2023/07/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 銀髪の男は大礼拝堂を訪れていた。
普段顔を出す、使用人や平民用の礼拝堂ではなく、王侯貴族のための場所だ。
しかし今は昼前、朝の礼拝も終わり広い空間には一人もいなかった。

「……ま、だから来たんだけどな」

男にはいくつかの顔があり、その分しがらみも多い。
ラインメタル領辺境伯シルバーブレイド家の王都名代。『ザ・タバーン』経営者兼投資家。
神殿騎士団聖騎士。――そして“味方殺し”。
上流階級には最低でも1つ、運が悪ければ2つ3つ知られている。彼等が集うこの場は男にとって鬼門といえた。
そんな男がここを訪れたのは、確かめたいことがあったからだ。

「告解室は……あれか」

通常の礼拝堂や教会ならばこじんまりとした構造物は、ここでは通常の3倍程度はあった。

ヴァン > 告解室――懺悔室ともいわれるその中を覗く。もちろん人はいない。

通常カーテンは司祭側にしかなく、信者側に遮るものはない。しかし、ここには両側にカーテンがある。
よく見れば信者側の小部屋の奥は小さなドアがあり、屈めれば通れるようになっている。その先は司祭側だ。

そして司祭側は――2・3人は楽に横たわれそうなベッドがある。何に使うかは自明といえた。

「昇華儀礼所があるってのに、まぁ……」

昇華儀礼所を使うのはほぼ全てが男だ。信者が買い手、主教が売り手となる。
この場所はおそらく信者が売り手、主教が買い手なのだろう。信者は罪を贖う、主教は赦しと称して身体を貪る。
ベッドを眺め、軽く手を滑らせてみせる。チリ一つないことがわかると、男は鼻を鳴らした。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からヴァンさんが去りました。