2024/10/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にレフェーリアさんが現れました。
■レフェーリア > 治療師として薬草を採取した分は精製に成功したポーションその他薬剤を売りに出さなければ商売が成り立たない。
或いは普通の病院が匙を投げた相手、または普通に罹る事が出来ない相手の為に用意したり。
一応訪れた事はある富裕地区内。「普段」と比べたら随分と賑やかで整備された道を、街行く者達とは明らかに浮いた服装、浮いた格好で歩いている。
「……ッ、ふぅ……ぅ……」
ドレスコードありきの店には入れなさそうな身体のラインが際立つローブ一枚という恰好に加えて、時々に重たそうに道端で立ち止まって休んでいる。
その恰好は一際張り出した胸尻以上にぼってりと、或いは重たそうに揺れ動く腹部に加えて、胸元に染み出している母乳の染みと甘い香りが紛れも無い妊婦であるのだと周りに伝えているもの。
――もっとも、だからといって気紛れに彼女を助けたりする者の方がこの場には少ないのかもしれないが。
彼女も彼女で、商売にやって来たのだから如何に浮いていようが休み休みであったとしても重たい足取りを止める気配は無い。
富裕地区専属ではなく此処よりも色々と常識外の、掛け離れた倫理観だからこそ高値で売れる薬剤だって複数持っている場合がある。
売ろうとしているものが鞄の中に収まっているのか、それとも彼女の身体の中に既に収まっているのかは、未だ彼女のみが知る事で…。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にヴェルムさんが現れました。
■ヴェルム > 「こんにちは、大丈夫ですか?」
通りを歩く女性、彼女が一休みと足を止め天を仰ぐかしゃがみ込んで一息ついたかのタイミングで若い男性から声が掛けられる。
清廉とした佇まい、明確なまでの軍服、柔和そうだが堂々とした態度。
素人目で見ても軍人、ないし騎士と呼ばれる人種であるとわかる人にはわかるといったところか。
その男性はレフェーリアの様子を心配そうに眺めつつ、さらに話を続ける。
「もしやお約束していた治癒師の方…でしょうか?
そろそろ時間かなと思いお迎えに上がったのですが…まさか身重とは…」
どうやらこの騎士は彼女が商売の約束をしていた相手、もしくはその関係者といった様子だった。
事前に聞いていた話では軍関係であり、内部の人間に頼れず、口の堅い者で、それなりの知識を持つ者…というやや難解な注文がなされていた。
仕事内容もある人物の治療とだけしか伝えられておらず、きな臭さしか感じられないものだっただろう。
唯一はっきりとした情報としては、その仕事の依頼主は王国軍内でかなりの異色軍団である、第十三師団の師団長の名前が明確に記されているという点だった。
馬車でも用意すればよかったと苦笑する騎士は、彼女に手を差し伸べ行く先のわからぬエスコートをし始めるか。
■レフェーリア > 「あ、はい……え、あ……貴方、が……」
突然に呼び掛けられた声にも富裕層でもない限り正直言って安心は出来ないものである。
幾らでも難癖をつけて地区から追い出される事もあれば、二度と出られない事だってあり得るとはよく言ったものであったが。
優し気な声色に不安そうな表情も幾分か和らぎ、言葉に合わせて相手が今回の依頼人、またはその関係者でもあるらしい事に気が付いた。
「は、はい……レフェーリア、です……これ、は、その……お気になさらず……」
素直に相手に対して自分の名前を明かしながら、胸元と同じく自然に疼き始めてすらいる程の孕み腹を落ち着かせる様に擦ってやる。
条件と具体的な内容はほとんど語られない、といった危うさに見合った報酬の高さに何故か公然と乗せられた師団長名。
これまた偶然に街中に赴いた彼女が見付けた募集の文章。
報酬の高さに釣られたと言うよりは、好奇心の方が勝っていたのかもしれない。
「ゆっくりでも、良いんだったら……このまま、お願いします……っ……」
近寄るだけでも甘い母乳の香りを染みから溢れ出させながら、素直に手を取って相手の誘導に従おうと。
■ヴェルム > 「よろしくレフェーリア様、しかしそれを気にしないというのは…」
最初こそ不安げだったようだが、こちらの身分がはっきりすると彼女も少々安心した様子だった。
募集の不鮮明な内容からすればやや危うい橋を渡っているようなものだろうが、大人しい印象の割には好奇心の方が勝るタイプなのだろう。
身重の身体を気にしないとはさすがにならず、来ていた軍服の上着を羽織らせる。
少なくともローブ一枚で悪目立ちする恰好よりかは幾分かマシだろう。
何より騎士と共に歩いていれば、難癖をつけられるようなこともあるまい。
単純に連行されているように見られる…という可能性もあるが…。
ともあれ、仄かな甘い匂いを漂わせる妊婦を手を繋いで連れ、ゆっくりと目的地…この道の先にあるとある屋敷に向かっていく。
「お仕事の内容が不明瞭な点については謝罪せねばなりませんね、ですが内容は間違いなく治療…とある貴族の方の、お察しの通り人間ではありませんので」
何となく想像はつくだろうし、予想通りとも言えるだろう。
治療の相手はこの王国の貴族の身分を得ている人外…ということだ。
故に王国の治癒師は使えず、近隣に住む政敵にも隙を与えたくないというところか。
さらに言えば十三師団とは密な繋がりがあるからこそわざわざ師団長が治療の段取りを取り計らったともいえよう。
■レフェーリア > 「あ……ありがとう、ございます……」
僅かに見えていた周りの特異な目も、軍服が上から被せられたとなればそのまま見て見ぬ振りをする者の方が増えた様な気もする。
とは言えども、身重の身体をゆっくりと進ませる隣にさる師団長がいるというのはこれもまた興味深そうなものであったけれども。
身重の身体を自然と揺らし、胸元の染みを覆い隠したいが染みで濡らしてしまうのも、と少し手こずっている様子であったが。
「あ……や、っぱり、そうなのです、ね……」
貴族であっても人外となれば差別の誹りは免れず、富裕地区の住民であったとしても真っ当な治療を受けられない。
珍しくない話でもあり、治癒師であっても人外は断る場合もある、そんな話であるのだと改めて理解した上で足取りは止めない。
「だ、大丈夫です……その、えっと……慣れています、から……」
それでも依頼を身重の身体であっても引き受けて、改めての説明を受けても咄嗟に断る様子は無い。
相手を安心させる様に語ろうとした説明も若干詰まった所はあったが、依頼はそのまま受け入れる旨を確かに示して行きながら、
案内されるがままに屋敷の中へと招き入れられて…。