2023/10/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」にレヴィアさんが現れました。
レヴィア > 王都マグメールの象徴とも言える王城。
誰かが何かの為に開いた品のないパーティーに貴族として招かれた吸血鬼はあまりの腐敗臭と息苦しさに、会場を抜けて夜風にあたるべくバルコニーに足を運んだ。

今宵は普段の『可愛い格好』ではなく『素』。
一応は貴族であるから良くこうしたパーティーに招かれ、時と場合によっては断る事もできず貴族としての責務を果たし、媚を売って本を売りつけて、稀には貴族のご令嬢や奥方の手の甲に口づけて、ダンスのお相手を務めて、ワインを頂く、これも仕事……仕事である。

特に此処最近は妙にパーティーに誘われる回数も多く、断り続ける事が出来ずに今夜この状況に至っているだが、何かあるのだろうか、と邪推しはするが基本的には関わるつもりは無い。

バルコニーは開放的で夜風が火照った身体には心地よい。
飲み物でも奪ってくれば良かったと後悔はするが、戻りたいとも思えない、ぽっすんっとバルコニーの手すりに背中を預けて――…一人夜空を見上げるのだった。

「良く飽きないな、何が面白くて騒ぐのだか、わからない。」

吸血鬼とニンゲンの感性?の違いなのだろうか、眉間に皺を寄せてあまり他人に見せたくない貌をしながら、独り言を零した。

今夜も月は美しい……。

レヴィア > 暫くは夜風で身体を冷やしながらお月見と洒落込む。
だけども、喉の渇きが我慢できなくなってくるとフッと唇に微笑を宿して、背中をバルコニーの手すりから離して、右腕を真っ直ぐ夜空へ、左手を右手の肘に添えて身体を伸ばす。

「よし、嫌だけど、嫌だけど、ワインもらいにいこ……。」

吸血鬼は月に向けて嗤う。
紅色の瞳を細めて、唇は月よりも細く笑みを描き、吸血鬼は嗤いながらバルコニーからパーティー会場へと足を向ける。

そこに残すが薔薇の香気。
身にまとう香りだけは少女の時と変わらない……。

ご案内:「王都マグメール 王城/バルコニー」からレヴィアさんが去りました。