2024/02/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/社交パーティー」にフォグさんが現れました。
フォグ > 王城の外からでも、一際明るいのが伺えるほどの華美なパーティー会場。
あちこちにはさぞや羽振りが良いであろう顔ぶれが並ぶ。
普段、薄汚れた闇の住人である自分は最低限の身なりで現れて丸形テーブルの上に置かれた酒を嗜んでいるも、自らの場違い感に些か大人しくなってしまっていた。

「……せめて、誰なのかぐらい教えて欲しかったものだけど」

事の発端は、仕事仲間から「王城の中に面白そうなのがいるから今度のパーティーに行ってみろ」と促されたことから。
さぞかし良い商品の仕入れ先が見つかるのだろうかと期待してみたが、それらしい人物は見つからず。

運よく、例の相手にも自分の存在をあらかじめ知らせていてくれれば嬉しいが。

辺りで抱き合いながらダンスに興じる者や、ご馳走を囲って談笑する者達に聞き耳を立てつつ様子見に留まる。

ご案内:「王都マグメール 王城/社交パーティー」にアストラさんが現れました。
アストラ > その日、アストラが請けた依頼はとある貴族子息の婚約者の"代理"だった。
王城で開かれる社交パーティーだが、一部危険な組織の手の者が入り込んでいる可能性があるというタレコミがあったそうだ。
そんなところに大事な婚約者を連れてはいけないと持ち込まれた依頼。
その婚約者は嫋やかな空色の髪にオレンジ色の瞳を持ち、女として非常に美しく王城に王族の侍女として出仕している者。
その代理として、色合い的にも近い蒼銀の髪に、金色の目を持つアストラは適していた。
冒険者にしておくには惜しいとされる美貌。
豊満な乳房に細くくびれた腰、身体のラインに合わせた蒼いドレス越しでもわかる厚みと張りのある臀部。
婚約者のことを良く知る者は当人ではないと分かるだろうが、知らない者は本人だと思うだろう。

────貴族同士の挨拶回りを終えて、貴族子息に誘われてダンスをする。
ちょうど曲が切り替わる頃、二人のダンスが終わるのが男の視界にも入るかもしれない。

「────ええ、行ってらっしゃい。そろそろ引き上げるわ」

貴族子息が知人に呼ばれて離れていくタイミング。
他の令嬢たちに囲まれ、代理だとバレる前に離れる必要がある。
そうして扇子で口元を隠しながらホールから出る矢先に、隅っこの方で最低限の身形で酒を飲む男へ視線が向いた。
アストラは冒険者。ここにはそぐわない"におい"をしている人物にも、些か鼻は効く。
すぐに視線を逸らして、彼の前にレースのハンカチを落とし、ホールを出た。

(追ってくるかしら)

何かを探るような、静かな目線。聞き耳を立てる集中力。
そんな男を会場から連れ出すのは完全に仕事の範疇外ではあるけれど。
釣れたら釣れたで、その時考えればいいかと薄暗く人気のない廊下を歩いていく。

フォグ > ときどき静かに飲んでいるところへ、年齢の近しい者や大した事なさそうな者が話しかけて来る。
「付き添いですので」とやんわり返して煙に巻いたりしながらなるべく聞き耳を立てる事に集中していた。

けれども、いつまで経っても目当ての者らしき人物と接触はとれず。
彼が求める、人身売買の新規顧客が開拓できる……てっきりそんな期待をしていたのだが、
流石に簡単な話ではなかったようだ。

そろそろ帰ろうか なんて考えが頭をよぎる頃、会場内に流れていたクラシック音楽がフェードアウト。
新たな曲が始まるに伴って参加者たちは席の移動を行ったり別の参加者へ話しかけに行く。

ふと、身なりが美しく端正な顔立ちの若い貴族男性と彼にお似合いだろう若く美しい女の姿が目に留まる。
ちょうど、ダンスが終わってこれから撤収するところだろうか。
ちら と彼女たちが視界に留まれば凝視しないようすぐさま手元の酒に手を伸ばし、ぐいっと一杯。

(彼が話してたのは、”商品”の話だったのかな……?)

貴女の姿は真っ当な男性の感覚からしてみれば、誰もが見惚れて思わず目で追ってしまう程の美貌。
面白そう という言葉の真意は未だ分からない。もしくは男の仲間から聞かされた相手ですらない可能性もある。

だが、彼女ほどの逸材ともなれば冒険者ギルドやコクマー・ラジエル学院の裏バイトの斡旋ではなかなか見つからない。
量よりも質を求める顧客が相手ともなれば一人ではあるが、さぞや良い”商品”となるだろう。
そのついでに、彼女の実家へ法外な身代金を要求したり、人質として裏稼業に加担させてしまうのも手だ。

男の決意が決まれば、貴女にコンタクトを取ろうと試みるが、奇しくも己の前にハンカチを落として去っていく。
こんな偶然があるだろうかと、怪訝そうにハンカチを凝視するもまずは接触しない事には話は始まらない。
グラスをテーブルに置き、さらさらとした肌触りが心地良いレースのハンカチをシワにならないよう拾い上げれば、
早歩きで貴女の後ろ姿を追う。


「落としましたよ、美しいお嬢さん」

ホールの外で、貴女を呼び止めるのは気さくな雰囲気を漂わせる柔らかく明るい声。
とりあえず、さっさと渡すものだけ渡して本題に入ろうとするが、貴女の顔やボディラインを眺めれば思わず

「おぉぉ……」

うっかり情けない声が漏れる。
早くもズボンの内側が窮屈になりそうだ。

アストラ > 恐らく男が聞いた話は、アストラのことではないだろう。
アストラが代理をした"婚約者"か、あるいは噂を聞き付け参加をとりやめた別の誰かか。
そんな事情を知る由もなく、また彼の正体が何者かも、アストラには分別などついていない。
危険と断ずる要素は、これから知れるだろうけれど────。


こつ、こつ。
静かな廊下に響く足音が二つになる。
月明かりとほのかな間接照明だけが照らしている薄暗い廊下。
男の歩幅であれば追いつくのは容易だっただろう、掛けられた声に振り向いた。
ホールの喧騒は少し遠くだがまだ聞こえてくる程度。
仮に声を上げたとしても、此方の声は楽器の音色と談笑する声に阻まれよう距離。
振り向いたアストラが見たのは、平均的身長を持つ男の姿。
血のように赤い髪を撫でつけ、つり上がった野性的な瞳に、褐色の肌。
暗いスーツに身をつつむその姿に、アストラは口元を隠したまま、にこりと目元で微笑む。

「まあ、親切な方。どうもありがとうございます。
 失礼ですが、どこかでお会いしたことはありましたでしょうか?」

あまり慣れているわけではないが、貴族らしい遠まわし的な「あなたはどなた?」を尋ねつつも、わりと素直に体のラインを見て、声を漏らす様子には数度目を瞬かせた。
胸元は谷間を大きく露わにして、背中もぱっくりと開いている。
くびれた腰から下もその体型が良く分かるマーメイドラインのドレス。

あら、これは案外遊べるかしら、なんてちょっと考えもした。

フォグ > 男が今接触を試みている貴女が、まさか”代理”であるなどとは露知らず―――
それでも貴女の美貌を目にすれば、本来の目的を二の次にしてでも機会を与えられたにもかかわらず見過ごすのは勿体なく感じる。
一人きりでいる貴女に他の男が向かってしまえば割り入るのも面倒だ。


いざ、貴女と対面した廊下はホールを出てそれほど遠くはない。
とはいえホール内の喧噪をかき消す程の音で気付いてもらうともなれば、爆破あるいは異形の咆哮でもなければ難しいだろう。

流石に付き添い或いは彼女の護衛がどこかにいるのではと勘繰りながらも、貴女の後ろ姿を追う。
もしも危うさを感じれば潔く撤退する腹積もりで。

「お気をつけて。政の世界で”隙だらけ”に映ってしまえば何かと不幸が襲ってきますよ?」

人相の悪さとは裏腹に、喜怒哀楽の豊かな男は柔らかな笑みを浮かべてそっと警告する。
互いに社交辞令の域を出ない、慎ましやかな笑みと当たり障りのない会話から抜け出すには と考えていた矢先、
不意に問われれば「うーん?」と首をかしげる。

「ああっと……物覚えは悪いもので。すいません思い出せないです。……お嬢さんのような美しい御方は
 一度見れば忘れる事などないはずなので、恐らくお会いするのは初めてですね?」

首をかしげながら、必死に記憶を辿る風な所作を見せて。
やっぱり記憶にないと分かれば、正直にその旨を伝え

「フォグと呼んでください。今日は友人の誘いで来たのですが……置いてけぼりでして」

貴女の顔を見て話すよう努力はしているが、如何せん豊満ながらも均整のとれた完成された肉体に目が奪われる。
既に黒いズボンの股間部分は不自然に盛り上がっており、ベルトのキツさもあって男は冷や汗をかいている。
このまま、まどろっこしいやり取りを続けていればいい加減に下半身が苦しくてかなわない。

「……ところでお嬢さん。もうお戻りになられるのですか?」

こつこつと、履きなれない革靴を鳴らして貴女のすぐ目の前まで歩み寄れば、いやぁ寂しいですね と零し
不意に貴女の腰……尻に手を伸ばそうと。

「ボクはちょっとあの手の遊びは合わなかったみたいで……。」

アストラ > 「まあ、ご忠告に感謝しますわ。親切な方。
 ふふ、そう、フォグ様とおっしゃるの。私はアストラですわ。
 こういう場にはあまり慣れていないご様子…私もそうなのですけれど。
 そう、そうね。会うのが初めてなら、いいかしら」

警告に始まり、面識がない初対面であることを確認すれば、名乗るのは代理者ではなくて己の本名。
男のそれが本名か偽名かはわからないが、家名を名乗らない事態で貴族ではないだろう。
彼らは家名を誇りに思っているし、免罪符のように掲げることがしばしば。高位貴族であれば尚更だ。
そうして事情を語りながらも視線は焼きつくほどに熱く、身体へと向けられている。
いっそ清々しい程にわかりやすい肉慾を見せて、股間を滾らせているのだから、仕事はここで終わりにしていいかと判断した。
アストラが無事に帰りつこうがつくまいが、代理としての役目は果たしたのだから。
無遠慮に近づいてくる男に逃げる素振りもなく、腰を撓らせ、腕を組む素振りで豊満な乳房を持ち上げてみせる。
それだけで【アピール】としては、通ずるものがあるだろう。

「ええ。けれど少し休憩してから、と思っていたところなの。
 ──── そんなに苦しそうにしているなら、貴方も一緒に、休んで行った方がいいんじゃないかしら?」

腰に回る手を払わない。そのまま尻に伸びれば、ドレス越しにもたっぷりと肉厚な臀部の感触が、柔くも弾力をもって男の手指に伝わり、掴めば何処までも食い込みそうである。
たとえ鷲掴みにして、撫で回して、揉みしだこうと、女はそれを好きにさせるだろう。
ねえ?と言いながら、ぱちんと畳んだ扇子の先で、彼の股間をすりすりと撫でる。
素直に滾らせているその肉欲に気付いていると言うように、妖艶な笑みを口元に浮かべて、耳元に顔を寄せる。

「それとも……あなた好みの遊びでも、していかれる?」

こっそり内緒話をするように、艶めく声で囁く。
アストラはストレートに欲望を見せる相手が大好きだ。
異性であればなおさら、身体に惹かれて箍を外すなら一層好ましい。
男にその気があるなら、きっと攫うようにエスコートをしてくれるだろうと身を委ねて、二人の影はホールから更に離れていくだろう……。

フォグ > 【移動いたします】
ご案内:「王都マグメール 王城/社交パーティー」からフォグさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/社交パーティー」からアストラさんが去りました。