2024/01/04 のログ
■キール > 貧民地区をぶらぶらと歩く男。
夜風に吹かれればハタハタとたなびくコートの裾。
用心棒の仕事を終えて退屈なひと時。
男が犯しても潰れなそうな丈夫な女か、食指の動くような女でもいないかと、ぶらぶら歩いてみたがめぼしい女と出会えず気づけば貧民地区に足を踏み入れていた。
このあたりの闇に潜み獲物を待ち受けるような輩の間ではすでに目立ちすぎている男は知れ渡っており、男が通りに足を踏み入れた瞬間に剣呑な気配はすぐさま闇の深くに消えていく。
「ちっ。 つまらんな、薬でイカれた奴ぐらいしか突っかかってこなくなったな。」
気配が無くなったことを感じればため息交じりにゆるく首を振り、3m程の幅の路地をゆったりと進み貧民地区深くへと足を踏み入れていく。
願わくばトラブルに巻き込まれたら退屈も紛れるだろうと。
誘拐された女がいれば救ってみるのも、はたまた横からかっさらうのも楽しいだろう。
はたまた、喧嘩に巻き込まれれば横から突っ込んで双方をぶちのめしてみるのもまたヨシ。
抗争の間に入っていくのも取引現場にかちあえばくちばしを突っ込んで、総取りにするというのもわくわくする。
そんな期待に分厚い胸を膨らませ、鋭い視線で刺し込む月の光が作る闇に目を向ける。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からキールさんが去りました。