2023/07/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2 稽古場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ >
王城 早朝時刻
天候 晴れ
湿気りを失った今の時期
晴れている熱は肌にジリッと熱をもたらすものの、湿度がないせいか水気を感じない空気はカラリとしている
それは不快指数を極端に下げており、蒸すような感覚を減らしてくれているのがわかる。
土の上であってもそれは同様 しかし森林の中に入りこめばむせ返る森の吐息を感じるだろうと予想できた。
そんな王城での稽古
早朝の太陽が高まっていない時間は感じる日差しがそれほどまだ強くはない。
集まっているアスピダやタナール ハテグに赴いていない兵はいろいろな兵がいる。
心身を鍛える若い兵 衰えが訪れるのを遅らせるベテラン兵 メイラのような赴いていない間
錆びを与えるわけにはいかないと望む兵
様々だろう中、もやしのような文系の貴族少年や鍛えがいの無い、やる気のない不良貴族らは放置されていく。
メイラも同様だった
その目は愚図らを何も映していないようで、汗にまみれながら両腕を振って走り込みに臨んでいる。
若い兵らは周回遅れは居て当然 下積みが浅いほどその差は広がっていく
見込みのある芯から違う者が生き残っていけば、見出されて育てる度合いも違っていくだろう。
「―――ふ―――ふっ―――」
重い鎧も、剣もない
身は鎧を身に着ける為のパンツスタイル一式のみ
通常装備用の衣ながらメイラの生地はいつも通り黒く、一人だけ色が浮いて見える。
汗に塗れ、王城外側に設けられた走り込み用のランを駆ける。
鼻筋 顎の先 垂れていく汗は地面にすぐに吸われ、そして乾いていく。
剣を振り回す腕 場を進行する脚 動けば動くほど、無呼吸を浅くする肺
全て 全て強くならなければ駆け抜けてきた日は全て崩れる。
毎日が全てを賭けて挑むような、危険地帯にばかり赴くメイラの感情
アスピダに行かない分だけ、体の鈍りを取り戻すための稽古場への参加は日常的。
ご案内:「王都マグメール 王城2 稽古場」にコルボさんが現れました。
■コルボ > 「お疲れ様です大将殿~」
あろうことか怪力令嬢、王なき玉座に忠義を誓う狂人に対し、
どこか滑稽めいた声色で声をかけながら並走する一兵卒の出で立ち。
兜を目深にかぶり、バイザーを下ろす。
装備は軽装ながら随所に金属製の部品を取り付けたそれなりの重量。
そして腰には左右にクロスボウとメイス。
端から見れば分不相応、命知らずの一兵卒が尻尾を振って令嬢に取り入ろうとしているように見えるだろうか。
……だが、走る度に振れる不安定な重りを左右に一つずつ、そして目深にかぶった兜は
極端に視界を崩して平坦に走ることさえおぼつかぬもので。
そのいでたちで、男は脇を締めた姿勢を崩すことなく、狂人に追いつき肩を並べて。
……貴方から見れば、スカウトを通り越したトリックスターの挙動の根源、
人を馬鹿にする振舞いの影でしっかりと体幹と持久力を鍛えていることが
俯瞰した視野とつぶさにことごとくを見据える視野は見抜くだろうか。
「アスピダやべーかも。最近まで野に伏してた頭角共が動きを見せてきてる。」
端的にそう告げる。それだけではただ令嬢のいら立ちを募らせるだけであろうが、
男は構わず走り続けて。
「お嬢のいう通り、早々に動けば楽に落せたかもしんねーのにな」
■メイラ・ダンタリオ >
汗の染み込んだ黒衣
それはきっと長い髪にも伝達する。
汗を滴らせ、白い歯からは息が漏れる。
真っ直ぐ平坦どころか、膨らんだ道筋 坂も交えるそれは当たり前の路
どこで、どの位置で刃が振られるか知れたものではい。
そんな道筋 同じペースで走りこむ者 遅れる者
中には当然、メイラより速い者もいる。
速力 脚力をメインとした伝達や速度を生かす者ら。
刃は軽く鋭く、掠めるだけで絶命させるための太い血管を透かして見る者らだ。
それに悔しいとは思わない
適材適所 重い武具を扱い、人並み以上の速度で振るいあげる。
あれらも怪物に足を踏み入れる者らであり、自身もまた怪物と呼ばれる混ざり者である。
先頭に誰かが奔っているというのは好い。
脳が、足が、そして意地が動く切っ掛けとなる。
中には中身が糞とヘドロを煮込んだような屑もいるものの、そういった者が先頭だと尚最高だ。
あんな奴に負けてたまるかと、若い意思が育つ。
笑みすら浮かべ、走りこむ傍ら、中盤を終えていたところ
メイラの足取り それは決して遅くはない。
ランニングと言えど走り込みなのだ 攻め込みながら動くようにその足取りは尚緩まない。
全力疾走ではないにしろ、だ。
―――そこに近づく軽い口どりの男
ちぐはぐな武装 重りを付けて挑む辺り周りとは一線を違える姿で話しかけてくる
周囲 視線が幾つか。 メイラに取り入ろうとする者ははっきり述べれば少ない。
認めてほしいと、喰らい付くなら別だが、これは違う。
コルボ
メイラが扱う斥候や忍びの扱いにしている一人。
横に並んで走る者は時折いるだろう 轡を並べていた者らと同じ扱い。
それが述べる言葉は、最近メイラを含めたいくつかの複数の群れ
それらがアスピダに赴かなくなった一幕に対する状況だった。
「死ねばそれまで。」
汗に塗れながら、走り続ける二人。
「生きていて 邪魔がいないから首を伸ばして、頭を覗かせる。」
隠れる必要性を感じなくなったという、ことですわね。
メイラはそう述べる。
つまり、今のアスピダで、向こう側がそれほど驚異的に感じていない。
メイラが行かないことも含め、現在のアスピダでの状況を感づかれているのだろう。
「結界も、山間部も忌々しい 何度アスピダに入らせろ病を患ったことか。」
クスクスと笑む余裕を見せて、横目で赤い瞳が覗かせるそれ
飢えている ぐつぐつに煮えるそれはいつまでも揮発しない。
乾いて底に残る残留物程度の、未練たらしいものではない
未だにたっぷりと満ちて、煮えて、飢えている。
メイラ・ダンタリオは、飢えている。
「地下全てを滅ぼしては王の為にはならないとは言えど、歯がゆいですこと。
全裸王女め わたくしをこんなにも足止めしておいて。」
アスピダに行かせなくした最も足る要因 エリシエール王女
メイラに唯一足を止めさせた女 王族数人すら斬って見せた。
王城内 拳と蹴りが飛んだことはあれど、刃を用いることがなかったメイラに
それをさせた王女だ。
「しかし、アスピダは絶対的に変化がない場所
要塞の壁を越えた染みなど、絶対に落とせるとわかっているからこそ まだ行かない。」
アスピダは内側であり、外側は脅威ではない。
そんな領域を広げるような染み あっという間に取り払える。
山脈街道に影響を及ぼすようになれば、流石に動くだろうものの、メイラはコルボの言葉に
大した意味を見出してはいなかった。
■コルボ > 端から見れば新兵の扱き。
それほどにその部隊にはいる気概あるならば、この程度の装備を己に載せたままこなして見せろと。
こちらに向けた視線の内、いくつかは気配に気づいてまた前を見るだろう。
嗚呼、またカラスが迷い込んだのだと。
部隊に属すでもない、表立って忠義を示すでもない。
しかし狂人が率いる部隊が的確に用兵を、効果的に効率的に動かし成果を上げるは、
獰猛な頭目の嗅覚にしかるべきにおいをもたらせば必ず戦果を挙げると知っているだけ。
斥候であれば給金も得よう、忍びであれば主より報奨を賜ろう。
だがそのいずれも得ていないから、そのカラスは、狂人に飼われてはいない。
そのことに意味があるから、カラスは光物を纏わせて令嬢の元へたまにこうして赴いて。
「しばらくは庭の草刈りしてたほうがいいなこりゃ」
あちらは随分と見晴らしが良く、獲物に狙いを定めるまでに至った。
だがこちらはどうだ。
いつまでも動くことは出来ないのは、大方アスピダという遠方を刺激することで
己の財産に損害が及ぶことを危惧する王侯貴族の類。だがそれすらも一端に過ぎず。
当面は、前方の獲物より後方の膿を絞り出す方が必要だろうと、
それが良策でないと思いながらもため息一つ。
「そのデカパイ王女のバック取ったり取られたりの関係になったから”頭の膿”も絞り出せたんだろうよ。」
王族の中にあって下方と言えど、貴族達から見れば王族。
手を出す術もない。が、それを令嬢が出せたのは水面下の共闘故。
それを知らず、気づくための脈も持たず、ただメイラをして
”王族を斬り殺すまでに狂った”だの”手が付けられないから誰も手が出せない”だの
喚き散らして怯えるばかりなのがなんとも、興の冷めることか。
「……こっちは思った以上に競争相手が少なくて気苦労が耐えねえがな」
これで新しく情報の仕入れ先、腹の探り合いをしながらもお互いの利害を以て双方有益なやりとりが出来るものを洗い出せると、
まるでゴミ捨て場の中に潜むお宝を探し出す算段をつけていたのだが、
それが見事に当てが外れて。
「んじゃあ、変わらず様子見でいいな。
ほんと、あっち側よりこっち側にばかり変化があって愉快な限りだよ」
アスピダも監視案件ではあるが、結局は要塞の中に完結している。
頭角を現しつつある勢力も全ては内側に。
安定している。こちらとは対照的で、羨ましい限りだと。
■メイラ・ダンタリオ >
走り込みながら、アスピダに頭角を現す者らが増えたと告げられても
メイラはそれを脅威とは見做さない。
内部に入り込んだ、最終章に至れば脅威だろう しかし、外部である未だ締まらないこの戦話
吟遊詩人だってネタに困るだろう停滞感。
強かろうが、染みを広げるのは翻した糞らと、賊でしかない。
ならば全て刃が届く 恐れも哀れみも感じない。
全部を真っ二つにするだけだとしている。
―――懸念あるとするならば、と汗滴る顔のまま横目を向け。互いは走り続けるままに。
「“クソフォス”と賊という大小の差が大きいからこそ成り立つ一群。
もし賊らが全てやばい存在になったら、染みは二度と落ちなくなるでしょうね。」
山間部都市 結界 魔導機械 クシフォス・ガウルス
これらで成り立つ賊群だから互いはまだ保てている
しかし、頭角ではなく屑と雑魚がやばくなったら嫌だなとメイラは眉を顰める。
「王族争いなんてわたくしにはまっっっったく関係ありませんのに
こんな形で邪魔をされる 忌々しいですわね。」
そう この一幕
メイラを含めるいくつかが関わるサイドストーリーの根幹は、王族争いだ。
内部の膿 行かない理由 コルボは知っている為か、完全同意の表情でくだらない内部争いに溜息。
メイラも同じくだろう 互いに走り込みも終盤になりながら、坂を下っていく。
「有益な事柄だけを残して要らないものを殺す なんて難しい。」
それがメイラが暴走していない理由だ。
未だに、このくだらない王族争いから起こっているエリシエールとの一幕
それを終幕にさせられない理由だ。
アスピダに赴かない分タナールに行きやすくなっているものの
先王以外に靡かないケダモノがそれほど邪魔にされている。
「コルボ わたくしにクソフォスと同等なクソッタレ野郎を含めて殺していい奴
殺さなくていい奴 とっとと分けなさい。
そうすれば強引にでも終わらせますわ。
アスピダで待っている女もいますし。」
そう言って、三日月の笑みを浮かべ無茶ぶりをする。
コルボに膿を見いだせなどと 王女からの指示が一つもない現状なのだ。
■コルボ > 今は所詮幕間、後に語られることもない王都の一幕。
後の世に残るはずもないカラスがその場にいる以上、吟遊詩人だって喉を潤し次の詩を復唱してる頃合いだ。
それでも、令嬢を煽る肴が耳に届いていれば、と、自分の情報の質を確かめる意味合いもあったが、
時に己よりよほど鋭い聴覚で獲物を捕らえる者の耳に入っていないのであれば、
今動き出している者は強いがそれ以外の質を持たない、と思っていいのか。
「……その点で言や、逆に差はデカくなるかもなぁ。
重めの思想掲げてる奴がいるんだとさ。賊は賊にすぎねえってのに、
国から弾かれてるからって仲良しこよしのお仲間気取りだ。
山は寒いからな、あんま温度差強くしちまうと風邪ひいちまうわ」
徒党を組んだ賊が一人の巨魁にまとめられる現状。
地の利他様々な要因が邪魔をしていてなお、それで”ようやく”成り立っている現状。
それ等が統率され、賊が兵となればあそこはまさに国となるだろうが、
現実は国となる前から思想を持ち込む輩が現れたという噂が流れる程度で。
「こういうのは季節の行事ごとだと思って腹括ったほうがいーよ。
実際お嬢もこうして汗流して足腰バッキバキにしたほうがせいせいすんだろーよ。
演劇でいやお嬢役の役者さんは今は楽屋で冷たい果実水飲んでる頃だよ。」
憂いをせめて喜劇に置き換え留飲を下げねばやってられない。
いっそ体を動かし、旨いものを食い、良い女を組み伏せたほうがいいなどと、
二人の間で発散する術をしばし口にするだろうか。
「知ってるか? 獣も人も、不思議と腐ってる奴が消えると次にカスの奴が一番カスになるんだとさ。
でも、カスでも震えあがるほどの奴が目の前にいれば自然と背筋がピン、となる。
それだけこの王都が平和過ぎてボケてるってことだよ。」
王なき玉座。それが詰まるところの腐敗の最大の要因。
人の性は変わらない。だが、誰もが知らず傅き、仰ぎ見るだけの王が再び
玉座に至れば人の心は性を上回る。
……それはともすれば、狂人の血筋にも刻み込まれているのだろうか。
遥か過去に存在した、狂人さえもこうべを垂れる王の影が。
「丁度熟れ頃が何人かいるが、今の主治医はあのデカパイ王女だろ?
鍛えた足腰で突き込みながらきちんと相談してくれよ?」
狂人に下ることなく、狂人に常に助言をするでもなく、その在るがままに振舞うを見ているのは、
その狂人という、所詮人の価値観で貼られたレッテルの下で、
人の枠を越えた見識と知覚で最適に両断していくから。
だから、今は唯一の確認事項たる王女との共闘と擦り合わせだけを口にして。
「三日後にメイドがジェラートを持ってくる。容器の下を見てくれや」
夕餉の甘味に依頼の成果を忍ばせると、それだけ告げて。
可愛がりを受けてる新兵は、地面を踏みしめ歩調を早める。
部隊の誰よりも先を走り、迷い込んだカラスに挑もうとする兵を尻目に加速して。
やがて、分かれ道へ姿が見えなくなるまで全速で走り込み、姿を眩ますだろう。
ご案内:「王都マグメール 王城2 稽古場」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2 稽古場」からコルボさんが去りました。