2024/03/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にハクさんが現れました。
ハク > 「よーいしょ、っとぉ!」

平民地区の大広場で行われている春の妖精祭。
数多の屋台が連なっているエリアで発生したスリの犯人は、娼館出資の健全なアクセサリー店の品にまで手を出してしまい……
それを見咎められたが為に路地へ路地へと逃げ出していった。
ただまぁ、路地へ……貧民地区へと向かう道はむしろ貧民地区の娼館街で働く者にとっては慣れた道。
ハクも店番を娼婦仲間に任せ、内気功により大人化して犯人を追いかけた。

貧弱で体力もない、代わりに魔力だけは配るほどある普段の子供姿とは違い、
淫魔力も混ぜて改良したこの大人姿は見た目以上に力もあれば体力や瞬発力もある。
その代わりにほぼ全ての魔術が使用できなくなる欠点があるものの、
町中での捕物であれば十分に肉体性能を発揮して犯人を追い詰めていった。

飯店裏のゴミ箱をひっくり返し、廃墟じみた建物からふらりと出てきた人間を囮のように転がし。
必死に逃げる犯人に対して壁を蹴りながら走って障害物を避け、転がされた人間を無事に捕まえ座らせながらも距離を離すことなく。
――代わりと言っては何だが、子供サイズの娼婦向けシェンヤンドレスは乳房の先端だけを隠す布をはためかせ、
体が育ったコトでスカート丈も股下1cm程度であるため布が翻り割れ目も晒し。
尻を覆う布も足りず、追跡に興奮して尾が立ってしまえば桃色のアナルを隠す事もできずに通行人に見せつける事になったことだろう。

しかしながら貧民地区の狭い裏路地でようやくスリの犯人に食らいつけば、背中から蹴り飛ばして床に転がし。
呻く犯人の背中を強く踏みながら、大人姿でも唯一使える魔蔵の魔術で空間庫から趣味の拘束宝珠を取り出して犯人の頭に押し当てる。
すると、宝珠から出てきたボールギャグが口を塞ぎつつ、両手両足をえびぞりのように固定させて駿河問いのように縛り上げた。

「ふーぅ、まったく……盗みは許さないでござるよ」

ふんす、と犯人を拘束できたことで満足げにしてひとまず周囲を見回す。
人は近くに居らず、また衛兵詰所もそう近くはない。
しかたない、犯人をひとまず詰所につれていくかと、両手両足を縛った部位をひょいと掴んで歩き始めるのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセドリックさんが現れました。
セドリック > 人間の世界では商人としての皮を被って生きているが、時折魔族の国の仕事を熟すこともある。
そんな中であまり人様にお見せできないような契約書やら、書面を受け取るのには仄暗い世界はちょうどよかった。
鴉に化けた魔物が国境をまたいでそういったモノを運び込むのだが、今日は定刻を過ぎてもやってくる気配がない。
今週は無しかと思いながら廃墟から出てきたところで、路地裏から走ってくる男に緩慢に振り返る。
避けたり反応することは容易いが、わざわざボロ布を被っているのだから力なき貧民のフリと転がされていく。
その時に彼女に受け止められて座らされると、俊敏な動きで駆け抜けていく艶姿を見送りながらも悪いことを企んで彼女の後を、素人くさい足取りで走って追いかけていった。

「はぁ……追いつけ、ましたよ」

丁度彼女が犯人を取り押さえ、肩に担いだところでその背中に声を掛ける。
両手を膝の上に乗せてうなだれる様にしながら肩で息をするが、実際は全く疲れていない。
それでも、疑って見なければわからないように呼吸を早めて酸素を吸い込むと、額に浮かばせた偽物の汗を手の甲で拭いながら顔を上げていく。

「すみませんね……その人に私も盗まれたみたいでして、宝石をもっていませんでしたか?」

困り顔のままフードを取ると、柔らかな微笑みを浮かべつつ彼女の方へと歩み寄っていく。
勿論盗まれたということ自体嘘なのだが、まずはそれらしいきっかけ。
しかし、知らぬ罪を余計に掛けられた犯人の心境は如何に?
言わずもがな無実を訴えるだろうが、彼にその行動を取らせること自体に意味がある。
この国では珍しくもないであろう会話から始める、悪い罠の始まり。

ハク > 「まったく、それがしも妖精祭を楽しむ心づもりだったでござるのに」

ぷんすか、と不機嫌そうな気配を出して尾を揺らしながら、モゴモゴと呻く犯人を俵担ぎし。
名残惜しそうに平民地区の大広場の方を向いて愚痴るように吐き捨てる。
とはいえ、盗人を放置して祭りに戻るわけにもいかず、犯人を衛兵に預けにいくのが最適だと正論をつぶやいて未練を断ち切ろうとした所で――

「む?」

後ろの方に気配を感じ、振り返ればそこにはボロ布をまとった男性が1人。
よほど急いできたのだろうか、疲労をにじませ額に汗を浮かべているのを見ればそちらに体を向けた。
そして話を聞けば、何やらこの男もスリに盗みを働かれたらしい。
道中急いでいたので一度抱きとめた男性とは気づかず、ふむ、と頷いて俵担ぎしていた盗人を一度地面に置いた。

「宝石でござるか?んー。ちょっと待つでござるよ」

何も知らない!とでもいうかのようにボールギャグごしにモゴモゴと呻く盗人の頭を一度こつんと叩いて、男から目を離して盗人の体をあさり始める。
服の中に手を差し込み、ポケットなどを探し……
出てきたのはしかし、財布3個といくつかの小物。他にないか?と盗人の体のあちこちを触り始め。