2024/12/05 のログ
ご案内:「王立植物園」にニュアさんが現れました。
■ニュア > それは、願ってもない依頼だった。
『公卿会議に於ける王城内での哨戒任務』──主に庭園及び植物園を持ち場としての任務であるという。
王立植物園。王城内にある国内中の稀少植物や薬草、はたまた容易に採取に赴けない魔族の国の魔花まで。
王族諸侯の健康を担う薬の原材料も栽培されている其処に、入れる者は限られている。
故に、あまりに貴重な機会に依頼を見つけるやいなや飛びついた。
貴族諸侯の集まる会合、場内警護は勿論騎士の御役目。
殊更に重要な会議であるのか、何らかに人出を割いて城外に回す人員不足なのか。
冒険者に依頼が巡ってくるなんて僥倖が珍しいのだ。故に飛びついた。直ぐさま依頼を引っぺがして飛びついた。
だがしかし。
「ナンなの!?この格好…!!!」
任務開始早々渡されたのが、───給仕服というのが、全く以て腑に落ちない。
というか依頼書にはそんな情報欠片も無かった。要するに使用人に雑じっての哨戒人員が必要であった、とそういう訳らしい。
成る程、気位の高い騎士様は使用人の真似事は矜持に反したということか。
しかし。それなら己に渡すのは男性給仕のそれであるべきで、
黒いクラシックなワンピースにひらひらのエプロンなんて──普段のローブと布の容量的には大して変わらぬとはいえ
ぶっちゃけ、不本意の極みである。
故に、無愛想な少年容貌は本日はとびきり無愛想な、されど立派な美少女として
ぶつぶつと文句を宣いつつ箒を片手に庭園哨戒に勤しんでいた。
「こうなったら薬草の一束や二束、せしめて帰らないと気が済まないよね…」
■ニュア > 任務の後、娘が首尾良く薬草をくすねられたかは定かでなく──。
ご案内:「王立植物園」からニュアさんが去りました。