2023/08/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」にレナードさんが現れました。
レナード > 日も落ちたにも拘らず、蒸しっぽい暑さが残る夜。
呪われたように色々と厄日だった一日の終わりの終わりを
懐寂しい冒険者の男は、安酒の自棄呑みで色々晴らすため
貧民地区の中でも更に造りの古い目立たぬ酒場を訪れた。
バーカウンターの前の席で、刀を立て置き寂しい懐から硬貨を
カウンターの上にチャラチャラと数枚置き、経営する老マスターが用意する酒を待つ。

「――……ぁー…ったく…マジで……ぁー…。」

今日一日だけ起こったバッドラックな内容を思い返せば
山賊集団の捕縛、討伐依頼においては一名逃してしまう
ミスをかまして、報酬額は減額の上に消耗品や刀の手入れでその報酬も刹那に消えた。
仕事が終わったら今度は、以前から口説いていた
平民地区のお気に入りな酒場のお姉ちゃんとのナイトデートは
ドタキャンくらってポシャる有様。

そんな男の背にはあるいは祟りでもバーのマスターは見えたのだろうか。
出した金額よりも一回り高価な強めの蒸留酒がロックでカウンターの前に置かれた。

「――…マスターの心遣い、マジで染みるって…。」

グラスを手に取りマスターへと向かって一度掲げて乾杯と交わせば
グィとグラス傾け、一気に度数高めな琥珀色の雫を含み
香る芳醇な味わいと喉をカッと焼くかのようなアルコール感を
味わいながら、ゴクッと喉を鳴らし嚥下しグラスをカウンターへと置いた。

レナード > カウンターへと置いたグラスには、2杯目は置いた硬貨の残り額相応な酒が注がれる。
とは言え、報酬の残りも殆ど無くなった今の状況では、飲めるだけありがたい。
グラスを煽れば雑味残る安酒の味が喉を焼くような感覚。
安酒だけに回りは早くなりがちだが、今日においてはそれも中々来ない。

「――こういう時一人で宿ってのは堪えるよなぁ…。」

塒に戻っても眠れるかもわからんようなほどに凹んだ一日。
こんな時は忘れる位な一夜でそれこそ記憶でも飛ばしたいものと思うが
チラリと酒場の客のメンツを見れば、同業風な野郎共や
この辺を縄張りにしているような男共ばかり。
むさっ苦しい映像に嫌気がさしたようにまたカウンターに視線戻し
空いたグラスへマスターに催促のように
二度グラスの底をカウンターに小突いて酒のお替りを頼んでいた。

レナード > おかわりの酒も先ほどと同じ種類。
金もこれ以上は冒険者としての仕事や塒の維持に必要なラインを超える。
酒場の客層も替わる事も無く、一夜を過ごせそうな相手も見当たらない。
こういう時は泥沼に嵌る前に切り上げるに限ると
最後の一杯もグイッと一気に飲み干せば、カウンター席から立ち上がり
隣に立てかけた刀を手に取り、「ごっそうさん。」と一言
マスターへと告げた後、酒場を後に塒へと帰っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」からレナードさんが去りました。