2023/09/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/空中庭園」にファルスィークさんが現れました。
ファルスィーク > 一般開放されている空中庭園にて、見渡せる街並みは平時と然程も変わらない。
が…城から感じ取れる濃魔力は、多少魔術の心得がある初心者にでも感じ取れるほど濃厚であり、敏感な者は魔力酔いでもしそうな程。
己にしてみれば日向でそよ風に吹かれるくらいの心地良さではあるが

「……さて…情報はそれなりに入ってきてはいるが、精査するにはまだ質も量が足りない。
一体、何を始めるつもりなのか」

庭園の木陰に腰を下ろして胡座をし、持参したリュートの弦を指で撫で弾きながらの独り言。
目線は一度、城の方へと向けた後、己と同じように庭園散策を楽しんでいる一般人や、警備の為に配属されているらしき衛兵、身なりの良い貴族らしい者などに目を向けつつ観察。
時折、風に乗って運ばれてくる会話、噂話などもにも耳を傾けていた。

ご案内:「王都マグメール 王城/空中庭園」にユーゴさんが現れました。
ユーゴ > 冒険者ギルドで依頼を幾つか見繕ったその帰り。
久しく足を運んで居なかった庭園へと訪れたのは気紛れでもあり、息抜きでもあった。
整えられた草花は目に楽しく、日頃身を置く喧騒や血生臭さを一時忘れられる。

「――――、」

他の客達に紛れて整えられた小路を進む内、不意、弦を震わせる音を耳が拾い上げた。
周囲へと視線を巡らせれば、少しばかり離れた場所に腰を降ろす姿が見える。
音に誘われるように進路を変えれば、緩やかな歩みで徐々に距離を削り来る姿が相手にも見えるだろうか。

ファルスィーク > 庭園の雰囲気や周囲を邪魔しない様にとの配慮はしている為か、旋律はごく自然な物であり聞く者にはリラックスさせるくらいの腕前はあり…故に旋律に気付かずに居る者が多く……言うなればカフェに流れるBGMの様な。
吟遊詩人の様に人を集める奏で方ではないので、然程、目を惹かずに目立たずにいる事もあり、諜報や観察するには丁度良い。

そうして、周囲に対してゆるりと目線を流していた所、己の方に近付いてくる者に気付き――はて?と言った感じで首を傾げるも、リュートを奏でる指の動きは止まらずに。
徐々に近付いてきているのならば、己に用でもあるのだろうと、分かり易いようにフードを被っている顔を上げて青年の方へと向けてみる。
声が届く距離であれば言葉も共にして。

「それほど遠慮しなくてもいい。
それに、その近付き方であれば逆に警戒心を読んでしまうんだが…。
私に何か用向きでもあるのだろうか」

ユーゴ > 耳に残るような華美な音色ではなく、だからこそ、今の己が耳聡く拾い上げた音。
相手との距離は少しずつ狭まり、残り数メートル、と言う所まで至った所で相手の顔が上がる。
そうして紡がれた言葉に、はつ、と双眸が瞬き、次の瞬間には、眉尻の下がった困ったような緩めた面を晒した。
敵意がない事を示すように掌を相手へと向け、己の顔横まで両手を持ち上げ。

「いや――すまない。
 綺麗な音色だったから、近くで聴かせてもらおうかと思ったのだけど……無遠慮に近付いては邪魔になるかと思って。
 却って気を削いでしまったのなら申し訳ない。」

ファルスィーク > 座している己からは見上げる形となる。
特に何かしらの敵意や害意のようなものは感じられる事も無いので、リュートの音色に誘われただけなのだろう。
己の姿を一瞥するだけの者が殆どであるなかで、珍しいものだと口元は少し上がって浮かべる笑み。

―声を掛けたことで、逆に遠慮してしまっただろうか。
両手を上げる仕草は謝罪の意も含んだものであるのようだ。

「…ふむ…ならば別段、謝る事でも無いだろう。
容姿端麗な青年か…お嬢さんの耳に止まったのであれば光栄だ」

華奢な体格に容姿や柔らかそうな声もあってか、性別が分かり辛くはある相手を見上げたまま、一度弾く手を止めて被っているフードを上げると木漏れ日が多少眩しくて少し目を細めはするが。

ユーゴ > 「そう言ってもらえて助かるよ。」

相手の気を悪くした様子が見えなければ、安堵めいた吐息が零れ落ちる。
持ち上げていた手を降ろしつつ、添えられる言葉に再び眼が瞬いた。
己の見目が性別の判断をつけ辛い類のものだとは自覚もあれば、困り顔に崩していた表情が仄かに弛む。
添えられた賛辞の言葉とて、社交辞令だとしても険を抱くものでもない。

「私はユーゴと。
 貴方の名前をお聞きしても?」

両手を下ろす流れの儘、片手を己の胸に宛てては些か儀礼的な仕草で男名と分かる通称を名乗る。
言葉を続ける折、細められた眼に気付けば所作を解いて緩い挙動でしゃがみ込み。

ファルスィーク > 身なりやどことなく優美な所作から、それなりの身分であるらしいとの判断は出来き、掛けた声に反応して微妙な表情に変化はするものの、どちらであるのかという訂正の言葉はないままであれば、両性具有であるのか……とも考えはするが、それも珍しい事もでもないか。
帯剣しているのであれば、貴族と言った所だろうと見当は付けつつ

「私はファルスだ。
……それにしてもよく気付いたものだ。
自分なりに違和感を与えず溶け込むように弾いていたつもりだったんだが」

周囲に警戒させず違和感を与えず溶け込む事は、人々の動向の観察には丁度良い為ではある。
そんな己に気付いたというのは、それなりの腕があるという事なのだろうと相手への第一印象と評価は高め。
儀礼めいた名乗りに対して、己の方は不作法となるが見上げて声をかけるだけになった。
隣へ腰を下ろしたのであれば、再びリュートの弦を緩く弾きつつ。

「……ここに居て魔力による
悪酔いしていないという事は、良い素質を持っているようだ」

ユーゴ > 「これでも耳は良い方なんだ。
 ――――さっきも言ったけど、綺麗な音だったからね。つい釣られてしまった。」

合間から覗く長耳の先を指背で軽く撫で示し、何処かおどけた様子で嘯く。
何も施されていない唯人と比べれば、素のままの性能は優に上回る。
それに、どれだけ溶け込んでいたとしても、彼の奏でる音は、自然には無い音色だ。
日頃、ギルドの依頼を受けて外で動き回っているお陰で拾い上げられたのだろう。
明確な拒絶の反応が見えないのを良い事に、側へと腰を据えては再び響き始める音へと耳を傾けつ、

「そう言う君もでしょう?」

次いだ台詞には、片眉を持ち上げ、肩を竦めて見せる。
見た所、相手が自身で口にした状態になっている様子は無い。
己にとって、魔力は力の源であり、生命にも近しい。
無論、器を越えて過剰に受け取れば彼の言う悪酔いもしかねなくはないのだが。

ファルスィーク > 「…成程。エルフの血か。納得した。
そう言ってもらえるのは嬉しいな。
耳障りな音程、嫌悪感から逆に注意を引いてしまう。
それなりに修練はしたおかげでいい獲物が釣れたのは喜ばしい」

元より人より優れた妖精種の耳の良さを示されれば、言葉通りに納得したように頷きを見せた。
暇を持て余している身であれば、修練をする時間も人よりはある為、手慰みも兼ねて続けていれば、気付いた時にはそれなりの腕にはなっており…折角の腕ならば活かした方が良い。
そして、時折…相手の様な者も釣れたりするのは事実でもあった。
何かの曲を奏でるというよりは、指の動きに任せての即興。
言葉を交わすので音は多少抑えめにしつつ。

「さて……どう答えるべきか。
魔力の質は悪くはない。が…以前には感じなかった量なので気にはなっている」

少し笑いつつ素性もまだ分からぬ為に突っ込んだ内容は避けつつ交わす言葉。
妖精種の血が入っているのならば、素質の良さも理解はできるし、ごく自然な一部でもあるようだ。
その感覚は己にも近しいものではあったので同意し、周囲に向けていた眼は相手へと向けられる。

ユーゴ > 「良き獲物でいられるよう、耳も鍛えておくことにするよ。」

実際、己の感覚が鈍ければ、空気に馴染む音色には気付けなかっただろう。
改めて耳を傾けてみれば、他者へと語り聴かせる事を生業としている、と言われた所で遜色のない音律のように思う。
指につま弾かれる弦に心地良いさ気に眼を細めたのも束の間。

「――ああ、成程。
 いつの間にかこの量――――だものねえ……。」

得心がいったとばかりに呟きが落ちる。
城へと満ちる魔力は、ある日爆発的に増えた、と言う訳ではない。
それに、暫く前から冒険者ギルドへと張り出されていた、王都からの依頼書。
己は手を出していなかったが、近しい時期だったろうか――など、思考を巡らせ。

ファルスィーク > 「その方が良いのかもしれないな。
いずれは君の身を助ける手段となるかもしれない」

鋭敏な感覚はその機会を存分に発揮してくれることになる。
まして、それを鍛えるのならば、充分な武器とも防具ともなり得るので、研鑽しないのは勿体無いとの言葉。
お互い静かな口調であれば、周囲に聞き取られる事も無いのだが、秀麗な相手の容姿は人目を集めるらしく、何人かがこちらへ視線を向けるようにはなりつつ。

「……何かを始めようとしているのは確かなんだろう。
どうやら、隠蔽する気もあまりない様でもある。
…ここまでの質と量をどうやって集めているのか……興味は色々とあるのだが」

耳に入る情報も様々である為に、己が目で確認しておきたいという事もあり、度々王都を訪れてはこうして見聞してはいるのだが、王城の中に潜入した方が一番手っ取り早いかもしれないとも考えてはいた。
相手の方はと言えば、あまり関心は無さげな反応ではあり…何やら思案している様子を眺めれば、悪戯心にリュートを奏でたまま不意に身体を傾げて顔を覗き込むようにして―――軽く口付けでもしてみようか。

ユーゴ > 「ご訓示痛み入る。」

元は、彼のつま弾く音色を逃さぬ為に、と言った意味合いを添えての台詞ではあったが、事実、鋭い五感は戦場に置いて重要な物。
再び己の胸元へと五指を揃えた右手を添え、少しばかり仰々しい仕草で頭を浅く傾けて。
遠巻きに受ける疎らな視線には気付くものの、それの矛先が己とは思っておらぬのは、己より、余程目を惹くように感じられる相手が傍らに居るからで。

「情報の統制もそうだけれど、ここまで漏れているものなあ――――、」

冒険者業などやっていれば、信ぴょう性のある”風の噂”などは幾らでも耳に入る。
加えて、冒険者をやっていたとしても、貴族家の端くれではある。
思考を巡らせながら紡ぐ内は、如何したって気もそぞろ。
目の前へと躍り出る相手の上肢に気付いた時には、柔い感触が触れていた。
短い瞬きを数度繰り返し、反射めく動きで顎先が後ろへと逃げ。

ファルスィーク > 「腰の剣は飾りではないだろう。
であれば、相応の場所に赴く事もありそうだ。
加えて容姿も良ければ難儀な事も多いだろうからな」

礼儀正しいのか、儀礼的な会釈は謝意を伝える為であるのだろう。
それが一々、様になっていて嫌味を感じさせなければ、舞踏会などでもあれば壁の華となった事など一度も無さそうだとも。
一度人目を惹いてしまえば、それに気付いた他の者達もこちらへ目線を向ける様になり……一種の隠形にも近い形であったが、すっかり破られてしまえば軽く肩を竦ませ。

「形振り構っていられなくなったのか…もしくは、隠蔽する気は端からないのか……まさか、指揮官が無能という事はないだろう。
……やれやれ、随分と見つかってしまった。
この責任は君に取ってもらうとしよう」

この規模の魔力の意味する所。
さて、何であろうか。と少々楽し気な口調に変化しつつも、これ以上目立つのはよろしくはない。
――不意打ちとしての口付けは、唇の触感がよく分かる程には密着し……逃げた相手の顔はまだ間近にある為にじっと瞳を捉えた。
そして、その原因となったであろう相手にその責任を向け、ゆるりと立ち上がれば相手に刺し伸ばす手。
その手を取るのであれば、空中庭園から城の方へと連れて行かれる事になるが――。

ご案内:「王都マグメール 王城/空中庭園」からファルスィークさんが去りました。
ユーゴ > 「そこはコツがあってね。
 君が思うより、難儀でもないよ。」

母親に似た顔立ちを過度に卑下はせず。
然し、筋骨隆々の父親や兄らと並べば、相手が想像するのとは別の方向で目立つことは多々ある。
とは言え、そんな華々しい場所にも、暫く顔を出してはいないのだが――。

城へと満ちる魔力や、王都から出されていた依頼に風の噂。
巡らせていた思考が留まって、一瞬の空白を生み、相手の紡ぐ言葉が流れていく。
軽い驚きから戻った頃には、眉尻が垂れていた。

「……ファルス、訂正しなかった私が悪いのだけど――――うん?」

喋れば呼気が唇を撫でる距離。
向けられる視線を、何処となく居心地悪そうに受け止めながら、悪気はなかった、と伝えるべく、最初と同じように両手を上げて。
然し、続けられた言葉に間の抜けた音が零れ落ちる。

責任――とは。

思うも、彼へと声を掛け、音律を響かせるのを滞らせてしまった自覚もあれば強くは返せず、小さな溜息混じりに手を降ろした。
片手は差し出された相手の手の方へ。
それを支えに立ち上がれば、相手の行く先へと共になって向かって行くことになる――。

ご案内:「王都マグメール 王城/空中庭園」からユーゴさんが去りました。