2024/10/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」に楓花さんが現れました。
楓花 > 夜。
まるで絵本の中から飛び出してきたような風景。
さりとて異常なほどに周囲の風景に馴染んでいる、空間。
入り口には、琥珀色に輝く楓の葉が風に舞い、香ばしい秋の香りが漂っていた。
妙な程に豪華な料理店が、一つ。

(やっぱり――こういうごっこ遊びもクセになっちゃいますね♪)

楓花は季節の恵みをその場で瞬時に現実に変えた。
栗のリゾットは、落ちてきたばかりと紛うほどの新鮮な実を使用し、
クリーミーなチーズとともに絶妙なバランスで炊き上げられていた。
その見事な一皿は、まるで秋の森そのものを口に運んでいるかのような錯覚を覚えさせるだろうし…。

魚の塩焼きには、まるで時間が逆戻りしたかのように、川から飛び跳ねてきたばかりの鮮魚を使い、外はカリッと、中はふっくらと焼き上げられていた。
塩の粒は、まるで宝石のように輝き、その風味は絶品――。

とはいえ、これはちょっとしたごっこ遊び。

「いらっしゃいませ。…………こちら、今日のおすすめですよ。」

そう言って、暗がりに隠れてまだ見えぬ貴女に、
にこやかに異様な程澄み渡った紅い眼差しで人懐っこく微笑んで、
優し気にお料理でも勧めるだろう。

さて。
貴女はどうしてここにいるのか、って?
理由など、どうだっていい。

兎に角、貴女はこの店に足を踏み入れる。

単純に気になってきたのかもしれないし、
気付けばこの理不尽女に勝手に転移させられて叩き込まれていたのかもしれない、
全然関係ないところを歩いていた筈なのにここに来ることだってある。

何でも有り得る。

この理不尽女が好くお相手なら、ここに如何なる理由でも出てこれるし、
嫌というほどに歓待を受けられる。

そういう風になっている。