々に住みに来る連中がいるんだから凄いものね。
平民の区画にも住めないなんて、むしろどう生きればそうなるのやら」
どーせ罠に嵌められたり、ギャンブルで身を落としたりしたのだろう、なんて。
「…ま、そんな救いようがないのでも救ってあげるんだけどー♪」
臭いのはいただけないけど、と悪態をつくのは忘れない。
そんな、自称聖女の本性の貌を見た者は騎士修道会の関係者数人に限られる。
それほどに面の皮が厚く、数十年の間それを崩すことはしてこなかったのだ。
■バティスタ >
施しに現れない者は、大体は怪我人か、病床に伏せる者か、変わり者か。
巡り合わせれば良い信徒を迎える機会になるものだが。
生憎、本日はそういった者はいないようで。
「ま、散歩だと思えばいっか。さて、戻りましょう───」
ふぁ、と小さな欠伸を噛み殺し、踵を返す…。
ゆったりとして足取りで施しの行われている広場へと。
戻る頃には再び、偽りの聖女の仮面をしっかりと被り直して。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からバティスタさんが去りました。