2023/12/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にエリザベートさんが現れました。
■エリザベート >
夕暮れ時の王城、まだ人の出入りも多い中…テラスから階下を覗き込む女が一人。
「~♪」
薄い笑みを浮かべた女は入場する街の冒険者や商人、往来する王族貴族に視線を配っている。
興味を引く、面白そうなものはいないか。
世話を焼けそうなものでも良いし、悩んでいそうな者を導くのも良い、逆に悪戯しがいのありそうな者でも良い。
人目を引く色男と遊ぶも良いし、無骨な冒険者を翻弄するのも面白いか。
要するに暇を潰したいだけ、そんな有閑貴族である。
──生憎その日は巡りに恵まれず、不満げに自室に帰ることになるのだったが
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からエリザベートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にレヴィアさんが現れました。
■レヴィア > 王都マグメール、王城に幾つかあるダンスホールのひとつ。
今宵も暇な貴族達が適当な名目でパーティーを開いている。
――確か何かの祝いだとかで、主役という主役はいないようで、各人が各々が好き放題に酒を飲み、料理に舌鼓を打ち、好みの異性を口説き、踊りに誘い、寝床に誘い、と、好き勝手している。
錚々たる面々である。
末端であるが王族、更には貴族に騎士までが異性漁りに精を出しており、そんなパーティーとは知らずにラジエル学院の生徒や教員、冒険者や一般の人間までもが招かれて、そんな面々の歯牙にかけられている。
その中で顔見知りがいれば助け舟をだすが、今夜は出来れば目立ちたくないんで、なるべく、そう、なるべく会場の片隅でワイングラスを傾けることに終始していた。
正直これは苦手だ。
確かに様々な種類の人間を観察できると言えば、そう。
だが誰も彼もが王族貴族の毒牙にかかるか、理由を説明されてもなお拒絶できなかった不幸を背負い、時間を過ごしているのを見て愉快とは言えない。
ラジエル学院の生徒が教員が、冒険者が市井の人間が、戸惑う姿を眺めるよりも、吸血鬼は夜空を眺めている方が好みで、その隣に一夜限りでも美女がいれば最高なのだが、それをわざわざ貴族の立場を使って、強いるのも……嫌いじゃないのだが、この空気では何とも萎えてしまう。
「……適当に抜けるか。」
吸血鬼の少年は貴族である。
このようなパーティーに誘われる事は多々あり、普段は断っているが何度も断ると、立場というものがなくなるのを理解しているので、こうして誘ってくれた貴族の顔をたてる為に顔を出している。
今は壁の花。
パーティー会場の壁に寄りかかり、毒花の咲き乱れる光景を薄く作られた高価なグラスを傾けて、コレクションに劣るがまあまあなワインを喉へと流し込んで、気を紛らわせているのだった。
喉に流れる葡萄の豊潤な香り。
――帰りたい。
暫くは顔をつなぐために媚を売り、適当な話題を合わせて会話を弾ませる。
吸血鬼も俗世に塗れればそれとなく、そんな事もできるようになるのだ。
それがいいことか悪いことかわからないが、こうして夜は更けていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からレヴィアさんが去りました。