2023/09/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にルプランさんが現れました。
■ルプラン >
怒りは人を突き動かし、ときに、常識はずれの行動力を生むことになるという。
この日、日暮れ間近の街を大股で歩いて行く女の中にも、突発的な怒りが渦巻いていた。
どれほど怒っているかというと、普段、この女を蝕んでいる呪いの影響が、
このときは何故か、忘れ去られていたくらいだ。
そのぐらい、女は怒りに我を忘れ、たとえここが富裕地区であったとしても、
少しばかり、昼間にはふさわしくないドレス姿で、ピンヒールの靴音も高く、
ざくざくと脇目もふらず歩き続けているのだった。
普段、女が身に着けている服一式は、胸元に抱え込んだ袋の中に。
それに着替えてくる間もなかったのは、女がつい先刻、このドレスを前払いだと買い与え、
とある夜会の会場まで、道案内を頼まれた依頼人の頬っぺたを、
全力で引っ叩いて契約を破棄し、呆然とする依頼人を尻目に、さっさと帰宅を決めたせいである。
そのまま定宿にしている部屋まで帰るのは、いささか無謀――――ではないかと思い至ったのは、
辺りの様子がすっかり変わり、宿の建物から数ブロックと離れていない、
つまりは貧民地区と呼ばれる界隈まで、足を踏み入れてからのことだった。
軍隊の行進でもここまでは、というくらいの勢いだった歩調を緩め、
足許ばかりを睨んでいた視線を、ちらちらと周囲へ巡らせて。
「……やっぱり、どっかで着替えてくるべき、だった?」
少し理性を取り戻した、小さな独白と同時に。
ずくん、と下腹の辺りに生じた疼きについては、気づかないふりをしておきたい。
とにかく、もう、あと数ブロックなのだから。
このまま歩いて宿に飛び込めば、それで済む話のはずだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にシロナさんが現れました。
■シロナ > 貧民区域と言う場所、それは、平民地区に住めない者が多く集まる場所だ。
お金がない、騙された、貴族から転落した。他国から来たばかりの冒険者―――
様々な理由が有れど、そう言った、理由がある物が多く集まり、其処に住まい、出来たとも言える場所だ。
そんな所に居るのは、場違いか、と云えば場違いだ、トゥルネソルの少女は、一応でも富裕地区に住まうお金持ち。
学校の授業で校外学習などがある時は、流石に冒険者の格好をするので、今の格好程では無い。
今の少女の格好は、コクマー・ラジエル学園の学生服に、紅いベレー帽。
ショルダーバッグを斜にかけた姿は、一応これでも、善いお嬢様然としている。
そんな状態のシロナであれば、良く無い男共が性欲見たそうと群がる事もあるやもしれないが。
それ以上に気に成る物を見つけたから、其方の方に近づいたのだ。
依然見かけて助けた女性、彼女の服装は、前に見た時よりも煌びやかで何処か扇情的。
それよりも、様子がおかしかったのが、気に成った所でもある。
凄いお怒りの様子で、貧民街へと向かう姿。
以前会った時の服装でも、まだまだ襲われそうなのに、今の格好は、襲ってくれと言わんばかりではないか。
そんな風に思ったこともあり、付いて行った。
身体能力的には問題ないが、彼女が一直線に歩く故、後、後ろから変なのが来ているのもあり、直ぐには追い付かず。
なんか知らないけれど、ぷよっとした、頬に赤い手の痣を付けた男性を地面に沈め。
その護衛と思しき男性たちを、同じく地面に沈めて、追いかけた。
彼らが頭から、地面に突き刺ささっている姿を背景に、周囲を気にし始めたルプランに、にこやかに近づくのだろう。
「やっほ?お姉さん、お久し振り。」
ひら、と褐色の手を振って、にこやかに笑いかける、少女。
その後ろに目を向けてはいけません。
■ルプラン >
女自身に関して言えば、そこまで金に困っている、ということもない。
働かなければ食べていけないレベルなのは間違いないが、
幸いにして、最近、レギュラーのお仕事も確保したところである。
もっとお金のかかる、けれども安全なエリアへ引っ越しても構わない、
そんな頃合いなのかも知れなかったが――――それはそれとして。
なにやら背後で大立ち回りが繰り広げられていたようだが、
怒りによる視野狭窄に陥っていた女が、それに気づくことはなく。
ただ、そろそろ周囲の視線が気になり始めたところで――――背後から近づいてくる足音、そして、愛らしい声。
振り返って見た先に、見覚えのある、可愛らしい少女の姿。
またこんな所で、こんな可愛い格好をしてケシカラン――――などと、頭の片隅で絶叫しつつ。
「え、……え、シロナ、ちゃん?
久しぶり、ってゆーか、なんでまたこんなとこ、あ、危ないじゃない!
そんな可愛い格好して、あの、ごっつい武器も持ってないし!」
あんぐりと口を開けて、こちらからも足早に歩み寄り。
自分のことは完全に棚上げして、相手の不用心さを指摘するが――――ふと。
彼女の小柄な肩越しに、なにか、異な物が見えたような。
気のせいだろうか、見覚えがあるような気もするのだが――――はて。
■シロナ > 大立ち回り、と言う程の事では無かった。
実際は、後ろから、一人ずつ捕まえて、持ち上げて、グランドスラムで頭から地面に突き刺す。
言葉にするとそれだけなのだけど、それを出来るのが、ドラゴンのパワーを持つシロナであって、ついでに言えば、格闘技も習得している。
伊達に、戦士ギルドで、修行をしているわけでは、無いのである。
なので、実際貴族アンド護衛が地面に沈むまで一分かかってない、そして、頭から埋まっているだけなので、死んでもいない。
頭が地面の中なので、彼女の家がばれる確率も、ぐっと減るだろう。
「あっは、覚えててくれて、嬉しーな。
だって、物凄い格好で逃げるおねーさんを見つけたんだもの。
追いかけちゃうのは仕方がないよね?
こんな危ない所、そんな色っぽーい格好で、周囲の男をお誘いしている。ルプランおねーさんの方が、危なくないかなって。
アタシの様な子供に、むらむらするのは一定数居たとしても。
ルプランおねーさんの魅力に、ダイブしてくる方が多いと思うよ?
寧ろ、アタシが、埋まりたい。」
確かに、コクマー・ラジエル学園の制服は可愛い、それは認める。
腹筋バキバキで、腕や足にも、確り筋肉のある自分が着ても、其れなりに可愛らしく見えるから間違いない。
それよりも、彼女の胸元ばっちり、肩も確り見えてしまうその恰好。
けしからんのです、とても、けしからん。
雄でも雌でも、彼女の色香に誘惑されてけしからんことになるでしょう。
シロナ自身、今からでも無茶苦茶にしたい。
姉がいたら、たぶん、むひょうじょうで、むふーと、その豊満なお胸をむにむにするだろう。
思考が逸れた。
「まあまあ、アタシ、素手でも腕には覚えあるから。
大丈夫、だから、安心してほしいな。
おねーさんをエスコートできるくらいの実力はあるよー?」
見せるように、小さな手のひらでグーを握ってジャブを一つ。
しゅっ、と空気を斬る音がするガチな奴が繰り出されるのでした。
■ルプラン >
前回は、だって、それなりの格好をしていたと記憶している。
動きやすそうだったと思うし、何しろ凶器、ではなかった、武器をお持ちだったし。
それが今回は、見るからに仕立ての良さそうな、愛らしい制服姿である。
それはもう、ある種の性癖を持つ連中なら、こうしている間にも、
背後からがぱーっと―――――いや、その背後になにか、地面から生えたあれは足だろうか。
ぱちぱち、目がおかしくなったのかと軽く瞬いてから。
「覚えてるよ、こんな可愛い子忘れないよ…! じゃなくて、
え、あ、あたし? あたし、物凄い格好、してる?」
自覚がない。
というよりも、あんまり彼女が可愛らしいのですっぱり忘れていた。
なるほど、改めて視線を落としてみれば、肌の露出具合はなかなか凶悪である。
淑女だとか貴婦人だとか、そういう単語とは無縁の性格をした女だが、
まあとりあえず、見かけだけなら手を出される要素は満載か、と――――しかし。
「いや誘ってないし、危なくないし、ダイブさせる気ないし。
シロナちゃんならまぁ、ちょっとぐらい、埋まっても良いけど……」
可愛い女の子、だと思っているので、彼女が埋まりたいなら構わないかなと思ったりもする。
胸元に抱えていた荷物を小脇へ抱え直し、片腕を広げて、どーぞ?なんて小首を傾げるポーズ付き。
「シロナちゃんが強くて頼れるのは、この前もばっちり教えてもらったけどさ。
でもやっぱり、おねーさんとしては、その格好を見るとちょっと心配になります。
だから、そーね、うん……一緒に居れば、お互い安心、かな?
でもシロナちゃん、そもそも学校だったんじゃないの?」
彼女とご一緒するのは大歓迎なのだが、そういえばこれは制服姿だ。
学院に戻らなくても良いのかと、一応は大人として、心配してもみるわけで。
■シロナ > 確かに、前回は冒険者の授業でもあったから、レザースーツなどの防具を身に纏っていたはず。
ハルバートは武器と言うか、確かに凶器なのだ。
スカートはひらひらしているし、あまり長くないので、大きく動いたら、パンツがちらりしてしまうかも。
とは言え、とは言え、ええ、可愛らしいとは、言えない……はず。
「もう、そんな、照れちゃう。口説かれてる……ぽ。
と、それは兎も角、うん、扇情的な恰好、してるよ?
ちゃんと、フォーマル、だけど、ね?」
フォーマルな恰好で、貴族のパーティでも出れるのだろうけれど。
肌面積はとても素敵であって、しかも薄い服装だ、体のラインも出ているのだ。
男性は、色々とムラムラして襲いに行くだろう。
間違いは無いのだ。
「うん、ダメだよルプランおねーさん。
そんな誘惑されてしまったら、アタシ……アタシ……っ。
我慢してるんだから……ね?
ルプランさんと、イケナイ道に、行きたくなっちゃうよ?
とても綺麗だし、良い匂い、してるし。」
荷物を眺めて、手を広げてくる、柔らかそうな彼女、細くて、素敵な肢体。
飛び込みたいのを我慢して、プルプルと。
抱き着きたいけれど……と、ふらふら、近づいてしまいそう。
でも、ギリギリで、動きを止める。
今、飛び込んだら、犯しちゃいそうだよ、と。
「たしかに、そうだよねー。
安全だとしても、アタシは。
っと、学校はね、大丈夫。
選択している授業は全部終わってるから。
単位も足りてるから、問題はないよ。」
学校は、もう終わってるから問題ない、とサムズアップ。
今は、自分の学校よりも、綺麗なお姉さん、之は間違いはない。
■ルプラン >
可愛らしくない、と主張するなら、彼女は自分自身の魅力を知らなさすぎると思う。
よくよく見れば、たとえば触れてみたならば、鍛えられたボディラインは明らかだろうけれども。
それはそれとして、彼女の見た目が小柄な少女であり、愛らしいのは事実なのだ。
女としてはそこは譲れない、なぞと、無駄な主張を挟みつつ。
「口説いてるってゆーか、褒めてる。
シロナちゃんは可愛いし、かっこいーの、あたし知ってるから。
――――…いやあのね、この格好はね…その、お仕事着とゆーか…
あたしの趣味じゃなくて、うん…うん……」
どこまで話して良いものか、そのお仕事を平手一発で放棄してきた身としては、
ちょっと口ごもりたくもなろうというもの。
しかし、それはそれとして――――そうだ、そうでした。
彼女には前回、タイプだとか下心だとか、そういう話をされていたのでした。
これは確かに軽率だった、と、お迎えポーズは引っ込めて。
ほんのり頬を赤くしながら、照れ隠しのように微笑みかけ、
「あは、あ、あー、ごめん、そーだったよね。
シロナちゃん、この前もばっちりナイト様だったから……、
うん、ごめん。理性の限界に挑戦させちゃってごめん。」
もぞもぞと、もう一度荷物を胸元へ抱え直しておく。
そうすれば一応は、谷間辺りは隠せるはずだ。
剥き出しになっている肩とか太腿とかは、もう、どうにもならないとしても。
「――――――…あ、そうなの?」
学校は大丈夫、という彼女の顔を、きょとりと目を見開いて見つめ。
「制服だからてっきり、学校に行くところか、帰るところかと…。
え、あれ、それってコクマー・ラジエルの制服だよね?」
■シロナ > それに関しては、シロナ自身ののコンプレックスが関係している。
姉とか妹はとても、美少女なのだ、筋肉はムキムキではないので、その辺りをちゃんと説き伏せないと難しいだろう。
と言うか、シロナ自身筋肉は好きだし、鍛えるのが好きなので、可愛いから遠ざかっている、と言う思考もある。
全力で、シロナが引くぐらいに可愛いと、認めさせないと難しいだろう。
「褒め言葉は口説き言葉って、聞いた事あるよ?
ありがと、其れならもっと頑張れる。
うん、良い素材使ってるし、お貴族様の夜会に出るようなフォーマルだよね。
凄く似合ってるし、素敵だよ?
その恰好で、意中の男性にうっふんしたら一殺だよ。」
深い話は聞かない、その代わり、服装事態で掘り下げる。
私も、確り魅力でメロメロになっちゃうよ、と。
お迎えポーズが引っ込むのが、凄く残念だった、その腕の中で抱き着きたかった。
でも、可愛らしい、とても綺麗な照れ隠しの微笑が見れたので我慢する。
「謝ってほしく無いのよー?
アタシとしては、理性を決壊させて、爛れた関係に走りたいんだよー。
と言っても、そうね、ルプランおねーさんのヴェールを一枚ずつ剥がしていく積り。
……ほら、これ、ショール。」
学校指定のショール、学校の中は、冷房の魔法が効いているから、人によっては寒さを感じる人もいる。
それもあるから、防寒具のショールは夏でも持って居る事が有るのだ。
最近は、少しずつ涼しくなってもいるから。
それを、ふわり、と肩に掛ければ、もう少し、隠すことができるだろう。
掛けつつも、ちらりずむ、とかそんな思考が。
「どっちかと云えば、帰る方、だね。
うん、コクマーラジエル学園、だよ。
学生、だしね?」
コクマーラジエル学園は、この国に珍しく、平民でも、他国民でも、お金さえ支払えば入れる。
だから、シロナが入っても不思議はないよね、とにっこり笑って首を傾ぐ。
■ルプラン >
彼女の家族構成について、深く知るはずもない女。
ご実家に戻ればさぞかし、美人、美少女揃いなのだろうが、
女が知っているのは、目の前の彼女だけであるので――――外見だけではない、
女の窮地を救ってくれたのも、安全にエスコートしてくれたのも彼女である。
その一点だけでも、女にとっては特別、可愛くてカッコイイ少女なのだから、
「―――――…シロナちゃんこそ、それ、褒めすぎ。
意中の人とか居ないし、でも確かに、これ、素材はすごく良いのよね。
随分高かったみたいだし、まぁ、お尻揉まれ賃としては良い方かと…」
ごほん、とわざとらしい咳で語尾を誤魔化した。
つまりは依頼人からそういう手出しをされたので、平手打ちして逃げてきたわけだ。
さらさら、すべすべ、際どいデザインの割りにたっぷり使われた滑らかな布地を、
空いた片手で何気なく撫でながら、
「いやいや、爛れた関係って……マズいって、シロナちゃん、
あたしホントに、ほら、うっかり歯止めが利かなくなっちゃうから。
女の子が相手でも、頭飛んじゃうと底なしだから……、 ぇ。」
軽い調子で笑い交じりに、しかし、それは女の本音でもある。
どう見ても年下であろう少女を相手に、淫蕩に耽るのはちょっと、本当にちょっと、と、
真っ当な倫理観が皆無という質でもないので。
けれども、女の葛藤を知ってか知らずか。
今日も彼女は完璧に、ナイト、なのだった。
剥き出しの肩がショールに包まれ、残る危険地帯は太腿だけになる。
そっとショールを掻き合わせながら俯いて、小声で、ありがと、と囁いて。
「帰り、なら、ちょっとぐらい、寄り道しても構わないか…。
じゃあ、シロナちゃん、どっかでお茶でも、する?
エスコートとショールのお礼、おねーさんが奢っちゃうよ。
この辺じゃなくって、平民地区のほうで、とかさ」
とりあえず、口にしたのは健全なお誘い。
ここで『あたしの部屋に来る?』とか言っちゃったら、また、
彼女の理性に挑戦するようなことになるだろう、と、一応女も考えているのだ。
とはいえ、道中のエスコートは彼女にお任せすることになるわけで、
女の格好が目の毒であることには変わりがないのだけれど――――。
■シロナ > 彼女の中で、シロナの株がどんどん上がってるのだろうけれど、シロナ自身は良く判ってない。
ルプランの事は気に入っているし、可愛いし、素敵な方だ、そう言う相手を助けたりするのは、シロナは大好きで。
彼女が望むなら、カッコいいドラゴンのままで居るのは、良いのだろう、と。
「えー。
ふふ、褒めすぎでも、ないよ?
うん、一級品の素材、だと思うよ。
って、お尻揉んだの?揉まれたの?
あれじゃあ……、足りなかったなぁ。」
ごまかしを聞いて、なんてことだ、とシロナは目を丸くする。
この美女のお尻をさわさわして、モミモミして、むにむにしたのか。
きっと、もちもちして、ぷにぷにして、掌に吸い付く極上なのだろう。
先程の貴族の貴族をぷちゅんして置いておこうか、と静かに決めるのだった。
「アタシは、それでも、良いよ……むしろ、そう、成りたいなって思う。
だって、淫魔、だよ?
其処なんて、無いから、ルプランおねーさんと、最後の最後まで、一緒に居られるんだ。
理性も、倫理も、全て脱ぎ去って、イケナイ関係に、陥りたい、な。」
倫理観、それは判るし、シロナだって、常識としてそれを持っている所はある。
それ以上に、淫魔なので、彼女の乱れた、爛れた顔も見たいし、彼女と一つに成りたい欲はある。
ちゃんと、隠さずにそれは伝えておくのは、フェアでありたいから。
そして、フェアであるなら……彼女がうんと言わないなら、無理に手を出すつもりもない。
だからこそ、隠すためにショールを渡すのだった。
「ん、いいね、綺麗なおねーさんと一緒に……ね。
でも、その前に、着替えたりしなくても良いの?
驕ってもらう積りは満々だけど、その恰好のまま行くのは。」
彼女の提案に、最高、と笑って見せるも。
綺麗なおみ足がするりと艶めかしく見えるドレス。
平民地区の酒場や、健全なお店に行くには、目の毒だ。
まずは、着替えた方が本当にいいんじゃ、と、少女なりの。
今は、騎士様としての心配。
理性に関しては、お誘いしないなら、ちゃんと調節できるから。
着替える程度の時間を待つことだって、出来るし。
■ルプラン >
「褒めすぎですー、おねーさん、それこそ勘違いしちゃうでしょ。
とりあえずね、これは多分、ドレス効果だから。
実際のあたしはガサツだし、男にモテるよーなタイプじゃないから。」
いわゆる、馬子にも衣裳、というやつなのだ、きっと。
ひらひらと顔の前で手を振って、笑って、いたからうっかり聞き漏らした。
何が『足りなかった』のだか、誰に『足りなかった』のだか、
――――――果たして何が、ぷちゅん、される運命なのだか、知らぬが花であろう。
「―――――― うん、前にも、そう言ってくれたよね。
だけどあたし、女の子の友達って、びっくりするくらい少なくてさ。
一緒にお茶飲んだり、おしゃべりしたり、そういう関係も……貴重で、大事なんだよね。
そんなこと言ってても、まぁ、いつ転んじゃうかわかんない、ダメな大人なんだけど」
何度でも言うけれど、彼女はとても可愛らしい、そして、完璧な騎士様だ。
話していると心がほっこりしてくるし、ドキドキもするのだけれど、
今はまだ、この関係を大事にしたい気持ちが強いのだ、と。
こちらも正直に、きちんと、伝えたつもり。
その上で、健全な、お茶のお誘いなのだけれど――――――
「あ、……やっぱり、これ、マズい?
んじゃ、ちょっと遅くなっちゃうけど……やっぱり先に、
あたしの部屋まで付き合ってもらっても良いかな。
そんで、動きやすい格好に着替えてから、お茶しに行こ。
それとも、そろそろ晩ごはんのほうが良いかなぁ?」
どっちにしても、おねーさん奢っちゃうよー、なんて、軽い調子で請け合って。
とりあえず今のところは、片手を差し出して、繋いで歩く、ことを提案してみようか。
彼女が応じてくれるなら、向かう先はひとまず、女の部屋である。
この危険なドレスを着替えてから、食道楽の気がある女のおすすめのお店へ、
彼女とともに繰り出そう、というつもりで――――――。
■シロナ > 「ルプランおねーさんには、褒めすぎじゃありませんー。
可愛いし、綺麗だし、勘違いじゃないよ?本気で、口説きたいって思う。
ドレス斬る前から、知ってる私が太鼓判を押すから。
実際のルプランおねーさん、モテて欲しくないなー、私が口説きたいし。」
彼女自身、綺麗なのだ、衣装は、素材を引き立てるものであって、素材が良ければ、更に素材が引き立つ。
つまり、彼女はとても素敵なのだと、思うのである。
彼女の知らない所で、一人の貴族が、性別変わったと関わらなかった、とかそれは、謎なのだ。
知らぬままに終わるのだ。
「ん、大丈夫だよ。
だから、アタシは、お姉さんが求めてくれるまで。
友達でいるよ、体を重ねても、それは変わらないでいるから。
一緒に楽しく、遊ぼう?同い年の知り合い欲しいなら、アタシのおねーちゃんとか。
叔母さんとか、紹介しようかー?」
彼女の気持ちを大事にする。
シロナは、心も、体も、満足して堕ちて欲しいのだ。
だからこそ、今のままの関係を望むなら、それで良いのだ、と。
ちゃんとした、彼女の気持ちに寄り添い、友達のままで。
他に友達欲しいなら、紹介するからね、とか。
ニッと笑って見せるが、まあ、不安でしかないかもしれない。
「そりゃ、ね?
だって、その恰好で色々危ない思いしたんでしょう。
だから、少しくらいなら問題ないから。
いこうかー!」
彼女の家は、前に教えて貰っているし、近い事も知ってるから。
彼女と手を繋いで、共に家に行く。
着替えるのを待って、着替えが終わった後に。
ちゃんとしたお茶が飲める、健全なデートを楽しむのだった―――。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からルプランさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシロナさんが去りました。