2023/10/17 のログ
ご案内:「王城地下」に嬲る者さんが現れました。
嬲る者 > 王城地下。
煌びやかなマグメール王城内の暗部である。
広大な地下空間の一角にスキュラが居た。
知る人は『嬲る者』と呼ぶ個体だ。

本来、このようなものが入ることなどないはずの王城で怪物は退屈そうに彷徨っている。
巨大な触手で床の上をうろうろと。

「手ごろな遊び道具を入れてくれると聴いてたのに、話が違うじゃない。」

怪物はため息をつくと、地下内をさらにうろつく。

ご案内:「王城地下」にモモさんが現れました。
モモ > 城門をくぐってすぐにある前庭は、小規模な式典がよく催されている。
警備として冒険者が雇われるくらいの、ささやかな式典が多い。
もっと奥の中庭ともなると入れる人間は限られてくるが。
基本的に平和裏に終わる立ち仕事のわりに報酬は悪くないこの仕事の欠点は、
安全過ぎて眠くなる点だろうか。

つまるところ気が緩んでいた。
王宮の人間が纏う衣を着込んだ者に、市井の暮らしぶりについて聞きたいと持ち掛けられた時、
何も違和感を覚えなかった時点で詰み、と言えたかもしれない。
案内された部屋は、机と椅子が用意されてはいたが、まるで衛兵の詰所の取り調べ室のように、どこか寒々しかった。
心のどこかが警鐘を鳴らしていたことに気付いたのは、かなり後になってからだった。

首を傾げ乍ら座った椅子が、カチっと音をたてたと思った次の瞬間、
椅子の真下の床が二つに割れて、四角い穴が口をあけた。
椅子と一緒に、急坂のような角度のトンネルを転げ落ち、そして──

「な、あっ!?」

地下に広がる空間の天井に開いている穴のひとつから、少女は椅子と一緒に落ちてきた。
盛大な音を立てて椅子が砕け散り、床に叩きつけられた少女のほうは、頑丈なのでどこかが折れたりはしなかったが、
衝撃で全身が動かせず、口をぱくぱくさせて、必死に空気を肺に取り込んでいた。
なんて雑な仕掛けだ、と内心毒づきながら。

嬲る者 > 怪物の耳に獲物が投下された音が届く。
暇を持て余しそうになっていた怪物はすぐさま落下音と声がした方角へと駆け寄る。
蛸のような触手の怪物だが、意外にも足は速い。

まだ状況が飲み込めてないであろう少女の元に、何者かがうねる音。
そして程なくして体長3m程のスキュラの姿を視界に捉えるだろう。

「ふ~~~ん、アンタが今日の獲物ってわけ。
結構可愛いじゃない。
どうやら人間じゃなさそうだけど、関係ないわ。」

一糸纏わぬ姿の怪物は少女を見下ろしては口の端を吊り上げる。
そのまま触手を伸ばしては、いつもしているように獲物を捕まえようと。
怪物の触手を覆っている粘着質の体液には媚薬成分が含まれている。
また、怪物の膂力は普段の獲物であれば容易く押さえつけるだけのものがあった。

但し、今放り込まれた相手が無力な獲物かどうかは定かではない。

ご案内:「王城地下」からモモさんが去りました。
嬲る者 > (中断)
ご案内:「王城地下」から嬲る者さんが去りました。