2023/10/25 のログ
■エレイ > 剥がし終えた目ヤニを指でピンとそこいらに弾いて飛ばし、捕まえていた
首根っこを開放してやれば黒猫はブルルッと首を振ったあとで片方の前足を
ペロペロと舐ってはそれで自分の顔を拭う、猫ならではの洗顔をその場でし始める。
そんな光景を頬杖ついて眺めながら、さてどうするか、なんて考え始めたところで
ふと耳に届いた声に軽く眉を持ち上げ。
黒猫も同じ声が聞こえたのか、洗顔の動きを一旦止めて男と同時にそちらを見やる。
金と碧の2組の双眸が、そこに立つ大柄な人影を捉えた。
「……。やあコンバンハ。なんか今ねこって言ったかな? コイツのことかね?」
片手を上げてへら、とゆるい笑みを浮かべながらこちらを見つめるその人物に声をかけ。
それから傍らでまた洗顔を再開している黒猫を首差しつつ問いかける。
実はこの猫の知り合いだったりするのだろうか、なんて考えながら。
■レンジュ > コツン、とつま先が転がっていた小石を蹴った。
足元に気が行っていなかったのか、視線は一人と一匹へ。
ぺろぺろと無防備に前足を舐っては自分の顔を拭っている様子、
とても可愛らしい…、と思いながら無意識にそちらへと歩みを寄せる。
金と碧の瞳がこちらを見つめるのに気づけば、不躾に一人と一匹を眺めてしまっていたことに気付く。
「…あ、ああ、失礼。いや、可愛いなと思って…。」
緩い笑みに対して少し恥ずかしそうに目線を逸らしつつ、
あまり近づきすぎても猫を警戒させてしまうだろうかと足を止めた。
「……随分慣れているな、アンタの猫かい?」
男の考えとは裏腹に、首を傾げた。
猫の方は多分…おそらく、会ったことは無いだろう。
■エレイ > 気恥ずかしげに投げかけられる返答に少し微笑ましくなってフフ、と小さく笑いながら。
続く問いかけには軽く瞬きした後で首を横に振り。
「キミの知り合いかと思ったが違うのか。俺もコイツとは今初めて会ったのだが
相当人馴れしているんだろうな警戒心がぬこにしてはかなり薄い感。
おそらく上手いこと人の間を渡り歩いてたくましく生きているタイプのヤツだと考えられる」
そう話している間も男のそばを離れず洗顔を続ける黒猫の佇まいは、いっそふてぶてしさすら感じる程で。
そんな様子を眺めて苦笑しながらぐりぐりと猫の眉間を軽く捏ねてやり。
「……なので多分キミが近づいても大丈夫なのではないかな。ほれ、ものは試しに」
そう言って男はしゃがんだまま少し下がり、相手が猫に近づきやすいようにスペースを開けてやる。
黒猫はじっと観察するかのように金の双眸を相手に向けるが、近づいても逃げ出すことはしないし、
触れることも容易いだろう。
■レンジュ > 小さく笑う様子を見れば、ん、とまた少し恥ずかしそうに声を漏らし。
「そうか、ここら辺で人慣れしているとなるとそうなんだろうな。
だが、警戒心が薄すぎて心配になるくらいだ…。」
眉間をぐりぐりと捏ねられる猫は、ぶにゃ~ぉ、とふてぶてしくあくびを一つ。
おやまぁ、とばかりに人より夜目の効く目で男をじっと見る。
なんというか…端正な顔立ちをしているように思える。
そしてやせ型に見えるが、おそらくこの街でこれだけ気を抜いているのなら、
腕っぷしも経つのだろうなと予想し。
「……ん、そ、そうか……じゃあ、失礼するよ。」
少しためらった後にコツコツと黒猫と男に向かって歩みを進める。
金色の瞳を紫色の瞳が見つめ、そっと黒猫と男の近くに寄ればしゃがみこんだ。
そして恐る恐る、といった様子でその背中を撫でてやろうとする。
それくらい近くに寄れば、フードに隠れた顔も男から見えるようになるだろう。
■エレイ > 「ワハハ……この街で特にこの辺だと、むしろ人間のほうが警戒しないといけないからのぅ。
まああでも見た感じ大きな怪我なんかもしてねぇーから意外と回避すべきトコの
見極めはちゃんとできていたりするかもしれんね」
なんてケタケタと笑う男自身も、猫に負けず劣らず警戒した雰囲気は一切発していない。
この貧民地区で初対面の相手、それもフードを被って人相を隠した大柄な
相手に対しこうも気安く話している時点で、良くも悪くも只者でないことは察せられるだろうか。
「ウム、動物との触れ合いはいいぞ心が豊かになる」
何故かドヤ顔をしながら猫に近づく相手の動きを目で追って。
背中を撫でられると黒猫はぴくぴくっと尻尾を揺らしてやや腰を上げて中腰になるも、
やはり逃げはしない。数度撫でられれば程なく落ち着き、ゴロゴロと喉を鳴らし始めさえするだろう。
「──ほむ。よく見たらなんかキレーな顔してんなキミ。タッパあるから
ちょいと男かと錯覚したが、声も高いし女の子なのかな?」
相手が猫と触れ合っている間、フードから垣間見えた横顔をじっと眺めていた男は、
軽く首を傾げながらそんな問いかけを投げかけて。
■レンジュ > 「ま、動物の勘は鋭いからな。
何かあったときにはちゃんと逃げろよ。」
そう言ってわしゃわしゃと猫の背中のあたりを撫でる。
姿を隠してしまっている自分に警戒心のかけらもない相手、
これは多分、大物か、逆に無防備かのどちらかだろう。
「……ふふ。」
何故かどや顔を晒す男に、思わず緩く微笑みを浮かべた。
ゴロゴロ…と喉を鳴らし始めさえする猫に、野生とは…、
と思いつつも何気に撫で心地の良い毛並みに目を細めている。
「…っ、お、おいおい、お世辞を言うにも少し言いすぎだぞ。
あと女の『子』ってのはやめてくれ、俺ももうそんな年じゃない。」
顔立ちのことを言われればかぁっと顔を赤らめつつ、反論した。
嫌、というわけではなく、恥ずかしそうに。
■エレイ > 月光に照らされる黒猫の毛並みは野良のため多少埃っぽいものの、猫じらみなんかもなく
艷やかでなかなか良い手触りを相手に与え、世間をうまく立ち回っているという男の推察が概ね外れていないことを伺わせる。
相手の端正な顔が柔らかく緩む様子を、男も楽しげに眺めつつ。
「素直な感想を言っただけであってお世辞とは無関係。それにまあ、多分だが
俺よりは年下だと思うのでまだまだ女の子でも問題はない」
言葉に照れて慌てだす相手にフハハ、と笑いながら雑な理屈で無問題だと断定し。
初対面の男に対し、女性であることをあっさり認めてしまっているあたり猫効果で
彼女も警戒心が緩んでいるのだろうか、なんて思いつつ。
「動物もいいがキレイな女の子の顔も心を豊かにしてくれるからな。
もっとよく見せてほしいのでちょいと失礼」
などと楽しげにのたまいながら、片手を伸ばして相手のフードを捲くり、
月光の元にその素顔を晒そうとする。
ついでにその頬に指先で軽く触れようともしてみたりしながら。
■レンジュ > 野良にしてはきれいな毛並みをしている。
艶やかで、なかなか手触りが良くて、ついついなでなでと夢中になっている。
「………むっ、むうう…。
それはそうかもしれないが…、20にもなったやつに女の子は無いだろう。」
とても雑な理由でこちらの言葉を否定してくる様子にむむむ、と眉間に皺を寄せる。
女であることは特に隠しているつもりはないが、公言しているつもりも無かった。
確かに黒猫効果で警戒心が緩んでいることは事実だろう。
「んっ……ちょっ、待……わっ。」
フードをまくられて月光の元にまばゆいオレンジの髪と紫の瞳が露になり、
延ばされる指先に恥じらいの表情を浮かべた直後…。
にゃんこ様がにゃー!!と叫びながら女の胸元に飛び掛かった。
猫の爪が引っ掛かりブチ、と嫌な音を立ててボタンが二つほど外れてしまえば、
サラシに包まれた胸元が露になってしまうことだろう。
■エレイ > 「ほうハタチか、そのぐらいの年だと確かにそう言いたくなる気持ちは解るがな。
まあああんまりこういうこと言ってっと俺がオッサンみたいになってしまうので
このぐらいで勘弁してやろう。ちなみに俺は27歳です」
眉寄せて文句を言ってくる彼女にキシシ、といたずら小僧のように目を細めて笑ってみせ。
歳を明かすときには自分を親指で指し示しながら、またなぜかドヤ顔。
男の端正な顔立ちは、その年齢よりも若く見えるかもしれないが。
「──フフ、やはりキレーな……おおっと?」
フードの下から露になった顔、その頬に触れて柔肌を擽ろうとしたところで
突然彼女に向かって躍動する黒猫に男も面食らう。
猫の爪は細く鋭い。ボタンをあっさりと飛ばし、その胸元があらわになれば、
思わず覗き込んでしまって。
「……ほほう、これはこれは。随分きつく締め付けているようだったな。
まああここではこういうのも珍しくはないが……苦しくない?」
ニマ、と楽しげに笑みを深めれば、そんなことを言いながら肩に腕を回しつつ、
もう片方の手でその胸元をなでさすろうとして。
■レンジュ > 「そうだろう、少なくとも女の子って気分じゃない。
……微妙なラインだな、オッサンか、お兄さんか。」
いたずら小僧のように笑う相手にジトー、とした目線を向ける。
端正な顔立ちゆえに、もっと若く見えていたが…。
年上ならばねりょなく、オッサン、と呼ぶことも視野に入れる。
が、相手の場合はお兄さんだな、見た目的に。
「…んっ……や、こ、こらっ…。」
頬に触れてくすぐるような指先に思わず首をすくめる。
けれども今は猫のほうが問題である。
カツン、と地面に落ちたボタンを拾い上げつつ、
胸元に視線を感じればそこを隠すように掌で押さえ…。
「み、見た……苦しいけど、こんなのあっても邪魔だから…やっ!?ちょ、何して…!!!」
する、と肩に腕が回されれば逃げ場がなくなったような状態、
空いている手で胸を撫でさすられればわずかにピクンと肩を揺らす。
猫はしゅるりと奪い去ったネクタイにじゃれながら、時折不思議そうに二人を見上げていた。
■エレイ > 「オッサン呼ばわりはあと10年ぐらいは待ってほしい感。つっても俺は旅の異邦人(ヨソモノ)なんで
あと10年も居座っちゃいないとは思うんだがな」
ジト目を向けられて大げさに肩をすくめながら眉下げて笑い、ついでにさらっと異邦人であることも明かしたり。
「ふむ、隠すというよりは動きにくいから押さえつけてるということかな?
フフ……俺は不良だからよ、キレイな顔した子がこんな立派なものを
隠していると知ってしまっては我慢が効かなくなってしまうという意見。
ちょっと、こっちに行こーか……」
場所柄、性別を隠すための格好なのだと考えていたが、どうも話していて
感じる態度を見る限りそうでもないらしい。
体躯にも恵まれているし、腕っぷしもあるようだからその必要もないのだろうか。
そしてその割には、男のちょっかいに対して存外しおらしい態度なのも男の情欲をそそった。
胸元を撫でれば体を小さく反応させる様子に目を細め、強い抵抗がなければ
そのままさらにゆるゆると手を動かし刺激を与え続けながら、
肩を抱いたまま彼女と一緒に立ち上がると、最初に黒猫がやってきた脇道に彼女を連れ込もうとする。
こちらを見上げる黒猫には、しばらくそこで遊んでいたまえ、とでも言いたげに笑顔でウインクをしたりしつつ。
■レンジュ > 「……ふーん、じゃあ一応お兄さんってことで…。」
異邦人と聞けばじっと相手のことを頭からつま先まで見た。
が、見た感じではそんなにこちらの人間と違いがわからず…。
すん、と小さく鼻を鳴らして魔力の匂いなんぞを探ってみる。
「そ、そりゃ…結果的に隠してることになるのかもしれないけど…。
っちょ、ちょっと待って……、俺は別にそんなつもりじゃ……、えっ…?」
幼いころは性別を隠すこともあったが、今はどちらかというと大きさを持て余しているため。
結果として性別をごまかすことにもなっているわけだが…。
そんな中、男の悪戯にどうしても恥じらいの表情を浮かべてしまい、
胸元を撫でられる感覚にぶるりと背筋を震わせる。
さわ、さわ…、といたずらっ子のように胸を愛撫されながら、
肩を抱かれた男に身体を起こされて脇道に連れ込まれていくことだろう…。
にゃー、と、黒猫ののんきそうな鳴き声を残して。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からレンジュさんが去りました。