2024/07/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にピュリュさんが現れました。
ピュリュ > 王城の大広間。
笑いさざめく人々の流れ、フロアでは優雅な曲に合わせて、ダンスに興じる紳士淑女。
そんな煌びやかな光景の端の端にて、白い髪の少女がちんまりと佇んでいた。
カーテンの陰に隠れるように。
自身の主のお供として、舞踏会に付き添ってきたはいいものの、主は貴人たちとの挨拶回りや談笑という名の情報収集に余念なく、結局は呼ばれるまではぽつりと取り残されることになってしまった。
まあ、それはそれで仕方ない。
いささか耐え難いのは、自身に何もするべきことがない状態だということだった。
なにしろ、王城の催しである。これが主の館の晩餐会であればなにくれと目端を利かせてくるくると給仕や案内にと働くこともかなうのだが、勝手が違う。
ゆえに、クラシカルなメイド服のミレー族の少女は、場違いを百も承知で、隅っこにて主の挙動を見守るしかない。

──目立つことのない、壁の花。というよりも、目立ってはいけない立場なのだが。
わずかに目線とともに首を動かすと、ちりん、とちいさく奏でられる鈴の音。

「────……役割がない、というのも… なかなかに、難しいもの、です」

ぽつりと漏れる言葉は、細く小さく。
輪舞を奏でる楽団の音色に紛れる。

ピュリュ > やがて、舞踏会が終わるころ、壁際に佇む姿は消えて──
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からピュリュさんが去りました。