2023/09/02 のログ
オウル > 酔っ払い達の喧騒と娼婦達が客を誘う甘い声が響く貧民地区。
少年は『ギルド』からの仕事の一つを終えた帰り道である。

姿も声もわからぬギルドマスター(の使者)よりお褒めの言葉と想定以上に少し重たい革袋を頂き、懐温かい帰り道なのだが、表情はあくまでも怠惰を装い、険しい表情の仮面を被る、そうしないと此処ではカモがハーブとオイルを背負って歩いていると思われかねないからだ。

もしバレにバレたら殴られて奪われること必至。
毒牙である程度暴れまわっても大人に叶うわけがない。
逃げるにしたってここら一帯に詳しいといったところで、相手も同じであろうし、そう想定すると不幸を装う方がいい。

『ギルド』の仲間かギルドマスターの使者って男が情報を占い限り、手馴れた演技と偽りの貌は懐が温かい事は周囲に覚らせない、筈だ。

「んー何食って帰ろうかな?」と独り言、周囲に聞こえないように独り言を零しながら、貧民地区の路地を抜けて平民地区へと歩いているこの路地は迷子は入り込んできて比較的無事に帰れるほどの安全な道なのだ。

ただ迷子や何やらが平民地区から富裕地区から入り込んでくることから、それはそれで厄介な事になる事が多々あるのだが、それに目をつぶって、足早に貧民地区を抜けることを選んだのだった……。

オウル > 全速力で走れば路地を抜けるのにそう時間は掛からない。
しかし、走ると懐の革袋は当然賑やかに音を奏でるのは間違いなく周囲にお金が歩いていますよと言わんばかりになる。
――なので歩みは亀の如く、一般人の如く、出来る限りソロリソロリと足音を消してゆっくりと……。

「しかし、アレだよな貧民地区の現状知ってんなら、ギルドで渡さないで届けてくれりゃいいのに……。」

最低限身を守る術があるとはいえ安全に越した事はない。
あとその最低限は本当に最低限で守りきれるとは言い切れない、切り札?そんなモノがあれば苦労しない。

まあ?相手が男で無ければ使える技の一つはあるが。

それでも厄介ごとに面倒ごとに遭遇しないのが一番。
誰かが困ってようが、迷子だろうが、今日は無視する絶対に絶対にだ。

あ、でも例外はあるかもしれない。
例外がない例外なんてないと誰かが言ってたのを思い出す。
何てことを考えながら歩き続ける。

路地を照らす灯りは頼りなく、今宵は月は大きく輝いていてもそれでも貧民地区の路地は薄暗い、何にせよ安全とは言い難い場所なのだ此処は。


歩いて数分、少年の姿はまだ安全と安心の残る平民地区へと消えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からオウルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にリックさんが現れました。
リック > 貧民地区に存在する安さだけが取り柄の酒場。
ガラが良いとは言えない客で混雑した酒場内のカウンターで酔えないような薄いエールを口にしてはマスターに絡む。

「だから俺は言ってやったんだ。そっちは巡回路だから向こうに行けって。
それなのにあいつは真っ直ぐに行って見回りの騎士に捕まったんだよ」

店主にそう告げてはエールを飲み干し、先払いの代金と共にお代わりを要求。
お代わりを受け取れば流し込むように飲んでは息を吐き。

「おかげで俺も巻き添えくって関係ないのに掴まりかけるしよ。
お陰で儲けもパーになったんだぞ」

巻き込まれていなければ今頃は平民地区で飲んでたと溢し。
その言葉にマスターが去っていくのを見送れば店内に目を向け。
絡めそうな空駆けそうなやつでも居ればと視線を巡らせて。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリックさんが去りました。