2024/10/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 酷暑が過ぎ去った王都。穏やかに暮れた空が藍色から色とりどりに輝く星が散らばった墨色になって、それから白く輝く月が主役登場とばかりに東に登る。
王城には夕暮れごろから多数の馬車が載りつけていて、大広間からは音曲がそのころから今まで絶え間なく流れている。外気は今ややや冷えるくらいだが庭園へ続く扉は開け放たれ、人気と騒めきと灯りとが外気を押しやる勢いで溢れていた。
「哈(はぁ)~」
その大広間から少し離れた、脇扉から続く中庭。迷路のように植え込みが作られた場所の、中心にある噴水の傍で溜息をつく女が居る。
傍、正確に言うと噴水の堀の上にしゃがんで、頬杖を付いている。
公主の護衛として突っ立っているの飽きて、当の公主はどこぞの貴族と何処ぞの部屋にしけこんだのを確認した後。
相手の貴族次第だが、多分暫くはすることがない。下手すると今夜はもうすべきことは無い。
以前は王城の中を迷った振りをして歩き回っても観たりしたが、それにも今日は気が乗らない。
適当に庭に彷徨い出てみたが、この辺りで次に足を向ける先を失った。
(…帰っちゃおッかな)
■ホアジャオ > しゃがんでぼんやり眺めている、花を付けていないナニカの植物で作られた生垣の、向こうの向こうくらいからワルツを奏でる音と、たまに嬌声が聞こえて来る。背後からは水がさらさらと流れる音と、それを縫って響いて来る虫の音がある。
忍んできた猫とか、何だったら不審者とか居ればとか、うっすら期待していたがそんな都合の良いこともなく
せめて向うの宴に興味が持てる性格だったら良かったが、そんな性格だったらそもそもこんな所に居るわけもなく
公主がよろしくやっている間、秋の夜長をある意味しみじみと堪能している。
(…もしくは、城を一周まわって走ってこよッかな)
王城内だったら怒られるだろうが、外だったらきっと怒られない。だろう。
■ホアジャオ > 「よーッし」
その思い付きは悪くないように思えた。他に思いつくこともない。
女は勢いよく立ち上がるとその勢いでぽんと堀から飛び降りて
弾みを付けるように小さく跳ねた後、生垣の葉を揺らす勢いで駆けだした。
その夜、王城敷地内を警戒する犬が色んな声音で吠える音が度々響いたとか―――
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からホアジャオさんが去りました。