2024/03/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にオウルさんが現れました。
■オウル > ――貧民地区
今夜も『ギルド』の仕事ではなく冒険者ギルドの仕事中。
仕事の内容は『貧民地区の見回り』、平民地区や富裕地区の人間が貧民地区に入り込まないように、時に注意して時に追い払い、最後の手段として暴力ですべて解決する。
冒険者の練度と呼ぶべきか、冒険者ギルドで把握している個人の戦力により危険な区域とそうでない区域に配属が決まるのだが、少年は後衛やサポーターとして認知されているので、こうして比較的安全な場所が『見回り』の区域と指示されていた。
元は貧民地区の住人であることも含めての冒険者ギルドは把握しているので、いざとなったら素早く撤退できることを考えて、だと思うのだが――…ここは他と比べて『比較的』安全なだけで、十分危険だと思うのは心の奥底にしまっておく。
野良犬の声、喧嘩する酔っ払い、娼婦の客引きの声。
通りに面している路地というよりは、平民地区から貧民地区に繋がる路地のひとつ、そこの壁によりかかり、いつものように棒付きの飴を咥えた真面目とは言えない態度で、交代要員の冒険者が来るのを待っている。
あと数時間、仕事は始まったばかり、何事もなく終わりますように……。
■オウル > 何事もなく終わりそうである。
誰も来ないし、誰も通りかからない、平和、平和。
人通りもなく、猫の子1匹も通らない、――それもそう、頬にポツンと冷たいものが当たるから。
夜空を見上げ、星空……は、ない。
月明りすら包む曇天を見上げて、鼻をひくと動かして、空気の匂いをかぎ取ると、ああ、これはもう暫くすると大雨になる予感がして、ため息を大げさなほど大きくはーっと吐き出してから、どうしたものか、と短くも青い髪をがしがしと掻く。
雨具は持ってきていない、近くに雨宿りできる場所は……と辺りに異形と人の両方の眼をぐるりと向けて、できそうな場所を探すのだが――…路地にあるはずもない、人が一人入れそうな木箱は落ちているが……。
ダメに決まってる。
ぬれねずみになる前に帰宅すべきだと判断すると、一度冒険者ギルドに立ち寄り報告すべく踵を返して走り出す。
幸い冒険者ギルドにつくまでは雨に濡れることはなかったが……。
冒険者ギルドより帰る際にはたっぷりと雨に濡れてしまって。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からオウルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にベルナデッタさんが現れました。
■ベルナデッタ > 王都の貧民地区は、悪徳の巣窟である。
身分も定かならぬ、その日暮らしの浮浪者やミレー族が多く住むここは、
悪しき者達が隠れ住むのにも最適な場所だ。
そんな場所を小綺麗な聖職者が歩くのは、場違いであろうし、危険だろう。
だが、彼女の修道服に刺繍してある、泣く子も黙る異端審問官の紋章は、
こんな場所でも権威を発揮しているようであった。
「流石に目立つでしょうか…いえ、今更ですね。」
彼女、異端審問官ベルナデッタが目指すのは、
調査により浮かび上がった、魔族の隠れ家と思わしき館。
王国に潜む魔族達は、様々な場所に隠れ住んでいる。
堂々と富裕地区に館を構えるようなものもいれば、
このような場所にこそこそと隠れ住む者もいる。
そしてどちらかと言うと後者の方が、遠慮なく悪事を働く危険な存在だ。
「ここですね…」
ベルナデッタは、目的の館の前で立ち止まる。
貧民地区にしては小綺麗で清潔な見た目だが、魔の気配を微かに感じる。
彼女は腰に下げた愛用の剣を抜くと、一気に扉を開いた。
はたして、何が待ち受けているだろうか。