2024/01/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にサウロさんが現れました。
サウロ > (は、と吐く息は白く、風に流れて薄く消える。
 複雑な貧民地区の路地は入り組んで目的地を見失いやすい。
 金の髪を束ねながらも垂れる横髪が広がるのは、周囲を見渡し、前後左右に視線を彷徨わせているからで。
 白い頬が上気して薔薇色に色づき、珠の汗が伝い落ちる。
 ぐっと袖で汗を拭い、冷たい風を浴びながら、路地の隙間でまた一つ息を吐く。
 年端もいかない15歳ほどの華奢な少女が、大きなジャケットに身を包んで周囲を警戒している、と。
 今のサウロはそんな風に見えるかもしれない。)

「────暗くなる前に出ないと」

(昼間といえる時間、明るく人通りがあろうと、貧民地区は事件が絶えない場所だ。
 今しがたも、サウロは見るからに無法者な男たちから、からがら逃げてきたばかり。
 非力な少女の姿、戦う術を持たない呪い持ち。
 そんな状態で護衛もつけずに貧民地区に入ることこそ間違いなのだが、やむを得ない事情があったので仕方がない。

 ふう、ふう、と少し走るだけで上がる息、男の時よりずっと落ちる体力を歯がゆく思う。
 呼吸を整えたら、立ち上がってまた辺りを見渡し、地面を蹴って足早に平民地区へ続く通りを進んでいく。)

サウロ > (──そのまま誰に絡まれることはなく、そのまま貧民地区から抜けて宿へと戻っていった。)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──ある日の夜。
男は人気の少ない夜道を、傍らにいる女性に肩を貸しながらえっちらおっちらと歩いていた。
傍らの女性はだいぶ酒に酔っているようで、殆ど男にぶら下がるようにしながら千鳥足でなんとか歩を進めている。

「……こう激しく酔っ払ってしまってはもつわけもない。とりあえずここに入って休もうず」

ちらりと女性を横目に見遣り、その酔い具合を見て苦笑を漏らす男。
度を越して飲みまくったのか、あるいは極端にアルコールに弱かったのか、それとも何か他の要因か──それはまあさておき。
男は安宿の前で一度足を止めると女性にそう提案し、返事を待たずにその中へと入り込んでいって。