2023/11/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にサテラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイェフィムさんが現れました。
サテラ >  
 貧民街の片隅、特に珍しくもない、シンプルで簡素な屋台。
 比較的安全と紹介された屋台で、自前で持ってきた果実酒を好き放題煽っている女がいる。

「はぁ~……ねえなんか、オツマミないのー?」

 大量の酒樽を格安で譲られた店主は、面倒なのに絡まれた、と思いつつ、呆れた様子で安い塩漬け肉を準備する。
 時折、酔った女をいいようにしようと男が寄ってくれば、店主がやめておけ、と追い払う。
 店主にとっては不憫な事に、美味い酒を安く仕入れられるという大きな利益に釣られたのが運の尽きだった。

「んぐ、――ぷはぁっ!」

 屋台で一番デカいジョッキになみなみと注がれた果実酒を一息で飲み干す。
 女の顔はすでに耳まで真っ赤になっているが、まだまだジョッキを手放すつもりは無いようで。
 ぐったりと屋台のカウンターにつっぷしながらも、ジョッキを持ち上げて、店主におかわりを注ぐように要求していた。
 

イェフィム > ザクザクと貧民地区を歩き、酒の匂いにつられてやってきた。
ここの所淫欲に浸っていたこともあり、久しぶりに普通に酒を飲みたいと思っていた。

「よ、大将、開いてる?」

暖簾を潜り中を覗き込むと、見知った顔を見つけて目を丸くする。
その少女が酒浸りになる印象が無かったこともあり、
おいおい、とそちらに近づいていく。

「サテラ、どうした、何か随分酔ってるみたいじゃねぇか。」

「隣いいか?」と、デカいジョッキの中身を飲み干す少女の隣を指さしつつ小首をかしげる。
既に耳まで真っ赤に染まっている様子を見れば止めた方がいいんじゃないかとも思ったが、
酔いたい気分なんだろうとそこはあえて何も言わずに。

サテラ >  
 やってきた娘に店主は肩を竦めて『貸し切りだよ』と言うが、困った客の知り合いだとわかれば、救いの神来たりとばかりに、にこやかに席を奨めた。

「あぁ~、いふしゃんらぁ~」

 すでに相当な量を呑んでいるのか、若干呂律が怪しいが、『おいれおいれ~』と、隣の席に誘い。

「んふふ~なんとぉ、ここのおさけ、全部わたしのなの~!
 おじちゃん、いふちゃんはぁ特別だからー、一番いいの出してあげてー」

 そして勢いよく、わたしはおかわり!と、ジョッキを掲げて、店主が呆れる。
 娘の方には『ピーチとアップルとワインの赤白、あとは梅だったか?好きなの呑みな』と、普段よりも愛想も機嫌もよく対応するだろう。
 

イェフィム > 店主の様子に「のようだな。」と困ったように眉尻を下げたが、
席を進められれば少女の隣に腰を下ろす。
上玉二人、当然男たちの視線は二人に集まってくるが…。
店主の眼光にすごすごと離れていく。

「大丈夫か…。」

いや、大丈夫じゃねぇなとばかりに首を振りつつ、腰を下ろした。

「そ、そうか…。
 随分景気がいいことだな…、おう、大将、そういうことなら遠慮なく貰うよ。」

ジョッキを掲げて店主が呆れるのを見つつ、
「じゃあ梅。」とこちらも遠慮せずに注文を。
そして差し出された酒のグラスをもって乾杯。

「それにしても随分飲んでるな。
 何かいいことでも…あったのか?」

はたまたその逆か、と小首をかしげた。

サテラ >  
「らいじょぶだいじょぶ~!
 まだちょっとしか呑んでないもん~。
 ねえー?」

 そう振られた店主は、首を振って、屋台の後ろで空になった酒樽が積まれているのを指さした。
 呆れながらも、たっぷりと林檎酒を注いで、塩漬け肉を出してやると、サテラは無邪気に喜びながら、突っ伏したまま肉を齧り始めた。

「かんぱーい!
 んえー、べつになにもないよぉ?
 ただー、お酒を飲んだらよく寝れるって聞いたからー、ねれるまでのんじゃおー!
 ってかんじかなぁ」

 にへへえ、と緩み切った真っ赤な顔で笑うが、目の下には色が変わり切らない濃いクマが出来ている。
 ここのところよく眠れていない証拠だろう。

 酒を口にすれば、富裕地区でもそこらでは飲めないような高級酒の風味を味わえるだろう。
 全部自分の酒、と言う言葉通り、全て持ち込みで呑んでいるのだった。
 

イェフィム > 「とてもそうは見えないんだが…。」

少女の言葉にたっぷり首を振る大将と、空になった酒樽を見てため息を一つ。
それでも魔族なら子供ってわけじゃないし、そういう気分になることもあるだろうと。
少女の隣に座って、こちらも酒のグラスに口をつけて。

「ん、美味いな…。
 あぁ?なんだ、眠ってないのか?
 それなら確かに酒か…色か、ってところだな。」

ッよくよく見たら真っ赤な色に染まった少女の顔に、それでも窺い知れるほどの濃いクマ。
眠れていないのならば自分でもそうするだろうと思った。

けれども、それにしても身体によくない飲み方だろうなとも思う。
富裕地区でもなかなかお目にかかれない高級酒。
もったいないとも思いつつ、じぃ、と少女を見つめて。

「……何があったよ、眠れないってだけじゃないだろ。」

サテラ >  
「らいじょうぶなのー!
 ――うわ、っとと」

 ガバっと起き上がったと思えば、よろめいて椅子から落ちそうになる始末。
 すでに立って歩けるかも怪しい酔いっぷりだ。

「んー、えっちは嫌いじゃないけど、あんまり興味ないし……お酒なら、うちにいくらでもあるしー。
 ――いふちゃんは、色のほう?
 男のヒトの匂いがするー」

 そんな事を言いながら、凭れるように抱き着いて、すんすんと鼻を鳴らす。
 その上、すいすりと、頭を甘えるように擦りつけだした。

「んー、んー……。
 ――はい、あーん」

 問いに明らかに表情が曇ったが、ごまかすように塩漬け肉を差し出した。
 

イェフィム > 「だっ…!?っちょ、危ない!!!」

がばっと起き上がるのを見れば、慌てて支えるように手を伸ばす。
こりゃ帰りに送っていくのは決定だなと思いつつ、
こくり、と酒のグラスを傾けて。

「そうか…確かにそれなら酒の方がメインになるか…。
 …っ、そ、こまでわかるのかよ…。
 いや、俺だっていつも色ってわけじゃねぇけど…。」

凭れ掛かるようにして鼻を鳴らす少女に、酔いとは別の意味で顔を赤らめる。
そのうえでマーキングのように頭を擦り付けられれば、くすぐったそうに小さく笑い。

「……聞かないほうがイイなら聞かねぇけど。
 はいはい、あーん。」

明らかに表情が曇ったのを見ればじ、と少しの間少女を見つめる。
が、言いたくないなら聞かないとばかりに、差し出された塩漬け肉を咥えてもぐもぐ。

サテラ >  
「んふふーわかっちゃうのですー。
 いふちゃんはえっちがすきなの?
 わたしはー、優しくしてくれるならすきー!」

 なんて堂々と大声で言うのだから、様子を見てた男共が聞き耳を立てるのも仕方ない。

「んー、んーんー。
 いふちゃんなら、いいけどお……」

 ぐずぐずと、渋ったりしているものの、やはり黙っているのも辛いのか。
 ずるずると凭れたままずり落ちて、お腹の辺りに抱き着くような恰好。
 甘えるようにお腹に顔を擦りつけ。

「……領民を、守れなかった。
 わたし、領主なのに、たくさん、しんじゃった」

 顔は見られない様に抱き着いているが、肩が小さく震えているのがすぐにわかるだろう。
 

イェフィム > 「すっ、好きとかそういうわけじゃなくて。
 でも溜まるもんは溜まるからっていうか…。
 そりゃ優しいならっ…って…や、やめろよ、声でかい!!!」

先ほどまで勝気そうな顔立ちをしていた自分が真っ赤になって口をすべらせたものだから、
聞き耳を立てていた男たちは「おお。」「マジか。」と、言葉を零していた。
聞かれた…、と恥ずかしそうに耳まで真っ赤になりながら、ごまかすように酒を煽り。

「ん?」

聞かないほうがイイなら聞かない。
そういった後ならば、きっと誰かには吐き出したかったのだろうなと思う。
すりすりとお腹に擦り付けられると、知らぬうちに下腹部がゾクンとなりそうになるが…。
今は真面目な話中、真面目に聞く体制になって。

「……そうか。
 でも、そう思ってくれてるお前だから、
 犠牲になった領民も、そうじゃない領民もついていくんだろうな。」

ぽん、ぽん、と、小さく震える肩を撫でる。
領主ともあれば背負う責任はまた違う。
そのうえで戦いは起こるし、死んでいく人もいるだろう。
自分の義両親がどうしようもない連中だからこそ、少女のような領主になら、と思う面々もいるのだろうと。

サテラ >  
「んんっ、わたし、そんな良い領主じゃないもん。
 いまだって、こうして、逃げてるもん……」

 ぎゅっと強く抱き着いて、もごもごと喋る。

「静かだと、助けてって声が聞こえるの。
 目を閉じたら、あのときの光景が見えるの。
 それで、つらくて、こわくて……」

 顔は見えないが、声音から、泣いているのは直ぐにわかってしまうだろう。
 友達に助けてもらってやっと眠れたくらいなのだ。
 普段は気丈にしているが、今は喪失と責任という重さに、潰れそうになっている小娘に過ぎなかった。

「……いふちゃんは、いなくなったり、しないよね」

 とても弱弱しい声で、恐る恐る尋ねる声。
 親しい相手を失うのには耐えられない、正直すぎる弱音が零れ落ちる。
 

イェフィム > 「良い領主じゃなきゃ、領民を駒のように使えるだろうな。
 だからきっと、今のお前みたく悩んだりしない。
 悩んだり、逃げたりしたくなるのは、お前が悪い奴じゃないってことだと思うぞ。」

ぽん、ぽん、と、何度も柔らかい手つきで肩を撫でる。

「助けてほしい気持ちもわかるし、
 助けたい気持ちもわかる気がする。
 だからこそ、忘れなくてもいい、怖くていい、つらくていい。」

少女の言葉に、ぽん、ぽん、と、また肩を撫でる。
自分にはわからない責任を背負う少女、自分にはその気持ちはわからないけど。

「…おう。俺がそう簡単にくたばる質だと思われたら困るね。」

少なくとも義両親がくたばるまでは居座ってやる。
そう言ってふふん、とどこか不敵に笑って見せた。

サテラ >  
「うぅ、いふちゃん……」

 優しくかけてくれる言葉に、ゆっくりと顔を上げる。
 涙でぐずぐずになっているが、弱音を受け止めてもらって少しは気持ちが楽になったのか。

「ひく、わたし、がんばる……。
 夢が、あるもん……みんな、わたしの夢に、ついてきてくれてるんだもん……」

 夢を見たものとして、夢を見せたものとして、逃げたままじゃいられない。
 とはいえ、すぐに乗り越えられるものでもなく、今は、一人でいると折れてしまいそうなほどに心細かったが。

「うん……いふちゃん、は、長生きしてね。
 おばあちゃんになっても、友達だからね……?」

 そう言いながら、身を預けるように正面から腕の中に滑り込んで、甘えるように身を寄せ。
 酒で赤らんで、涙で潤んだ顔でじっと見上げると。

「いふちゃん、すき……」

 甘く蕩けた声で呟く。
 

イェフィム > 「つらいかもしれないけど、できることなんて忘れないことくらいだ。
 俺だってたくさん人を殺す、今までも、これからも。
 その人間が誰かにとって大事な存在かもしれないのにな。」

涙でぐずぐずになった顔を見れば、ハンカチを取り出してそっとそれを拭っていく。
自分だって誰かにとっては憎い敵、そうなるのは生きていくうえで仕方のないことだと。

「……うん。夢があるならなおさらだ。
 どんな夢だろうと、その夢を信じてついてきてくれる奴らのためにも、足を止めたらだめだ。」

逃げるか挑むか、それを決めるのは目の前の少女。
一人で越えられる人なんてわずかなものだろう。

「ああ。わかったよ。
 ……友達か、ありがとうな。」

するりと腕の中に滑り込むのを止めもせず、
肩をたたいていた手を背中に移して、ぽんぽん、とまた撫でて。

「ありがとうな。」

蕩けた声で呟かれた言葉。
どういう意味でかは分からないけれど、
ありがとう、と、自分はそれ以上の言葉を返せず。

サテラ >  
「わたしも、おなじ。
 きっと生きるために、守るために沢山、殺しちゃう。
 ……でも、ちゃんと忘れないよ」

 そう言って涙を拭われれば、ふにゃりと笑った。

「えへへ……やっぱり、いふちゃんはとっても優しい子だった……」

 背中を撫でられて、嬉しそうにその胸元に頬を寄せて。
 甘えた声で、頼もしい友達に安心して身を任せ。

「んふふ、トモダチ以上の好きになっちゃったらどうしよう?」

 自分が惚れっぽいのはわかっているが、それでも、目の前の女の子は本当に素敵な子だと思えるから、心を預けてしまいたくなってしまう。

「ねえねえー、いふちゃんは女の子じゃだめー?」

 なんて、甘えながら冗談交じりに聞いてみながら。
 店主にまたお酒のおかわりを頼んだ。
 

イェフィム > 「うん、それが一番だと思う。
 守るためにも、生きるためにも、逃れられないからな。」

ハンカチを胸のポケットに仕舞うと、またぽんぽん、と頭を撫でてやる。

「……そんなふうに褒め続けるな。」

むう、と眉を寄せつつも、胸に頬を寄せられることはそのままに。
押しのけることもせず、払いのけることもしない。

「……やめとけ、俺みたいなやつだと苦労するぞ。」

尻軽と言ってしまえば聞こえが悪いが、
呪いのせいで誰彼構わず男を求めずにいられない身。
正直、男にも女にもおすすめはできなかった。

「…考えたこと無いっていうか、俺はノンケだからな。
 セックスまではできても恋愛対象には…多分ならない。」

冗談交じりの言葉には、うーん、と唸り。
そして自分なりに真面目に考えて、言葉を返す。
実際にセックスしたことはあるが…。
やはり性交の対象にはできても恋愛対象にはならないわけで。

サテラ >  
「んえー、そうかなあ?
 苦労しても、いふちゃんがいい、ってヒトきっといるよ。
 わたしも、雄だったらいふちゃんのこと、絶対捕まえちゃうもんっ」

 それだけ魅力的な女の子なのだと、また自信をもって言ってしまう。
 彼女がなにか負い目を感じているのはわかっても、それでも、と。

「んー……というか、セックスはできるんだ?
 じゃあ、わたしも抱いてくれるの?」

 素朴な疑問、といったふうだが、さらっととんでもない事を聞いて。
 どん、と少し強めにおかわりのジョッキが置かれると、『わーい』と声を上げて、喉を鳴らして半分ほどを一気に飲み。

「ぷはぁ~」

 とても幸せそうだ。
 

イェフィム > 「…はは、そんな奴がいたら、俺は正気かって思うだろうな。
 って、何気にシャレにならないことを言うなって。」

さすり、と下腹部をさすりながら呟くが、続く言葉は笑い事にならんと。

「…ん-、どうだろうな。
 俺、女に抱かれた、みたいな感じにはなったことあっても、抱いたことは無いっていうか…。」

またこいつは…、と、とんでもないことを聞いてくる少女に眉を寄せつつ答える。
なんというか、女性相手のセックスは大体自分が受け身になっていたし。
そのうえで精液を搾り取れなければ自分は満足できないわけで。

「……ま、とりあえず気分が上がったならよかった…。」

そこまで言って、ふとちらりと周囲を見る。
先ほどまでの真面目な話は聞かなかったようだが、
もしかしてこの二人の百合プレイが見れるのでは?と、
ほのかな期待をしている男たちがちらほらいて、あきれたようにため息を零す。

サテラ >  
「んえ、冗談じゃないんだけどなぁ」

 下腹部に触れる様子に不思議そうな顔をしつつ。

「ほえー、そうなんだ?
 わたしはー……んー、好きになったら、雄も雌も関係ないっていうか。
 男のヒトで気になるヒトもいるし、初恋も男のヒトだったけど、女の子との子供もいるし、最近はメイドさんも雇っちゃったし……」

 意外と、男女関係なく奔放だったりするのだ。
 あけすけな話に移ってしまったとはいえ、気分は明るくなったようで、楽しそうに。

「だからー、いふちゃんも守備範囲っ!
 むしろ好み~!
 いふちゃん、ちゅーしよー?」

 にへーっと笑いつつ、冗談の揶揄い混じり。
 元気になったらなったで、すっかりただの酔っぱらいだ。
 周囲の様子なんてまるで気づいていないのである。
 

イェフィム > 「……それなら余計にだ。」

ジワリ、と熱くなる下腹部。
これは少女を送った後に自分は精気補給だなと思って僅かに眉を顰め。

「……なんかすごいことをいろいろ言われてるな。
 いや、そこらへんは個人の自由だと思うから引きはしないけど。」

ある意味自分とは別の意味で奔放な少女に、小さく笑う。
まぁ、この街この国この世界、そういうこともあるだろうとなってしまうのが、
ある意味この世界の闇でもあると思うが…。

「わっ、こ、こらやめろ…んっ!!!」

冗談交じりの揶揄い交じり。
そんな少女の唇に自分のそれが重なる。
周りはそんな二人を見て股間にテントを張っているものもいて、
色々な意味で需要のある光景だったのだろう。

サテラ >  
「んー?」

 なにか不思議な気配を感じた物の、酔っ払っていてはなにかまではわからず。

「引かれたらショックで泣いちゃうかも。
 えーんえーん」

 下手っぴな泣きまねをして、けらけらと笑う。
 こうして、親身に相手をしてくれるだけでどれだけ嬉しく、幸せな事か。
 だから

「ん、ちゅ――えへへ、美味しいお酒のあじ」

 すんなり唇が触れ合ってしまったら、猶更、幸福感に満たされてしまう。
 ぼんやりと、蕩けた表情で、嬉しそうに言う。

「んふ――ほら、いふちゃん、あーん」

 つまみの肉の端を咥えて、じゃれつくようにその唇の前まで運んでいく。
 

イェフィム > 「酔っぱらいすぎだぞ……。」

少女の持つ魔族特有の気配にも反応しているのだろう。
ゾクゾクとした刺激に次第に身体が火照り始めている。

「わかってるって。泣くな。」

下手な泣きまねを見て肩をすくめる。
次第に疼き始めている身としては刺激が欲しいところだが…。
少女にあれこれ言った後では大分言いづらい。

「んっ……。く、この…、お前が持ってきた酒だろうに…。」

恥じらいから顔を赤らめ、唇を手で覆って、もごもごと呻く。
嬉しそうな少女の顔を見ればそれもそれで悪くは無いと思うが。

「っだ、から…そういうのは…ぁむっ…。」

イチャイチャとじゃれつく二人の姿を見て店主も少し苦い顔。
あんまり見ないでくれ…、と思いながらもぐもぐと肉をしゃぶる。

サテラ >  
「えっへっへー、わたしのお酒だから、どうやって楽しんでもいいのですー」

 顔を赤らめる様子も楽しそうに見つめて、嬉しそうに。

「んむ、あむ……んへへ、美味しいね」

 口移すように二人で肉を食べて、また幸せそうに笑う。
 ここまで来れば、性行為が嫌いでないというのが嘘ではないとわかるだろうが、それ以上に、こうした濃いスキンシップの方が好きなのだろうとも伝わるだろうか。

「はーあ、そっかぁ。
 わたしが男の子だったらいふちゃんと、もっといちゃいちゃできたのかぁ。
 ざんねんだなぁ……?」

 なんて、ジョッキに残った林檎酒を呷って、ふと彼女の顔が赤すぎるように思って、手を伸ばす。

「あれ、いふちゃん、もしかしてどこか体調わるい?
 熱とかある?」

 そう言いながら、額に触れようとする。
 

イェフィム > 「からかってるのかよ…。」

既に酒の味より恥じらいのほうが勝っているのだろう。
真っ赤になった顔でもじもじと身じろぐ。
熱い。
無意識のうちに胸もとのボタンをはずして風を送り始める。
そうすれば隣の少女には飾り気のない下着に包まれた小振りな乳房がチラチラと見えるだろうか。

「…んぐ、美味いけど…ッ!!!」

少女の距離の近さにたじたじになりつつも、
次第にふは、ふは、と自身の吐息が荒くなっていく。
此処は外、此処は外、そう思っているのに、自分の手が下肢に伸びそうになる。
今すぐ思い切り、厭らしい自分の身体を慰めたいと。

「んっ…そ、そうだな…。
 ぁっ…く、や、……ひゃぅっ…!!!」

少女の手が額に触れれば、ピクン、と大袈裟なほどに身体が震える。
下腹部を覆う手に力がこもり、明らかに欲情しだしていると周りに伝え始める。

周りの男たちはにやにやと、自分が目の前の少女と絡むか、
自分たちに助けを求めるかを選択するのを待っているのだろう。

サテラ >  
「あ、え、ええっ?」

 流石にその反応で、目の前の友人が普通じゃない事に気づく。
 もちろん、酔っているからという反応じゃなかったぞ、と。

「え、えっと、イフちゃん大丈夫?
 身体辛い!?」

 そう、酔いも吹き飛んだら立ち上がり、周囲の男をフシャ―!と威嚇して、その視線から隠すように体を抱く。

「どこか休める場所いこっか?
 それともえと……」

 ううん、と悩んでから小さく声をひそめて、耳元で。

「なにか事情があるの?」

 そっと、二人だけにしか聞こえないように。
 その下腹部を覆う手に、なにかがあるのに感づいて。
 

イェフィム > 「んっ……。」

ピクン、とまた小さく身体を震わせ、少女の腕に抱かれる。
周りの男たちは威嚇されても気圧されないのんきものだけが残り、
それ以外のまだまともな男たちは先にすたこらさっさである。

「……悪…ぃ。
 …大丈夫、また適当に男捕まえるから…。」

もぞもぞと身じろぎつつ、耳元で語りかけられればその刺激に甘く絶頂を迎えたようで、
ビクッ……ビクビクっ…、と小さく身体を痙攣させ…。

「……の、呪い…っぁ、淫魔の…。」

もじもじと身じろぎながら事情を、簡単にではあるが説明する。
魔力を感じ取ることができれば、下腹部に明らかに淫猥な魔力が詰まってきていることがわかるだろうか。

サテラ >  
「男って……」

 事情が一瞬掴めなかったが、囁きかけただけで震える身体に、色々とピースが繋がったような気がした。

「……そっか、それであんなふうに言ってたんだ」

 淫魔の呪いとくれば、どんなものかある程度想像は着く。
 それにこの様子からすれば、どれだけ根深く強力なのかもわかるといもの。

「ごめんね、わたしのせいで、辛くさせちゃったんだね……。
 わたしに出来る事、ある?
 休めるところ、運ぼうか?」

 気にかけていうものの、男じゃない自分になにが出来るだろうと、悔しくなってしまう。