2024/04/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にエリザベートさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からエリザベートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 黄昏の王城」にエリザベートさんが現れました。
■エリザベート >
「ぜー、ぜー……見失ったか…」
夕暮れ時、西日差し込む朱の回廊にて。
小走りにやってきた白い装いの女が息を切らせていた。
王城内で怪しい会談をしていた王族と貴族。
以前から目星をつけており、ようやく現場を抑えたと思ったが…。
流石、勘がよく到着前に逃げられてしまった。
息を切らせているのは、ちょっと走ってあたりを探したからである。
体力はあまりない女であった
■エリザベート >
「おのれー、あやつらがダイラスから違法な交易品を買い込んでいることは確実だというに…」
もう少しで動かぬ証拠を掴み、断罪の場に立たせることが出来ただけに口惜しい。
しかし、逃げられるにしてもタイミングが鮮やかすぎたのは…。
「うむぅ…いい加減警戒されとるか。妾」
呼吸を落ち着けながら、窓の外を見やる。
赤い空が少しずつ昏い闇へと沈みゆく黄昏時。
世直しと称し、深夜などに妙な悪いことを企む者がおらぬかと目を光らせる女。
さすがに少しその行為が知られてきたのかもしれない。
なにせ、そういう技能はないのでまるで忍べてもいないし。
「しかしこの目で見ぬことにはなあ~」
窓際に肘をつき、大きく溜息。
王国に腐敗を齎す悪徳貴族、姫君を堕落させんとする者達、地下で表沙汰に出来ぬことを繰り返す王族。
そして人間のフリをして王国中枢に忍び込んでいる魔族…と。
叩けば埃のように出てくる筈の者達。
しかしすべからくしてそれらは狡猾。用意に尻尾を掴ませない。
やれやれ、と黄昏れる外の風景を見ながらもう一度大きな溜息を吐くのだ。
ご案内:「王都マグメール 黄昏の王城」にヴェルムさんが現れました。
■ヴェルム > 「夕食前の運動でしょうか、エリザベート様」
突然声を掛けてきた青年は廊下の影からコツコツとブーツの音を鳴らして姿を現す。
お互い王城内においては面識はある程度のものだろうか。
特異な部隊である第十三師団の団長を務める青年が冗談まじりに笑いかけた。
息を切らし気味の彼女が何をしようとしていたなどまるでわかっているかのように。
「もう少しだけ猶予を頂けたら助かります、あの者たちには密輸以外の罪もあるようなので…もう少しで私の間者が証拠を掴めるかと」
誰が聞き耳を立てているかもわからないのにも関わらず淡々と述べるのは、周囲の安全が確保されていると確信しているから。
そしてその言葉の意味から、先の王族と貴族が寸でで逃げ出すことができたのはこの青年の手引きによるものだと、察することもできるだろう。
それは彼女のしている腐敗を正すということとはまた違ったベクトルの目的があっての行為であることは想像に難くは無かったか。
だがこうして面と向かって接触し、大胆な提案をしてくるあたりは敵意こそ持っていないとも言えようか。
ご案内:「王都マグメール 黄昏の王城」にヴェルムさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 黄昏の王城」にヴェルムさんが現れました。
■エリザベート >
「んー?」
投げかけれらた言葉に、女は白絹のような髪を揺らし振り返る。
鏡のような白銀の瞳に収めるは、若々しき白の騎士。
おお、お主はと僅か記憶との照合の後、ぽんと手を叩く。古臭い仕草。
「師団長殿ではないか。いやー、運動などしないに限るのじゃがな…」
運動は苦手である。本当に。
それ故のデ…ふくよかな肢体であるゆえに。
と、大凡の事情を察してくれているらしい青年に、ふむむと小さく唸り…。
「そ、そうか…。まぁ密輸だけやっとるとか半端な真似はせんか。
そういうことであるならお主ら十三師団に任せるかのう…」
女は自らの手柄を立てたいわけではない。
功を急くではなく善が早った結果というもの。
「しかしそれならそれで事前に教えて欲しいものじゃ。
無駄に汗をかいてしまったぞ…」
ぷくん、と頬を膨らませ拗ねたような物言い。
ベクトルは違えど、互いの行いが国をより良きものに舵取るものならばそこに拘りはない。
だがそれとはそれとして一言だけ言いたかったのだろう。数百年生きていても大人げない女である。
ご案内:「王都マグメール 黄昏の王城」にヴェルムさんが現れました。
■ヴェルム > 「そうなのですか?てっきり鍛えていらっしゃるのかと…」
素で言ってるのか冗談を言っているのかわかりずらい反応を示して。
確かに噂だけが先行しているのであれば人知れず鍛え抜いて悪徳を罰しているとか思われてもおかしくは無さそうでもあるか。
「理解いただけて助かります、新たな情報が入り次第そちらにも共有させていただきます、そのあとはまぁ煮るなり焼くなりお任せします」
こちらとしては悪を成敗よりも有益な情報が欲しいといったところ。
彼女の理解と任せるという言質を貰えたことは王城内で活動するうえで大きい一歩だ。
内心ほっとした様子なのは落ち着いた表情からでもわかっただろう。
さすが長く生きてるだけはある…口にはできないが。
「はは、エリザベート様の動静が早いもので。
お詫びとしてお食事のお誘いなどいかがでしょう」
実際彼女の思い立ったらすぐ行動!的な活動力は気を付けていないと見失ってしまうほど。
とはいえ無駄足をさせてしまったことは事実なので、何かしらの詫びは必要だろう。
もちろん彼女にそのつもりは無いだろうが、貰ってもいいかと思えるささやかなものなら受け取ってくれるだろう…ならばタイミング的にも夕食あたりが良さそうだ。
少々ふくれっ面気味の彼女に片膝をついて手を差し伸べるいかにもな紳士のポーズで誘ってみた。
■エリザベート >
「ないない。鍛えておる王族なぞそうそうおらんわ。…多分」
でっぷり太った男も多いしふくよかな女もきっと多い。
戦場に出るものはさすがに鍛えているだろうけども。一部だろう。おそらく。
「うむ。助かる。
不穏な芽は積んでおくに越したことはないからのう。
何が温床になるかわからぬ国じゃし」
うむうむ、と頷いて言葉を返し、体ごと向き直る。
頭一つ…半?ぐらいは違う身長差。
まあ実績で師団長に昇りつめたのであるからさすがの体格である。
そんな長身が片膝をつき、手を差し伸べ食事の誘いと来たものだ。
「食事…まぁそのような時間じゃったか。
では、お言葉に甘えるとしようかの♪エスコートよろしく頼むぞヴェルム師団長殿」
そう言って手を取る。
…まじ…とその顔を見つめつつ。
「(むう…若い…そして近くで見るとマジイケメンじゃな、こいつ……)」
内心そんなことを思っていた。
■ヴェルム > (まぁ確かに…)
否定する彼女の言葉を確かめるようにちらりとその身体つきを見てみて、何となく納得した。
やっぱり鍛えぬいている王族などレアケースだ。
「お任せくださいエリザベート様、美味い店にご招待しましょう」
食事の誘いに乗ってくれるのであれば、青年の方も嬉しそうに微笑む。
彼女の方もずいぶんノリノリだったのは気のせいではなさそうだが。
ともあれ手を取り立ち上がれば、そのまま王城から外に向かうことになる。
日も落ちた富裕地区…文字通り富裕層の家族や夫婦、カップルが歩いては食事や買い物を楽しんでいるメイン通り…を通り過ぎ…
さらに進んではなんと平民地区の、それも貧民地区寄りなほうの賑やかな喧噪の商店街の方に進んでいくではないか。
やがてやがて辿り着いたのは賑やかな男女の笑い声の響く平民地区にある大衆食堂であった!
「言い忘れていましたエリザベート様、私…富裕地区の食事事情には疎く…こういうところしか来ないので」
ここまでノコノコついてくる彼女の方もアレだが、誘っておいてここまで連れてくる青年の心境も穏やかではなかった。
生粋の平民気質で上品な店など一つも知らない青年はいたく真面目かつ深刻そうな面持ちで、ここで食事しますともう確定なことを言った。
「おほんっ…えー…確かに場末の大衆食堂ではありますが、味は保証します!」
王族な彼女は面食らうかもしれないが、食堂から漂う美味そうな匂いには本能は逆らえないだろう…かも。
■エリザベート >
さてさて、エスコートされ到着した場所といえば…。
「お、おおう……」
眼を丸くするエリザベート。
それはそう、異国からこの王国に嫁いではや百数年。
王城での暮らしが板についていればこそ、ではあるが。
このようなエリアにまで橋を踏み入れたこと自体が初めて。
「大丈夫か…浮いておらんか?妾…」
ドレスを着込んでやってくる場所でないのは確かであるが。
この辺りしか知らぬというのであれば仕方ない…のだろうか。
しかし、それはそれで…。
「くふっ、第十三師団長殿ともあろうものが、十分給料は出とるじゃろ?贅沢をせぬのじゃなあ。」
さて、気取る気質ではないのか、それともこういった質素な生活が板についているのか…。
小さく笑い、面食らったものの味を保証してくれるというのなら、素直にその香ばしい匂いへと誘われる。
「妾こういうところはさっぱりじゃから注文は任せるぞ?」
一応、そう言伝ながら。