2023/10/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城・監禁部屋」にシャーロットさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城・監禁部屋」にローナさんが現れました。
■シャーロット >
───それは思わぬ出来事
少女にとっては別段、初めてというわけでもない
強引に、自身を手籠めにしようとする王族…貴族…あるいは、大臣
半ば無理矢理、抵抗しないのを良いことに貴賓室へと連れて来られ、そして鍵をかけられて…
……また同じ、私という形と立場と…身体だけ欲するだけの悪意に晒される
もう、そういう運命なのかもしれないと思い始めていた───
だから、その人が現れたのは…余りにも意外で…呆然と、ベッドの袖に座り込んで、その部屋に訪れた彼女を見ていた
……自分を助ける者なんていないと思っていたのに
■ローナ > 「姫殿下。ご無事でしょうか」
それは、護衛騎士として派遣されてから間もない日だった。
職務中。
この騒動に気付いてしまったのが運の尽き。
「退路を用意しております。立てますか?」
あまりにもおざなりだった。きっと、子飼が多かったのだろう。
もしかすると、こうして助ける者がいるなんて思っていなかったのかもしれない。
いいや、自分にまで根回しが届いていなかっただけだろう。
なんてタイミングが悪く、"勿体ない"。
「姫殿下?」
しかし、まだ何ももらっていないなら、職務をこなした方が今後に都合がいい。だから。
「大丈夫ですか?」
■シャーロット >
「───あ…」
よく耳を澄まさなければいけないくらい、か細く、小さな声…
「あり、がとう…ございます…」
見たことのない顔…
王城の兵士…とかでは、なさそうな…
そんな彼女に、お礼の言葉と…小さく、頭を下げて
「だいじょうぶ…まだ、何もされていません…から」
ぼそぼそと小さく呟くように…長い睫毛の目立つ大きな眼を伏せ眼がちに、答える…
■ローナ >
「そうですか」
聞きにくい、が。
柔らかくほほえみ、安心したように口にする。
「それは良かった」
されたあとであれば、ここから退くときに面倒であったかもしれない。
いろいろな手間が省けたことに、安堵する。
また、自分の行いが、無駄じゃなかったことにも。
もし無駄であったなら、帰ったあとの鬱憤晴らしに悩んでいたところだ。
「ゆっくりで構いません。姫殿下の速度で」
お手をと、手を差し伸べる。
急ぐことは強制せず。
「行けますか?」
外に出れるならと。
■シャーロット >
差し伸べられる手…
その手を、王女がとることはなかった
顔を伏せ、小さく首を振って…
「あの…」
「助けに来てくださった、ことは…ありがたい、のですが……」
顔をあげ、美しいと評して違わぬ女性騎士の顔を、見上げる
「その…」
「勝手に部屋から出ると……怒られてしまう、かも…しれませんので…」
───何を言っているのか、まともな人間が聞けばそう思うだろう言葉を呟く
自らの意志で、此処へ自分を連れ込んだ人間に反目する
その勇気がない、それを行う意志が少女にはなかった
ただただ、申し訳なさそうに、そう言葉を伝えて
ごめんなさい、と謝っていた
■ローナ >
(めんどくせー……)
心のなかで思った。
あぁ、そういうタイプ、と。
なら、方向性を変えないといけない。
帰ってから、ストレス発散なにでするか。玩具を呼び出さないといけないなと思いつつ。
「では、失礼しますね」
微笑んで、抱き上げた。
こういうタイプは、こっち側から引っ張らないといけない。
なんといっても、ここまでの時間が無駄になるのがこの騎士にとっては我慢ならなかった。
なにせ、これではいそうですか、と帰れば自分の評価が下がってしまうことも、あるかもしれないゆえに。
「バツは後ほど、如何ようにでも。では参りますよ?」
駆け出そうと、ぐっと足に力を込めた。
■シャーロット >
そう、自らの意志で…は、怖くてできない
だから、無理矢理に連れ出してもらえたら…と
心の奥でそう思っていた、だから……
「…あ、っ」
ふわりと身体が抱き上げられ…眼を丸くする
これまで心に抱いた希望なんて何一つ叶ったこともなかったのに
突然現れたこの女性騎士は、一瞬で自分の願いを叶えて見せた
「罰、だなんて、そんな──」
騎士が駆け出し、姫の小さな声は風に置き去りにされる──
■ローナ >
「なにかおっしゃいましたか?」
一歩、二歩。
とーんとーんっと、地面から跳ぶように廊下を駆ける。
今日の配置はよく知っている。
故に、人から見つからない道を選びながら急ぐことにする。
「ご自身の部屋に戻っても? それとも別な場所がありますか? 戻ったほうが危険とかは?」
声がか細いのはさっきからよく分かるから。
耳を姫殿下の口に寄せながら、聞き漏らさないようにしつつ。
速度を保って走るとする。
■シャーロット >
「い、いえ…なんでも…っ」
王城を疾走する彼女
こんな速度で走ったこともない王女にとっては、流れる景色が新しいものにすら見える…
不思議と人とすれ違わないのは、彼女が巧みにルートを選択しているせい、なのだが
シャーロットにはそんな彼女の采配はわかるわけもなく…妙に人がいないな…くらいに思ってしまっていた
「で、ではテラス近くの貴賓室に…」
普段、来賓と会う時などに使う部屋…
自室は、なんだか待ち伏せられているような気もして…そちらに向かってもらうよう、小声で促して
■ローナ >
「畏まりました」
頷いて。
「では、より急ぎます。舌を噛まぬように」
あぁ、早く退勤にならないかと思いつつ。
面倒事を片付けてしまいたいから、急ぐことにする。
しかして、顔に出さぬよう、微笑みかけて。
――そして、着いた、貴賓室前。
「到着いたしました」
降ろし、貴賓室の扉を開き、中に促した。
■シャーロット >
「……あ…ありがとう、ございまし、た…」
ふぅ、ふぅ…と
どきどきしている胸に手をあて、貴賓室へと踏み入る
客員を持て成すための部屋、豪華な家具に大きな天蓋つきの寝台…
見慣れた部屋の、大きな椅子によたよたと歩いて、腰掛けて…呼吸を落ち着ける
「助けていただいて、ありがとうございました…」
あいも変わらず伏し目がち、俯いたままに、言葉を呟く…
「あの、お名前を伺っても…?
私はシャーロット…と、申します」
自分なんかが、という気持ちが湧き上がり、王家の名を語ることはせず…名だけを伝えた
■ローナ >
「ローナ・シデクと申します」
入口付近で、近づきすぎないように、ぺこりとお辞儀。
「なにかご用命があれば、物を運んだりいたしますが、いかが致しましょう、シャーロット様」
■シャーロット >
「そ、そんな、とんでもない……。
ローナ様も、お仕事が御座います…でしょう…?
私なんかのために、無駄な時間を使わせるわけには…」
わたわた、と慌てる…
見るからに、そしてその所作も見ても…
この人は自分と違って、有能な力を持っている人
そんな人の時間を専有するなんて、申し訳がなさすぎる、と…
そんな価値は、名ばかりの王女の自分にはないのだと
「連れ出していただけただけで十分です…どうぞ、ご自分のお仕事に戻られてください…。
…あっ、でも……」
そうだ、と気づく
曲がりなりにも王女を助けた、という人間に言葉ばかりの礼では…
何か、持たせてあげられるものはないかと思案するも…
「…ごめんなさい。何か、お礼を差し上げたいのですが…
血統ばかりの王女、なもので……」
手指に嵌めた指輪…頭を飾る髪飾り…
どれも高級なものではある…それらならば、渡しても構わないかな…と思うものの
どこにやったかと侍女に詰められるのも、それはそれで…こわい
■ローナ >
「いえ、護衛騎士ですから。これが仕事です」
何を言ってるのやら。
まぁ、自分のことを知らないだろうから、そう付け足す。
こういうタイプは怒るのは良くない。
プライベートなら、こんなふうに付き合うこともしないが今は職務中だ。
「お礼というのも、騎士として職務を全うしただけのこと。お気になさることはございません」
厳つい先輩や、上司であればなにをふやけた顔をしているといわれるだろうが。
眼の前のタイプには微笑みかけるのが一番だから、優しく笑うこととする。
■シャーロット >
「護衛…騎士……。
で、でも…貴方は私に仕えているわけ、では…」
なのに、どうして、と
いや、そういう騎士様もいるのかもしれない…
お礼も、いらないという
無欲、といっていいのか…この国ではあまり見ることもない…
優しく微笑む彼女を、まるで絵本の中に登場する騎士のようにすら、思えて…
「…貴方のような騎士が、私にもいたら……このようなこともないのでしょうね…」
しかし、彼女は自分の騎士…ではない
今日はたまたま…彼女が私を見かけたから、助けてくれた…それだけ
自分にしては珍しく、運が良かったのだと…再び顔を伏せてしまう
■ローナ >
「失礼ですがお抱えの騎士はいないのですか」
話を聞いている限りでは、そのように感じる。
まぁ、お抱えがいたのであればここに自分以外もいるかなど思い、まぁ、そんなものかと。
「ではお抱えの専属騎士を持たれてはいかがでしょうか。私でもいいのですよ」
売り込みはしておくに越したことはない。が、まぁ、このままの流れで指名する、なんてことはないだろう。
そんなに意志が強いようには思えないし。
「いえ、不敬な発言でした」
■シャーロット >
「…いませんよ。私は、血にしか価値のない王女ですから…」
それどころか、侍女にすら存在を疎まれていた
やれ、一緒にいると気が沈む、だの、陰気くさい、だの…
嫌味ももう言われ慣れているくらい
だから、独りのほうがいくらか気分が楽である、として
護衛も…頼めばつけてもらえるのだろうけれど、一人で城内などと散歩することも多かった
そうなると当然…悪い虫は寄ってくる…今日のようなことも…珍しくくはなかった
「…ローナ様が…? そ、それは…その……そうだったらいいな、とは、私も思いました、けど……」
もじもじと言葉を濁す
嬉しい申し出である、が…勝手に決めていいものか…侍女達に怒られるのでは…と気が沈む
「そんなことは、ないです…大変嬉しい申し出です…。
ただ…貴方の望む報酬が与えられるかどうか……すいません、名ばかりの王女で…」
ことあるごとに、頭を下げていた
■ローナ >
「いえ。身分を弁えずの発言でしたので」
頭を下げる必要はないと、首を横に振る。
「では、姫殿下からの命を心待ちにするとしましょう。護衛騎士ですから、当面、姫殿下の身の回りは、職務中、管轄ですから」
頭を下げられると、いやなんともまぁ、面倒な王女だと思う。
専属に指名されてしまえば、もうこれは大変、この表面を保てないだろうとも。
「なにも命がなければ、下がりますが。本当に、よろしいですか?」
顔を上げて、じぃっと見つめることにする。
それでも何もなければ下がるとしよう。
こういった手合は、本当に言いたいことがあれば、こう見つめると言うし、言わないパターンは顔を背けるからだ。