2025/03/10 のログ
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ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にTDさんが現れました。
TD > 「ゲームを、しないかな?」

目の前の相手にへと話し掛ける。ごとごと、と、車輪が舗装された路面を緩慢と噛んで進み続けていた。富裕地区内の定まったルートを巡っている最中の乗合馬車の中で。片方の席には簡素な衣類に袖を通した老年の黒竜が泰然と腰掛けている。つい先程に馬車の中に乗り込んで来たばかりの状況だ。馬車の中は今も馬を操っている御者を除いては客は自分と相手の二人しか居ない。

「期間は君が降りる場所までで良い。ルールは簡明。この乗合馬車は富裕地区内の一定のルートを渡り続けているのは解っているね。待合場で停車する都度に客は乗り降りして行く。その際において一番最初に馬車に乗って来る者について当ててみよう。人間か?女か?男か?年齢は?その素性は?細かく言い当てる程にレートは高くなる。そして、もしも見事当たっていた場合は、それに見合った金銭を君に譲渡しよう」

じゃら、と、場車内を照らし出している薄暗いランプも灯火の明かりを照り返して拡げる竜爪の広い掌の上に幾枚も載っている金貨貨幣の輝きが互いにこすれ合って音を鳴らした。

「だが、外れた場合は…もしくは、何処の待合場でも必ずしも乗客が居るとは限らない。賭けた上で残念ながら誰も馬車の中に客が増えなかった場合、君の敗けだ。そうだな…その場合は少しばかり君には肉体的な変化を楽しんで貰おう。ミレーの如くに尾や耳が生えて来るかも知れない。私の様に皮膚を鱗が覆う事も在るだろう。体つきの要所要所が増減し得る事も在り得る、そうなれば今着ている衣類はおろか、クロゼットの中の衣服も台無しだ」

そしてその滴るような赤い目線を今も動き続けている箱型馬車に備わっている窓の向こうにへと配った。夜を迎えている富裕地区の中に行き来する人々の姿、豪華な建物が立ち並ぶ景観。路上を行く馬車はもう少しで次の待合場にへと辿り着く。

「如何だろうか?ほんの束の間の慰みに付き合っては貰えないかな?」

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からTDさんが去りました。