2024/02/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にフォグさんが現れました。
フォグ > 「……ふう、気持ちよかった。案外あの子も馴染んでるみたいじゃないか」

平民地区とは異なる賑わいを誇る、王国の富と娯楽が王城の中に次いで集中している富裕地区。
その街並みを、ズボンのポケットに手を突っ込みながら観光気分で歩いているのは赤髪の男。

彼が通っているのは歓楽街……中でも風俗店があちこちに立ち並ぶ異性…ときどき同性遊びに飢えた者御用達の地域。
あちこちでステキな営業スマイルの美女たちが金持ちたちを狙って呼び込みを行っている。

この街は客層が良く風俗店に勤務する娼婦たちも評判さえ良ければ待遇も良い。
表で客を呼んでいるのはいかにも男に慣れた様子の女性ばかり。

「軌道に乗ってるならボクの事も少しは許してくれればいいのになあ」

男が通った店は、彼自身が弱みにつけこみ女を”商品”として斡旋した繋がりのある娼館。
自身が娼婦として仕事を与えた女性が順調に働いているかどうか、指名して確かめて来たわけだが。

……予想はしていたが、当人からすればこんな事になるとは思ってなかったようで激しく睨まれた。
感情をむき出しに出来る程度の心身の余裕を保ててはいるみたいなのでさらっと流し、遊ぶだけ遊んだが。


「ボクだけだろうけど、あんなに愛想悪くしてちゃ今後が思いやられるかな?
 うーん、もう一軒通って気分転換しようか。また知り合いに出会っちゃったりして」

自身が仲介人として人材を何人も送り込んでいるこの街。
次に向かう娼館で出会うのは、顔見知りの経営者か。それとも自身が商材として送り込んだ娼婦か。

フォグ > 娼館が立ち並ぶ街は華やかな一方で人間の黒い欲望がどことなく渦巻いている。
性産業の仕組みを知らずとも、見ず知らずの者が『なんだか感じが悪い』と勘付く事もあるぐらいだ。

運命を弄ばれた者が、華々しいサービスの裏で大勢涙や血を流したり、時には陰で命を落としている。
貧民地区の無法地帯に比べれば、それらの暗部は表になりづらく余計にたちが悪い。

「どこも繁盛してるね。……あれ、この間ここにあったお店変わってるじゃないか。
 風俗業界も競争社会だね、大変大変」

久しぶりに顔を出してみれば、過去に通っていた店がリニューアルではなく全く別の店舗に変わっていた。
同業他店に陥れられて不正を摘発されたか、顧客の不興を買って潰されたか。

寂しいものである。とはいえ代わりがあるなら客からしてみれば痛くも痒くもないのだが。
とはいえ、あの店に送り込んだ女性が他店に流れていったのか、くいっぱぐれているのかは気になるところ。

もしも後者ならば……再利用可能ならまた何処かへ紹介しようと考えたり。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からフォグさんが去りました。