2023/12/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 庭園」にバランガさんが現れました。
■バランガ > 「やァれやれ…取り敢えずあ、一段落ってところやろかねえ」
数か月前に突如舞い込んだのは王族に類する人物からのそこそこ大きな依頼。
なかなかハードなスケジュールであったが、どうにかこうにか算段をつけ、納品と相成った。
とはいえ、貴人である当の依頼主に直接会えるわけではなく、従者を介してのやりとりとなるのは当然のこと。
今頃は従者が主の元へと走り、説明をしていることだろう。
その説明が無事終わることを祈りながら、男はといえば適当な庭を散策していた。
「どこを見てもまァ、見事なもんやな。まあ、王城の一角やさかい当然なんやろうが」
ぶらぶら、なんぞ面白いことでもないものか、と暇に飽いてのそぞろ歩き。
ご案内:「王都マグメール 庭園」にシルフィアさんが現れました。
■シルフィア > 人形だけで構成された歌劇団―――普段の公演は専用の劇場が定番ではあるのだけれど。
さすがに王城からの呼び出しともなると、断れるはずもない。
とはいえ、少人数ではオペラなどできるはずもなく。
選ばれたのは踊りと歌に秀でたものが数体だった。
王族へのお披露目も無事に終われば、その後は晩餐会となる。
もちろんそれは、それぞれが気に入った人形を見定め連れ出す場でもあり―――
「……おかしいですね。此処はどこなんでしょうか。」
煌びやかな晩餐会の会場の熱気に、少し火照った身体を冷まそうと庭へと出たのが間違いだった。
本人としてはまっすぐに歩いていただけだから、回れ右すれば帰りつけるはずだった。
それなのに、行けども行けども、見知らぬ風景ばかりで。
否、似たような風景だから、此処がどこだか分からなくなってしまっていて。
■バランガ > 相手は貴人だ、値切るだの交渉するだのは恐らくない。
あるのは気に入るか、気に入らないかの二者択一。
どっちに転ぶかねぇ…なんてひとりごちながら低木の合間を練り歩いていれば。
…何かぽてぽてと歩いている少女を見つけた。
ぱっと見は貴族の娘にも見えるため、ここに居ることに違和感はない。
ないのだが、所在なさげにうろうろしているのは見るからに迷子の様子。
「…おう、嬢ちゃんどないしたんや、こんなところを一人でうろついて」
遠目からのんびりと歩み寄っていけば向こうからもこちらは把握できるはず。
というか、こちらを把握したあたりで声をかけた。
近づいてみれば、幼くも見えるがその容貌ははっきりと浮き上がるくらいの美貌ではあった。
■シルフィア > 見事に手入れされた庭は、見るだけで楽しめるものではある。
けれど、今は戻らないと他の団員にも迷惑を掛けてしまうだろう。
おろおろと視線を彷徨させる様は、誰がどう見ても迷子のそれで。
「申し訳ありません。少し道に迷ってしまったようなのです。
よろしければ、晩餐会の会場への道をお教えいただけないでしょうか。」
木々の向こうに人影が見えれば、藁にも縋るとばかりに足を向ける。
向こうもこちらに気付いているらしく、声を掛けられると、まずはスカートを摘まんで一礼を返し。
普段よりも幾分落ち着いた声音で、事情を説明する。
いつものドジさ加減も、今ばかりは鳴りを潜め。一見すれば貴族の令嬢のようにも見えるかもしれない。
ただ身に纏っているのは、仕立ては良いながらもドレスではなく、ワンピースタイプの歌劇団の制服だった。
詳しいものならば、それがどこの制服なのかは知れるだろう。
■バランガ > おろおろとしたさまを見れば、もう私は迷子です、と書いてあるようなもの。
そんな姿にカハハッ、と一つ笑ってしまうのだが。
「なんや、そういうことかい。そういやァ、どっかから音曲が聞こえてきとると思うとったわ。
さて…ワシも別用でここに居るだけやさかいなあ…ま、一緒に探すくらいは出来るがよ」
スカートを摘まんでのカーテシーは貴族の令嬢風に見えなくもない。
が、よくよく見てみれば、ドレスではなくワンピースタイプの制服姿。
そして、以前付き合いで観劇に行った際に見たような覚えもあり。
「…あァ、確か…プッペンシュピール…やったか、違とったか」
首をひねりながらまじまじと少女を見下ろす。
やや幼さはあるが、それなりに膨らんだ肢体は女性であるとアピールしているようで。
顔立ちも可愛らしくあれば、ふうむ、と悪い心がむくむくと起き上ってくる。
「取り敢えずァ、音の鳴る方に歩いてってみるとするかね?」
■シルフィア > 「有難う存じます。
戻れなくて困っていたところだったので……。
はい、私どもの歌劇団をご存じいただけていたようで、光栄です。」
王城に滞在しているのだから、貴族か、そうでなくとも豪商だろう。
つまりは出資者―――将来のそれも含めれば、その可能性は限りなく高く。
そうなれば丁寧な物腰は、条件づけられたものと言え。
一緒に探してくれるという申し出にはありがたく甘えさせてもらう。
こんな時に意地を張っても仕方がないし、逆に心遣いを断れば顰蹙を買ってしまいかねない。
まじまじと見つめられると、少し居心地悪そうに身じろぎするけれども、表情にまでは出さずに。
「はい。ただ植え込みが入り組んでいて、どこをどう行けばいいのか……」
男性の言うとおり、耳を澄ませば確かに微かに楽曲の音色は聞こえる。
自分たちの出番は終わったものの、晩餐会にダンスは付き物で。
つまりは王宮付きの楽団が曲を奏でているのだろう。
その音を頼りに進もうとはすれど、色とりどりの花の生け垣に行く手を遮られ。
■バランガ > 「そうやなァ…ま、そもそも迷うように庭園ゆうのは作られとるからな。
そういう意味では、こうして行く手を遮られんのは正しいわけなんやが」
居心地悪そうに身動ぎするのも可愛らしさをアピールしているように見えるもの。
それでも表情に出さないというのは、歌劇団の来歴を考えれば良く出来てるモンだなと内心。
「ま、ボチボチ行けばええわい。なんやったら、ワシの話し相手をしとったいえば多少は言い訳になるやろ」
大体、彼女が居ない程度で何かが滞るような晩餐会は王城では行われない。
多少のトラブルなど、何事もなかったように補填されるのが常だ。
なので、共に歩いて色とりどりの花の生け垣の間を歩いている間、そっと魔術宝石を砕いて効果を発動させても問題はない。
魅了、そして発情、催淫。すぐ横を無防備に歩いているならば、次々に手持ちの宝石を懐の中で砕いて、少女の汚染していく手管。
「そういやァ、名前も名乗っとらんかったな。ワシァバランガいうもんじゃ。しがない宝石商をやっとるわい」
■シルフィア > 「そういうものなのですね。
けれど、こういう時には困ってしまいます。」
残念ながら、造園関係には明るくない。
これが植えられている植物のことならば、まだ多少なりとも分かることもあるのだけれど。
男の言葉に頷きつつも、ため息にも満たない程度の吐息を漏らし。
「そこまで甘えてしまって、よろしいんでしょうか……?」
自身を言い訳に使えばいいと、その容姿をそのままに太っ腹なことを申し出る相手
身なりと口調を考えれば、貴族と言うよりは王宮に出入りしている商人だろうか。
それなりの身分でなければ、王侯貴族を差し置いて独占していたとなれば、それがしがない人形一体であっても問題になるだろう。
そんな心配を、今度は表情に素直に浮かべて、隣を歩く相手を見上げ。
「ご丁寧にありがとうございます。
人形歌劇団「プッペンシュピール」に在籍しておりますシルフィアと申します。」
先程と同じように、爪先を揃えて軽く膝を折る。
けれど普段なら難なくできるはずのカーテシーなのに、バランスを崩しかけ。
まるで眩暈のようにふらりと身体が傾ぎ、足をもつれさせ。
■バランガ > 「王城の中やさかいな、よく知らへん奴では目的地にすぐ着かんようにしとるんや。
ま、本当に急いどる時は低木なんぞ薙ぎ倒していくかもしれんがなあ」
とはいえ毒性を持つ樹木や花、突き進めば絡みつく蔦系の植物とバラエティに富んだ植物の群れ。
良くも悪くもこの国の王族という存在を嫌でも感じさせる厭らしさで。
「なあに、ほんまにシルフィアが居らんとアカンのやったら、そもそもこないに迷子になってへんで。
監視するもんが居って、迷い出んようにしとるやろうしな」
迷子になってしまったことが問題ならば、それは迷子にならせた側の責任となるだろうよ、と笑う。
まあ、いざとなれば、今回の取引を使って取り成しを頼むことになるかもしれないが。
「おうおう、以前一度見に行ったことがあるわ。シルフィアを見たかは覚えてへんかったが…っとと、大丈夫かい?」
バランスを崩しかけた少女に手を伸ばし支えてやり、そのまま手を回したまま歩みを再開する。
男の手はちょうどシルフィアの尻肉のあたりに触れていて、まるでそれが当然のように偶然を装い揉む形。
ゆっくりゆっくり、わざと目的地に辿り着かないように歩いて、その間延々と魔術の効力下にシルフィアを置き続けて。
■シルフィア > 「こんな綺麗な花木を薙ぎ倒していくだなんて、余程の事態でもなければ無理ですね。」
入り組んだ通路のせいで、目的地に近づいているのかどうかは、よく分からない。
けれどもひとりではないおかげで幾分気は楽だと言える。
宝石商の言うとおり、もしも何かあるのであれば、庭へと出ることも難しかっただろうから。
そんな会話に興じていたのだけれど、先程から何故だか足元が覚束ない。
それは頭を下げた際にふらついてしまうほどで。
「も、申し訳ありま……ひゃぅ……んっ……」
小柄とはいえ、やはりそこは男性らしく。
ふらついた身体を受け止めても、びくともしない。
謝罪を口にしかけたところで、不意にその手がお尻に触れると、ピリッと甘い痺れが走り。
「んっ……私は、その……歌ばかりで……役どころは貰えないので……」
男の手が離れない。
お尻を撫でまわされる度に、ぞわぞわともどかしい感覚が広がってくる。
まともに歩けなくなって、支えられるままに、足取りが遅々としたものになってしまう。
「そ、そこ……撫でられると、ふわふわ、して……やぅ……」
先程までの令嬢めいた澄ました装いはどこへやら。
恥じらいに上気した表情で、視線を左右へと泳がせる。
自身の身体の変化は理解できるものの、その理由が理解できない。
ただ、これ以上撫でられると、おかしくなってしまいそうなのだけは明確で。
■バランガ > 迷宮のように造成された庭は、散策する目的なら十分楽しいものだろうが、今回は目的が別。
実際に目的地に近づいているかといえば、近づいていないというのが実情。
巧みな会話を織り交ぜながら、魔術の効果にしっかりと浸してやれば、どうやら大分効いてきた様子が見て取れて。
「構へん構へん、ちょっと疲れてしもうたんやろ。
ほお…歌の方がシルフィアは得意っちゅうわけやな、今度足を運ぶ時はシルフィアに注目してみるわい」
なんて風に笑って見せる、が、当然手は離れない。
ゆっくりと撫でまわす指先はしっかりとシルフィアの性感を昂らせるように作用させていく。
そうしていればあっという間に足取りは重く、何ならほぼ支えてるに等しい状態で。
「ふうむ…ちょいと疲れてきとるんかもしれへんなァ…。
ちょうどええところに離宮があるさかい、ちいとばかし休んでから戻ろか」
そう告げたならば、シルフィアの言葉はそれとなく無視。
おかしくなってしまいそうな子をおかしくするように撫でまわしながら連れ込んでいく心算で。
■シルフィア > 「注目されるのは……少し苦手で……んっ、ふぁ……はぁっ……」
先程からほとんど進んではいない。
それどころか、ややもすれば太ももに雫が伝って落ちていく。
幸いスカートの陰に隠れて見えはしないだろうけれど、もじもじとお尻を揺らしてしまい。
「はぁ……んっ、離宮……ですか? あっ、ふぁ……」
お尻を揺らした際に、自分から男の手に擦りつけるような格好になってしまう。
ダメだと思うのに、腰の動きが止まらない。
恥ずかしそうにしながら、男の手の動きに合わせてお尻を揺らし。
「バランガさん……あっ、んぅ……少し、休んだら……ふぁ……」
辛うじてまだ冷静な思考が、辺りの視線を気にして声を抑える。
ただ、そうと努めてはいても、甘いソプラノが辺りに漏れ響き。
男の身体にしがみつくようにして、ゆっくりとその離宮へと二人の影が消えていき。
ご案内:「王都マグメール 庭園」からシルフィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 庭園」からバランガさんが去りました。