2025/02/20 のログ
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ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にノア = セシルさんが現れました。
ノア = セシル > 王都マグメール、富裕地区。
高い時計塔の縁に座り、豪奢な邸宅が建ち並ぶ街並みを見下ろす。
今宵手に入れた腕輪を、夜空に浮かぶ月にかざし。
嵌め込まれた宝石の煌めきに、うっとりと目を細めて

「 …………………… っ、 」

其の美しさに思わず息を呑む。
下では未だ、盗人を捜索する衛兵達の忙しない足音が聞こえる中、誰も居ない時計塔の上で一人 夜風に髪を靡かせ。
外側に放り出した膝下を、上機嫌に揺らしていた。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 「……で、いつまでそうしてるつもりだよ」

夜の寒風の中、時計塔によじ登ってきた影が声を掛ける。
実際のところ、下から見つけた時に移動先を見定めるつもりだったが。
動かない様子に痺れを切らしてよじ登ってきたようだ。

「ひとしきり愛でたら返せよ」

頭をかきながらヤル気のなさそうな顔だが。
軽武装しているところから、今日は非番ではなさそうだ。

ノア = セシル > 精巧な細工と美しい宝石に見惚れはしていたものの、近付く人の気配に気付かない程でもなく。
懐に盗品をしまえば、時計塔の縁に立ち上がり。
さっさと姿をくらませようとしていた ── けれど、

「 …………… 仕事熱心なのね、今夜はサボったらいいのに。 」

聞き馴染みのある声に、ぴたりと脚を止める。
真正面から戦闘となれば、間違いなく敵う相手では無い。
けれど高所での追いかけっこともなれば、女にも十分勝機はあった。
言葉を返さず逃げ出せば、距離が詰まる前に逃走出来たにも関わらず…

「 今更手柄を上げなくたって、もう十分なとこにいるじゃない。 」

くるくる と指先で腕輪を回してから、貴方へ向けて放り投げる。
降参降参 と溜め息混じり、視線を月へと戻し

「 非番の日を聞いておくんだった。 」

なんて、両手を上げて呑気に背筋を伸ばした。

グスタフ > 「……一応な、忠告しとくが」

腕輪を受け取り、懐に仕舞うと。
噛み煙草を吐き捨てて、指を突き付けた。

「点数稼ぎじゃないさ」

言い放ってから、頭をかいて。難しい顔をする。

「俺はな、お前に会えて嬉しかったよ。だが……
 お前狙われてたんだぞ、姿くらましたままでいればよかったんだがな」

こっちに来いと誘導する。
とりあえず逃げ道を教えてやると誘いながら。

「……なんで盗みなんてしてるんだ?」

ノア = セシル > しまわれる腕輪を、見えなくなるまで視線で追い。
その後は 背後に立つ騎士に無警戒のまま、ぼんやりと月を見上げ。
とん と指を突き付けられると、顔だけ振り返って

「 聖騎士様直々に来られちゃ、さすがに敵わないけど…
あたしだって、あんなのには捕まらないわ。 」

下の衛兵達を指差し、悪戯な笑みを浮かべて見せた。
当初女が用意していた手段よりも随分安全そうな逃げ道を 貴方が教えてくれると言うのなら、縁から貴方の隣へと軽やかに飛び降りて

「 知り合ってから、もう随分経つのに。
今更そんなこと気になったの ? 」

と、ふんわり返答を濁した。

グスタフ > 「いろんなやつがいて犯罪を犯して。
 盗みの理由なんて、どうでもいいと思っていたが……」

時計塔の、裏道。古い魔術師が使っていた抜け道を開く。
貴族公認の抜け道。こちらで見つかっても、誰も捕まえることができない。
不可分の領域。そこを案内しながら。

「知りたいね、今更。知るのに遅いもないだろう」

手を取って、手を引いて、抱き寄せて囁いた。
胸の中に入ってきた相手を抱きしめて。

「……あいつらには捕まらないなんて、本当かなぁ」

そっと下腹部のあたりを服の上から撫でながら。

ノア = セシル > 貴方の歩調に合わせ、隣を並んで歩く。
その逃げ道は、革の鞭を用い建物の上を飛び回るような無茶も必要なく。
女にとっては拍子抜けする程、安全な抜け道だった。
こんな抜け道があったのか と、随分古そうな壁を見ていると

「 別に大した理由なんてな…… ─── っ、 」

無警戒な身体は、容易く引き寄せられ。
軽い武装を纏っている為か、いつもより硬質な感触の胸の中へ収まって

「 ………… っ、 もう… こんな埃っぽいとこイヤよ。 」

下腹部を撫でる手を、ぴしっ と軽く咎める。
こうして、時折貴方からちょっかいを出されつつ…
騎士と盗賊は、抜け道の暗闇に消えていった ───

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からノア = セシルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からグスタフさんが去りました。