2023/09/27 のログ
■タマモ > 王都マグメール、貧民地区。
少女が佇んでいるのは、その場所にある、とある建物の屋根の上だった。
貧民地区とは言え、それなりには人の行き交いのある、大通り。
その大通りから伸びる、建物の影になる裏路地。
少女の視線は、その場所へと向けられていた。
「狙った相手を定め、引き込む、たいみんぐ…
ふむ…しかし、なかなかに、難しいものじゃのぅ」
腕を組み、顎に指先を添える、考えるような仕草。
そんな仕草と共に零す呟きは、今回の狙いが、なかなか通らない事を示していた。
たまには、純粋に楽しむ為に、誰かを攫うのも良いだろう(良くありません)。
あの大通り、遊べそうな相手が通りそうになったら、気付かれぬよう、一気に引き込む。
…まぁ、ちょっとした認識阻害も入れれば、それは簡単に達成出来る。
だが、問題は、その遊べそうな相手が、そこを都合良く通るかどうか、だった。
力を強め、強引にやる手段もあるにはあるが、そこまでするのは、拘りが許さない。
こうすると決めたら、その通りにやる、それが少女なのだ。
時折、視線をずらし、通りに建てられた何件かの露店に向ける。
小腹が空くのも、もう少し時間が掛かりそうではあるが。
こうも、視界の中に食べ物が見えてしまうと、つい見てしまう。
おっと、いかんいかん、と視線を戻し。
どれだけ続けてみようか…との考えも、ふと浮かべながら、眺めているのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にシルヴァさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシルヴァさんが去りました。
■タマモ > さて、どうしたものか…
色々と、考えを巡らせている中、ぴくん、と耳が揺れた。
それは、何によっての反応か、なのかは分からないが。
次の瞬間、たん、と少女は屋根を蹴る。
誰かが、それを見ていようとも。
誰もが、その少女の姿を捉えられる事はなかっただろう。
こうして、少女の姿は掻き消え…その少女が、どこに行ったのか、何をしに行ったのかは、誰も分からない。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。