2024/02/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──ある日の夜。
男は人気の少ない夜道を、傍らにいる女性に肩を貸しながらえっちらおっちらと歩いていた。
傍らの女性はだいぶ酒に酔っているようで、殆ど男にぶら下がるようにしながら千鳥足でなんとか歩を進めている。
「……こう激しく酔っ払ってしまってはもつわけもない。とりあえずここに入って休もうず」
ちらりと女性を横目に見遣り、その酔い具合を見て苦笑を漏らす男。
度を越して飲みまくったのか、あるいは極端にアルコールに弱かったのか、それとも何か他の要因か──それはまあさておき。
男は安宿の前で一度足を止めると女性にそう提案し、返事を待たずにその中へと入り込んでいって。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にオウルさんが現れました。
■オウル > ――小雨が止み、今宵の空気は一段と冷え、吐く息も白い。
こんな時にこんな場所で自分は何をしているんだと問う。
遠方での仕事を終え、『ギルド』に仕事の報告を終え、その帰り道の事である。
「さ、寒い、寒すぎない、寒すぎる、寒すぎた。」
両手をこすり合わせながら、擦り合わせている小さな両手にハーっと白い息を吐き掛け、オマケのついでに愚痴を零す。
ギルドからギルドマスターから直々の仕事だという事で、張り切ってテキパキと終わらせて、戻ってきたらこのザマである。
寒い、とても、寒い、寒い。
それも雨上がりのようで空気はしっとりとして寒い。
無風であれば、微風であれば、と思うほどに強く吹く風で寒い、もう頭の中も吐き出す言葉も寒い以外の出てこない。
それで、仕事の方は九頭龍山脈にあるとある温泉宿に(ギルドの経費で)逗留し、試作の『飴玉』を配布して、宣伝をするという仕事だったので、食べ放題飲み放題風呂に入り放題、という仕事だったのに、気合を入れて仕事を早急に終わらせて――…現在に至るわけだが。
どうしようか、帰るとか帰らないとか、安宿に戻るとか戻らない以前にちょっと寒くて、歩く速度も鈍くなり、ひとまず何処かに避難……なんて思うのだけど、貧民地区にそんな都合のいい場所もなく、というところ。
表情は曇るとか、自嘲気味に笑うとかできず。
真顔になってしまうし、時折歯の根も合わずカチカチと歯を鳴らしてしまうような状態であった。
■オウル > 凍死、なんて不吉な言葉が頭に過ると、青髪を揺らしながら不吉な言葉を振り払うように首を左右に振り、一度大きく冷たい空気を肺いっぱいに吸い込んでから静かに吐き出した。
「走れば多少はマシになるだろ……なるよな?」
寒さから逃れる為に少年は走りだす。
途中なんどかこけそうになったが、たぶん無事に安宿にたどり着けただろう。
その後はもうストーブにがんがん薪をいれ、室内を温めて寝眠りにつくのだ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からオウルさんが去りました。