2024/05/26 のログ
ご案内:「富裕地区 ティーサロン」にベアトリスさんが現れました。
■ベアトリス > 特に予定のない休日。
官舎で過ごすのも味気なく、己に許されている範囲の自由を味わうように足を運んだ街並み。
富裕地区の一角、繁華街というほどの猥雑さはないが、それでも劇場や商業施設の立ち並ぶ区画。
街角を眺めることのできるティーサロンのテラス席。
ポットで提供された夏摘みの新茶と、ケーキがテーブルに並べられ。
深い色合いの髪を背中に流した女はとりあえず、サロンに用意されている新聞類へと目を通す。
さして面白い記事が目を楽しませてくれるわけではない。
どちらかといえば昨今の戦況や、政争のことなどが綴られているそれは己にとってもなじみが深く。
ついでに言うと仕事の延長のような気分にはなった。
───ふ、とため息をついて新聞をたたむと、元の場所に戻し。
整えられた印象を受ける通りへと目を向ける。
普段通り過ぎるばかりの街並みではあるが───
こうして時間を取って眺めるとちょっとした違いが目に留まって新鮮味が感じられる。
「────」
聞こえる喧噪も、無駄ばかりというわけではなく。
むしろ有益なことも多いとは感じる。
静かな庭園で茶を喫するのとはまた違う趣を感じながらカップを手にした。
■ベアトリス > クリームをたっぷり纏ったケーキにフォークを入れる。
柔らかなクリームの層と、生地の層を小さく切り取って口に運ぶ。
甘さと滑らかさが舌の上をすべるのをゆっくり味わいながら、濃厚なクリームの風味をお茶でのどに通す。
───柔らかな生地は咀嚼するまでもなく溶けるように消えてしまう。
お茶とともに味わう贅沢なその一瞬を飲み込んで、満足の吐息を零す。
美味しい、と言葉にはしないまでも表情や雰囲気が柔らかくなるのがその一時を快く受け入れているのが伝わるだろう。
───ソーサーの上にカップを戻して。観劇などの喧騒とは違う寛いだ空気は悪くはない。
効くともなしに耳に入る……確証のない噂話の欠片などは、そのうち仕事で役に立つこともあるだろうと胸内にとどめることにして。
■ベアトリス > ゆったりとしたティータイムを楽しんだ後は、休日の余暇を楽しむべく街の散策に向かっていったのだろう。
ご案内:「富裕地区 ティーサロン」からベアトリスさんが去りました。