2024/04/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 とある貴族屋敷の宴」にレディ・レッドさんが現れました。
■レディ・レッド >
雨の上がった翌日の晩
外側での争い事など異にも還さない貴族や、それを商売に広げる商人。
地位と金を持つ者らが富裕地区を馬車で行き来する。
とある貴族屋敷に集まった者らは、宴の広間にて思い思いの時間を過ごす。
一人で、夫婦で、友人達と。
老若男女が集う場所となる其処は 人が見れば掃きだめ 人が見れば黄金の群れ。
夫と共に顔を出したドラキュリーナは、その場所をなにも映さない。
隣にいる夫との時間だけが唯一の価値というようで、銀色の髪 尖った耳 赤い瞳
口元から時折覗く吸血歯が、ドラキュリーナを存在させ、それを手に入れた夫の価値を高めている。
最も、途中で早々に飽きた様子。
手綱は握らせていても、それを引かせる趣味はない。
帰るときにでもまた、その腕を絡めて馬車に乗り込む程度でいい。
それから足取りは外へ。
レディ・レッドは雨上がりのこの貴族の庭園
薔薇園の一角に足を延ばしている。
まだ生ぬるくはなっていない風と薔薇の香りの中で、蝶のレースが編まれたストール
それが両腕を通して背中を映しながら、バチンッとシガーカッターで斬り落とした吸い口。
ピラミデ型の尖った吸い口と、コロナサイズの時間を楽しむ長さの葉巻。
歯列で咥え、先端を焦がす燐寸の火は明るく燃え、甘ったるい紫煙を漂わせながらレッドの口内を巡ると
それは肺に行かず、飽くまで口の中。
数度吸うだけで舌に辛みを帯びそうな、濃厚な葉の味を堪能しつつまだ冷えた庭園の空気感を楽しんでいる。
「――――フゥゥゥゥゥゥゥ…、…。」
くだらない黄金の掃きだめよりも、葉巻との時間を優先する姿は傍若無人。
だが飽くまでも、夫が帰るまでの時間だ。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 とある貴族屋敷の宴」にレディ・レッドさんが現れました。