2023/10/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にレンジュさんが現れました。
レンジュ > できれば近づきたくはない場所ではあった。
けれども貧乏人でもある身としてはこういった場所に世話になることが多いのである。
宿にしても酒にしても情報にしても品物にしても、こういった場所のほうが手に入りやすいのだ。
身分的にも種族的にもはぐれ者の自分にとっては格好の場所でもあるのだから…。

「……。」

顔を目深にフードで隠してしまえば多少の目くらましにはなる。
するすると人ごみの中をすり抜けながら、酒場の戸を潜り、中に入っていく。

そして中を進んでいきカウンター席に腰を下ろすと安いウィスキーを注文して、ふう、と息をついた。

レンジュ > カウンター席についてもフードはかぶったまま。
さすがにそこまで気を抜いてはいられなかった。
ことん、と前に置かれた安酒を受け取れば、こくんとグラスに口を付けて中身を飲む。
焼けつけるような喉の感覚に目を細めながらちらりと店内を見やる。

客は数人、テーブル席で食事をしている者もいれば、
同じようにカウンターで酒を飲んでいる者もいるようで…。

「…ん。」

カラン、とグラスの中の氷が揺れる音をさせながら、
何度かグラスに口を付けているうちに少し上機嫌になってきて。

レンジュ > はちみつ色の液体を少しずつ少しずつ喉に流し込んでいく。
さすがに一杯で酔っぱらうほど弱くはないつもりだが、
ほんのり頬を赤らめて代金を支払うと酒場から出てくる。

「……。」

コツコツコツ、と細い路地へと入って歩いていくと、
ひんやりとした空気が頬を撫でていく。