2023/11/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイェフィムさんが現れました。
■イェフィム > コツコツコツ…。
路地裏を歩く不釣り合いな姿の騎士が一人。
「さぁて、此処なら邪魔は入らないだろ。―――来いよ。」
ニヤリと笑いながら後ろを振り向くと、物陰から無数の人影が現れる。
大方暗殺を依頼された暗殺者たちだろうと検討していると、
そのうちの一人が己に向かって飛び掛かってくる。
ここの所優しいだの言われることが多いが、だからと言っておとなしく殺されるほどお人よしではない。
シャンっ、と剣を抜くと襲い掛かってくる人影を一つずつ切り捨てていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にファルスィークさんが現れました。
■ファルスィーク > 天気が良いし久し振りに暇が出来たので出歩いてみるか――との理由で気ままに足を運んでいると、案の定、道に迷った。
貧民区に入ったのだと気付いたのは、区画整理もされている訳でもなく迷路のように入り組んでいる路地のせいもあり………。
とは言え、日の向きから方角は分かるし、いざとなれば帰る手段は如何とでもなるので焦る事も無い。
お気楽な思考のまま歩いていても、時折刺すような視線が向けられるのは得物との認識をされいるのだろう。
だが、特に警戒する素振りも無く愛蛙の歩調は乱れる事も無いまま――不意に耳に入る剣戟らしき金属音と僅かに風に混じった血の匂いに気付きはした。
こんな区域であるから日常茶飯事なのか、住民は気にした様子もないようだが――そちらにつられるように歩む先を変え―――さて、たどり着いた頃にはどのようになっているのか。
まだ立ち回りをしているのであれば、少女と思しき姿を確認し――それを襲っている怪しげな者が幾人もいるのであれば、怪しげ連中に対して徒手にて背後より無言で襲い掛かり、当身にて数人を気絶させていくか。
決着がついているのであれば、転がっている連中を眺めつつ、その腕前に拍手をしてみるが。
■イェフィム > せっかくの天気が良い日にこんなことしなくてもよかろうに…。
いや、そんな日にでもこんなことをしないと生きていけないと思っているから来たのだろうけれど。
激しく剣を交える音が大人しくなったとなれば、少なくとも戦いがひと段落着いたことを知らせる。
その矢先にパチパチパチ…と拍手が響けばゆらりとした足取りでその音の元に振り向いて。
「おやまぁ、つまらないもの見せちゃってすみませんね。
でもお兄さんもこんなところに来ちゃったら危ないんじゃない?
それとも道楽でこういうところに来ることが結構ある人?」
見た限り…この場所には不釣り合いと思わされそうな奇麗な身なりに思えた。
顔こそフードのせいで良く見えないが、衣服や装飾品がそう語っている気がした。
そういう少女自身もこんな場所には不釣り合いな身分ではあるが、
目の前の男性ほどじゃないだろうと緩く笑って見せた。
■ファルスィーク > 多少濃い血の匂いは慣れたものであるので、特に表情を変える事も無い。
多勢を相手に切り結んでの結果は、剣の腕は結構なものであるらしいとは理解できる。
それを成したのが年若い少女であるのならば、称賛は当然の事ではあるという理由から。
とはいえ、転がっている連中の身なりから、追剥等の類でないのは分かる。
追剥であれば命の方が惜しいので、手傷を負った時点で大人しく退く。
この連中には退けない理由があったのだろう――と一瞥。
「散歩をしていたら、いつの間にか迷い込んでしまったようでな。
まあ…滅多に来る場所でもないので、彷徨いつつ…そうこうしていると剣戟が聞こえて来たので立ち寄ってみた」
フード付きの黒いマントに身を包んでいるので、いかにも怪しげな風体には見えるだろう。
下手をしたら転がっている連中の仲間扱いで警戒された可能性もあるのだが、投げかけられた言葉からはその雰囲気や感情は無さげではある。
いや……若干は疑われているからこその探りの言葉だろうか。
どちらとも取れる様な内容には、それなりの場数があるようだとも読んだが、それが深読みかどうかまだ判断はつかない。
故に楽し気な口調で答えてみた。
「狙われる理由があり、それに対処する肝も座っているか…。
その上、容姿も良いともなれば、貴族連中の引く手は数多ありそうだ」
■イェフィム > 地面に広がる血だまりには目もくれず、シャンっ、と剣を振るって付着していた血を払う。
賞賛されるのは悪い気がするわけじゃないが、あまり進んで殺しをやる性分でもない身、
どうせ自分が見逃したところで依頼人から死に相応しい何かが与えられることは想像に難くない。
だからこそ、こちらも本気で、殺すつもりで反撃をしたわけで。
「迷った…ね、それでもそこまで堂々としてるってことはそっちも腕に自信があるんだろうな。
そういうことなら一応帰り道くらいなら案内してやれるけど、どうします?」
妖しげにこそ見えるが…、この貧民地区という場所で妖しいのは逆に身なりが良すぎる人間の方だろう。
だからこそ、相手の姿はあまり妖しくありませんと思ったのかもしれない。
楽し気な口調には、へらり、と緩い笑い声を返して。
「ま、いろいろあんのよ。
それに対してガキの頃からそういう目に遭ってたら慣れもするし。
……そういうそっちはお世辞を言うのが上手なようで。」
容姿について言われればジトリと先ほどより疑い深い様子で。
■ファルスィーク > 剣を抜く事に躊躇もなく斬り合いにも腰が引けてないのは実戦経験がある証拠とも言える。
となれば身なりに似合わず、それなりに過酷な環境であったのだろうか。
と、あれこれと推測に至るのは悪い癖ではあるのだが。
転がっている連中とて引かずに戦ったのは、倒された後、調べて身元が割れるようなものなど所持はしていないだろう。
そんな風に思ったので、遺体は放置したまま。
「己の身を守る程度の腕はあるつもりだ。
まあ、地の利を活かされたり、取り囲まれて一斉に襲われれば、難儀ではあるが。
ふむ……では、お言葉に甘えるとしよう」
少女の言葉遣いが悪いのか丁寧なのか、入り混じっていて微妙ではあるが、それも性格が表れているとも言えるのか。
このまま彷徨った所で、自力で抜け出せるは難しいと思え…で、あればと提案には乗りながら、フードを上げつつ軽く礼をするように頭を軽く下げるのは善意に対しての礼儀。
「成程……容姿の良さに苦労しているという事か。
確かに、何であれ身を守れぬでは、搾取されるだけだ。
何かしらの武器は持ち合わせる気概があり…か。
女にしておくのが惜しいと言葉も多々ありそうだ。
ちなみに世辞ではなく、本音を口にしただけなんだが。
―――名乗るのが遅れたな。私はファルスという」
向けられる疑う視線には肩を竦ませつつ笑い。
■イェフィム > ちゃき、と、澄んだ音をさせて腰に下げた鞘に剣を納める。
もとは貧民地区育ちの悪ガキが、今となっては暗殺者に狙われる身。
ここまでよくも出世したもんだ、と、皮肉交じりに笑みを浮かべ。
ぴちゃん、と血だまりの中を臆することなく進んでいき、
男性の横を通り過ぎるようにしてこっち、と道案内をしようと。
「自分の身守れても、結果として道に迷ってちゃどうしようもない気がするけど。
そんじゃ、俺も次の団体さんに襲われないうちに行きたいところだし。
一応困った人の助けをするのもこっちとしては務めの一つだから気にしなくていいよ。」
行きますか、と、言葉遣いが良いのか悪いのか微妙な…育ちゆえのしゃべり方で気にせずに話しかけると、
そういいながらザクザク、と地面を踏みしめて歩き出すことだろう。
「別にそういうわけじゃないって、
褒められることが無いからなんかくすぐったいんだよ…。
お兄さんだって…十二分にいい男だしさ。
そういう人に言われる機会が無いから余計にそう思うわ。
……それじゃ、一応ありがとうございます、と言っておくわ。
俺はイェフィム…、適当にイフとでも呼んでくれていいですんで。」
肩をすくめつつ笑う様子に、からかわれたと思ったのか、
少し恨めし気な色が混じる。
■ファルスィーク > 手に持つ剣もそれなりの代物であるらしく、少女に合わせたものであるらしいのは刀身からも窺えた。
己の探知に引っ掛かったので、何気に目を向けてみたのだが…面白い造りであると半ば感心しつつ鞘に納められるのを眺めていた。
己の横を通り過ぎていくのは、道案内をする為であるのは分かったが―――。
「…返す言葉が難しいな。
迷っても身が守れれば何とかなるのではないか。
とまあ、そんな風に多少楽しんではいたが、結局の所、出られなければ楽しんでもいられない。
ほう………良い指導を受けているようだ」
歩き始める少女の後について己も歩き出しはするのだが……。
「褒められたことがない……それほど素行が悪いようには見えないが―――。
ああ…言葉遣いや、礼儀作法など令嬢らしくあれ。との小言は言われていそうな雰囲気はあるか。
ふむ……ではイフと呼ばせてもらおう。
イフから見て私は良い男か…では、その礼に一つ助言をしておこう。
簡単に背を向けるべきではない。
いや、私を信用しているからなのだろうがな」
己の前を歩く少女に対して、警戒心があるのかないのか――故の老婆心ながらの忠告とも言える助言。
少女の行為は美徳の内ではあるが、故にそれを利用されないとも言えない。
先程の連中を使うような相手が居るのであれば、尚更であると。
「…いや、初見の相手に対して少々小言が過ぎるか。
どうにも危なっかしい部分が見えてしまい、少々立ち入り過ぎた」
呟いて己に対して微苦笑しつつ。
■イェフィム > 何かしらの魔力が込められたもの…、程度にはわかるだろう。
そんな剣を見る目に気付いているのかいないのか、己は我が物顔で路地裏を歩いていく。
「ま、そっちがそういうならそれ以上何も言わないよ。
そのうち探しに来る人がいるかもしれないし、
もしくは運良く出られる可能性ってのもあるわけだし、
今回のこれは俺のお節介ってことにしておいてもらえればいい。」
そう言って路地裏の細い小路に入り込んでは、ぐねぐねした道を歩き…を繰り返していく。
「最近やたら褒められることが多くなった気がしてね、
そんなんじゃないって言っても聞かない奴が多いんだよ。
令嬢らしくなんて言われても聞く耳持たねぇから諦められたのさ。
助言ね……それはありがたく受け止めておくよ、逃げ足には自信はあるほうだが。」
いざとなったら逃げる道を選ぶ、と、騎士として恥ずかしげもなく言ってのける。
普通の騎士ならば逃げる方を恥として命を散らす方を選びそうなものだが、
あいにくとそんな立派な騎士じゃないとばかりに肩をすくめて。
「いんにゃ、ありがたく受け止めておくよ。
実際に痛い目にも遭うことはあるし。
女ってだけで気に食わないって奴らも多いしね。」
そう言ってゆるゆると頭を振った。
そういいつつも、背中を向けたままだったが。
■ファルスィーク > 「探しに来る者は、まず居ないだろうな。
いや……1人2人、無茶を言って飛び出してきそうなのは居るが…流石にそれは、他に迷惑が掛かりかねない。
運よく出られるに越した事はないが、いざとなれば力か金銭にモノを言わせる…という手段も無くはない。
なので、イフのお節介には感謝している。
後でそれなりの礼はさせてもらうつもりだが何が良いだろうか」
特に躊躇いもなく進む少女の足取りは、余程方向感覚が良いのか、もしくは周辺の地理を把握しているのか。
裏路地の更に小道を進むともなれば、己には方向感覚も怪しく、今の段階で北はどちらかと聞かれても、明後日の方向を差しそうではある。
上流階級に籍があるだろうと思わせる身なりに反しての行動に、増々興味が湧いては来るのだが。
「それは、イフへの正当な評価ではないだろうか。
慣れていないのなら、居心地の悪さが先に立ってしまうからな。
……私の面倒臭い小言を聞く耳は持っているなら、令嬢らしくも出来ない訳ではなさそうだ。
――逃げ時を知っているのならば優秀だ。
それは、どんな時でも最大の武器になる」
最後の言葉の付近だけは、今までに無い真剣みが籠っていた。
少女の騎士という身分は知らないまでも、それでいいという肯定は深く。
名誉に価値を見出す人の価値観が生み出す物には関心は覚えはするが……。
「ふむ……柔軟性もある…か。
痛い目にもあってきた経験則から、見る目も養ってきたらしい。
………気に食わないという連中は所詮小物だな。
自らの器を露呈してしまっているが…そう言う連中程、面倒臭いのも事実…苦労が多そうだ。
―――どこかに所属をしているので無ければ、引き抜いてみたい気もするんだが」
帯剣をして一見して冒険者かとも考えはしたが、身なりが良い。
恐らくは上流階級か貴族であるのだろうと、令嬢という単語を出してみたが否定するような事も無い。
となれば、分かり易く騎士等組織に所属している可能性が高いわけだが……。
■イェフィム > 「はははっ、なら、もしかしたら俺は余計なことをしたかもしれないな。
此処の奴らからしてみればファルスさんみたいな人に恩を売れるかもしれないのに、
俺がその機会を奪ってしまったみたいなもんだし。
礼?うーん、そういわれると浮かばないもんだな。
大した事してないし、さっきも言った通り務めの一つでもあるから、気にしなくていいって。」
幼いころはここいら辺にいたということもあり、
そして今でも定期的に貧民地区を訪れているからというのもあり、
迷うことなくてくてくと歩いて出口へと向かっていく。
「そうかねぇ…。
ついでに言うとそんなこと無いって言っても聞かない人にファルスさんも入ってるんだけど。
俺が今更令嬢らしくしても誰も喜ばねぇよ。
そりゃね、逃げ時もわからないほど愚かではないつもりだし、
ま、時々逃げ損ねることもあるけど、まだ生きてるからいいんじゃないかと思ってはいるよ。」
いろいろ遭ってきた痛い目に引きずられることも無かろうと。
そういいながら、相手が自分のことを探っているのは気づいているのかいないのか。
多分気づいていても気にしていないのが一番大きいと思われる。
「そうそう、時々は小物の相手もしなきゃいけないから大変でね…。
ふふふ、俺は一応この街で騎士をしているんだよ。
この街を長く離れる気は無いから、引き抜きは勘弁かな。」
そこまで行って最後、小路を出ると、貧民地区の中では大き目な通りに出る。
「あとはこの道沿いにまっすぐ行けば平民地区に出られるよ。
それにしてもどうやってあんな入り組んだ場所に出たんだか。
ファルスさん何気に運が悪いのかもね。」
ははは、と笑って見せる。
■ファルスィーク > いや……下手をすると被害の賠償で私の財布に負担がかかる事態になりかねない。
冷静を欠けば損失の方に大きく傾くのは世の常ではあるからな。
渡りに船は逃せば何時になるのか……それに善意には素直に甘えた方が良い。
――務めで終わらせるとは、無欲に勝るものなしか」
己の捜索するとなれば、冷静さを失っている場合が高い。
もっとも、そんな場合は確かに己に取って一大事になっている場合なのだから仕方が無いとも言えるが……阻むものがあれば容赦もないだろうから、被害は拡大する恐れがあり、後の賠償金が莫大なものになりかねない。
金で解決できればいいが、そうでない場合はまた面倒な事になるのは間違いなく…であれば、その機会が無いに越した事はない。
会話をしながらも、進んで行く少女の足取りは勝手知ったると言っても良いほどの足取りか。
「そうなるだろうな。と、言葉を出していて思っていた所だ。
私としては、イフの令嬢姿は見てみたいと思ってしまう。
……では、もっとその賢さを磨きをかける事だな。
生きる事に重きを置くならば一番重要なスキルになる」
騎士だと名乗るのであれば納得したように頷き、この区画でも地理を知り尽くしているような足取りも頷ける。
そして、意外と義理堅く真面目であるという片鱗も見え隠れしたので、思わず噴き出して笑ってしまい。
「いや、失礼。
大体は、私の身分や場所、引き抜きの待遇等を聞くんだが、それもない内に断られると清々しいな。
道案内感謝する。…さすがに何も礼がないとなると押し付けたくもなるな。
…ああ、これを渡しておくか。
その剣と同じく、魔力を通せば効果を発揮する。
あって困る物ではないだろうしな。
加工に関しては…腕のいい鍛冶屋か付与魔術師にでも頼めばいいだろう。
私に預けるのなら、武具であろうが防具であろうが、装飾品でも要望通りの物に仕上げてやる」
会話を楽しんでいる内に分かり易い場所まで連れて来られると、改めて礼の言葉と共に渡すのは火属性の魔石が入った革袋。
流し込んだ魔力量によって効果は調節でき、炎を生むか炎より守るのか、もしくは干渉して火を打ち消すのか…その用途は様々とはなるが。
■イェフィム > 「そっか、それなら大事にならなくて良かったと思っておくよ。
無欲っていうか…、特に金にも困ってねぇってだけだよ。
それも家の金だから俺自身褒められたもんじゃねぇけどさ。」
男性の言葉には、この街の人間たちほど金や物に植えていないからとしか言いようもない。
といっても義理とは言えど両親の金、自分でははした金しか稼いでいないわけで…。
そういうところも知れば、自分はただの甲斐性なしでしかない。
「おいおいおい、勘弁してくれよ。
俺の令嬢姿なんて見ても何の得にもなりゃしねぇぜ。
得があるとすればうちの家の奴らがどこに嫁に出すかで騒ぎ出すくらいだ。
そうさなぁ…、俺自身そこまで自分を賢いとは思えてねぇけど。
そういわれると少しは磨いておいて損はなさそうだなと思えるかな。」
令嬢姿に興味があると聞けば、うげー、と心底嫌そうな表情を浮かべる。
「そうかね?俺はこの街を気に入っているからな。
だからほかのところに雇われるのは…、まぁ悪い話じゃなさそうだけど、やめとくよ。
いや、どういたしまして……―――ん?」
そう言っているところに革袋を差し出される。
その中身をしげしげと眺めつつ、さすがにこれすらも断るのは逆に失礼になると思って。
「…それじゃ、ありがたく受け取っておくよ。
そうだなぁ、それなら指輪あたりがいいかな、
加工の方もお願いしていいかね?」
そう言って、こてん、と小首をかしげて見せた。
■ファルスィーク > 「普通は家の地位や金でも、権威として振りかざす者が多いんだが、その逆とは……変わり者だと言われた事はないか?」
金に困っておらず、騎士ともなれば貴族としても上流の地位ではあるようだ。
そんな中で、自分の金ではないと言えるほど殊勝な者は極僅かであるから、かなり珍しいものを見たかのような口調になるのも仕方が無く。
「いや、眼福であるのは間違いないので、私の得にはなる。
ほう……政略の関係で話は幾つも来てそうだが、相手はまだ決めていないのか。
色恋に疎そうな感じでも無さそうだが…身分違うの相手でもいるとか。
賢さにも色々とあるし、知識と知恵とは似ているようで別物だ。
…話すと長くなるので端折るが、磨けば自分自身を助ける事になるのは間違いない。
―――実に言葉よりも分かり易い表情だ」
少女の浮かべた表情を見てまた笑い、断りの言葉には仕方が無いと素直に引いた。
容姿の良い少女の言葉遣いにも慣れてくれば、気のいい話相手の様な気やすさもあり…そのギャップがまた何とも言えず、小首を傾げた少女を真似する様に、同じ方向に首を傾げての返答。
「承ろう。
使い方については渡す時にでも伝えておこうか。
覚えれば何かと重宝するだろう。
出来上がれば連絡をさせてもらう」
そう言うと連絡先を聞き、再度礼を言いつつ――すっかり暗くなってしまった路地を歩いていくことになる。
■イェフィム > 「…まぁ、よく言われる言葉だな。
でも、言いたい奴らには言わせてやる性分でね。」
そう言ってまたははは、と笑う。
そして男性の言葉にも、確かにその通りだと。
「うげ……エロおやじみたいなことを言い出すなっての。
話自体は来たことはあるが、相手を蹴り飛ばしたりしてなかったことにさせた。
決まった相手がいるとかそういうわけじゃないよ。
こんなお転婆娘相手にしたいと思う奴のほうが珍しいのさ。」
そう言って軽く肩をすくめる。
逆に興味を持つ貴族もいるようだが、実物を前にすると大体は顔を真っ赤にして怒り散らすものである。
見合い相手を蹴り飛ばして見合いがご破算になった話だとか、噂を集めようと思えば集められるだろう。
「よろしくお願いするよ。
人間相手には無力な魔法しか使えないもんでね。
護身術程度にでもなるのならば、確かに便利そうだ。」
そう言って男性の去り際、自分のフルネームと連絡先を名乗り、
自分も暗がりの中へと姿を消していくことだろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からファルスィークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からイェフィムさんが去りました。