2024/01/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にアニタさんが現れました。
■アニタ > そこはとある商人が開いた、屋外の立食パーティの会場。
上流階級から平民まで、老若男女が会話に花を咲かせる中、彼らに奉仕する者として少女もその場にいた。
まあ、要するにメイドのバイトだった。
「ほ…………本日はようこそ、ぉ、おいでくださいました」
と、丁寧な礼と案内。それはいい。当然、眼帯もフードもないがそれもいい。
少女の硬い笑顔の理由はその格好にあった。ミニのメイド服。胸元もえぐい開き方をしている。
友人に代わりを頼まれ赴いた場所だったが、この衣装を渡された瞬間にはもう後悔していた。
その会場では客に勧められ、グラスに口を付けているメイドの姿もあった。
ただ、それは事前に許可どころか推奨されていることで――
お好きな薬入りのドリンクでメイドのお持ち帰り、とは一部のメイド以外、客の殆どにとって周知のこと。
……要はそう言うイベントなのだった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 以前に仕事で護衛任務を果たした商人に招かれた立食パーティ。
度々、仕事を請け負う得意先ではあるが、それだけで剛腹な商人が招待する筈もなく。
何かあった時の対処を暗に期待されての、お招きなのであろう。
その為、普段よりも多少はマシな小綺麗な衣装に身を纏いながらも、
胸の内には小型のナイフを忍ばせて、会場内に目を配らせながら練り歩く。
「まぁ、打算的はお互い様だから、タダ飯、タダ酒、タダメイドは楽しませて貰うけどな」
不審人物が居ないかを見張りながらも同時に、会場内のメイドを物色する。
この催しの会場にてメイドがどのような扱いを受けるのかは当然、周知しており、
彼も主催者のご厚意に預かろうと目当ての女を見繕う最中、ふと、見知った少女に気付き。
「ん? ……アニタ、アニタじゃないか? こんな場所で、……バイト、か?」
胸元の大きく開いたメイド服に身を包んだ、他のメイドに負けず劣らずの豊満な乳房の少女。
以前より、幾度も肉体関係を持っている相手の姿を見付ければ双眸を瞬かせながら声を掛けて。
■アニタ > 「ようこそ、お出でくださいましたぁ」
仕事をはじめ数時間。羞恥と不慣れさからぎこちなかった少女の接客も、多少はマシになってくる。
その容姿からか目を付ける者も多いのか、幾度か勧められたグラスを煽り、少し熱っぽくなった吐息をこぼしつつ――
と、励んでいると不意に覚えのある声色が耳に触れた。
ぎこちない動きで振り返れば――
「…………せ、先生!?」
彼の教師を前にぎょっと目を丸くし、慌て猫背となって胸元やらを隠しつつ。
「ど、どどうしてここに……あ、えと、はい。私は、バイトで……あっ、友達の代理ですけど」
■トーラス > 彼女に群がる男性達は、一体、どのような薬入りのドリンクを飲ませたのか。
普段とは異なり、熱っぽさを帯びた艶のある吐息を漏らす少女の姿にほくそ笑む。
露出度高めの衣装から晒された肌を隠すような相手の仕草に、口角を持ち上げ。
「何、ここの主催者と仕事関係の知り合いでな。
成る程、バイトねぇ。……確かに、アニタに似合っている格好だが……」
隠そうとすれば覗き込みたくなるのが人の業。
知り合いに見られてバツが悪いのか、慌てる様子の少女の胸元から、
短いスカートから零れ落ちる肉付きの良い太腿まで見下ろすと頬肉を綻ばせて。
「最近のアニタは、以前よりも、胸が大きくなったんじゃないか?
彼氏に揉まれた結果か? それと、……くくっ、学院が休みの間に肥えたんじゃないか?」
意地悪く笑いを漏らすと少女の傍へと近付き、零れ落ちそうな胸元を弾ませるように片手を添えて、
其の儘、布地の上に手を滑らせると腹部を柔らかく撫で、途中、ん、と小首を傾げ。
■アニタ > 「はぇ~、主催者様と……
って、これが似合ってるのなんて嬉しく……ない、ですよぉ」
ちょっと背を曲げただけでは隠し切れない、肉感的な肢体。白磁の肌。
逃げられない視線に煽られる内に、見る見る頬が赤らんでいった。
そんな中での胸への指摘に少し頬を引きつらせながら、自身の大きな胸元を確かめるように見下ろした。
「うっ……わ、分かりますか? ……そ、そんなに大きくなったかなぁ……?」
と、その隙を逃さず寄った彼にその身を触れられてしまえば、敏感に――否、純粋に驚いたように声を上げてしまう。
続けて腹を撫でられての言葉には、その目を少しばかり吊り上げて抗議するものの……自信なく声は小さくなっていく。
「ひゃっ……あ、ふ、太ってませんよ! ……たぶん、うん、きっと……」
■トーラス > 「……アニタ。メイドのバイトながら、多くの男性に声を掛けられて酒を勧められたんじゃないか?
それがどういうことか、分かるか?」
猫背になる事で、寧ろ、身長差のある己からは胸の谷間が深く覗く事ができる。
元来は着やせする質であるのか、学院内では気付かない事も多かったのだが、
私服姿やメイド姿、或いは、ベッドの上で衣服を脱がせて生まれた儘の姿にさせれば、
その豊満な乳房の大きさは以前から目を見張るものがあったが、最近は特に強調が激しく。
惜しげもなくきわどい格好で晒されれば、男性陣を虜にするのは間違いない筈で。
「このパーティはメイド持ち帰り可のパーティだ。
お前が飲まされたドリンクにも、色々と怪しげな薬が混ぜられている筈だぞ」
中には睡眠薬やらの意識を失わせるものもある筈だが、そこまでの被害はない様子。
パーティの裏事情を知り合いゆえの気安さで暴露して笑いながら、その腹を丹念にまさぐり。
「……確か、お前の目、千里眼、だったな。なぁ、アニタ、自分の胎の中を見ることはできるか?
もしかしたら、……面白いものが見れるかもしれないぞ」
■アニタ > 「あ、よくご存じですね? なんか色々、とっても高いお酒をのませてもらっちゃいました……えへへ」
素顔だからか酒や薬の効果か、普段よりもやや陽気に表情を変え、はにかむような笑顔を浮かべる少女。
猫背気味のままだが赤らんだ自らの頬に手を当てながら、ぽややっと飲んだ酒を思い出す。
――も、その笑顔が固まる。
「……え゛。ええええええー!?
じょ……冗談ですよね? いえそんな薬なんて……
そ、そう言えば何だか体は熱いし、おトイレにも行きたいし、上手く思考がまとまらないなとか……」
彼が少女を、その腹を撫でていなければその場でしゃがみ込んでいた勢いだった。
頭を抱えてから項垂れてしまう。
――そんな時、彼からの言葉に子供のように小首を傾げてから、横に振った。
「え? あぁいえ、物の……壁の中とかは真っ暗で見れないんです。
……って、面白いものって何ですか? そ、そんなに太ってますか、わたし?」
■トーラス > 「媚薬や利尿剤の類か? くくくっ、お行儀のいい事だな。
下手をすれば意識を混濁させられて、お持ち帰りの羽目に遭っていたぞ」
会場内を見回してから、丁度、足元をふらつかせるメイドが男性客に連れられて、
庭園の繁みの方へと連れ込まれていく様子を見付けると、顎をしゃくって示して見せる。
一歩間違えれば、彼女も同様の目に遭っていたかも知れず。
真面目ながらも危機管理のなっていない少女に対して、肩を竦めてあきれ顔。
尤も、教え子である少女に何度も手を出している彼が言えた台詞でもないが。
「あぁ、そうなのか……。ふむ、多分だがな。」
周囲を見回した後、聞き耳を立てる者も、こちらに注意を向ける者もいない事を確認すれば、
不思議がる少女の耳元へと顔を寄せれば、相手しか聞こえぬ小声にて、
「おめでた、だよ。アニタ、妊娠してるんじゃないか?」
■アニタ > 「…………」
ぎぎぎ、っと機械のように示された先を見れば、まさに目と鼻の先でふらついたメイドが連れられて行く光景。
おふ、と思わず深い息をこぼして天を仰ぐ少女だった。
貞操が奪われなかったことを、この場にいない彼氏へと感謝していると――
「……??」
顔を寄せようとする彼に多少なりとも警戒するも、セクハラをするような気配でもなく。
再び緩く首を傾げたまま、彼の言葉へと意識をやる。
と――
「……? ……??
え? な、なんのお話……ですか?」
■トーラス > 己の告げる言葉に理解が追い付かずにきょとんとする相手。
その反応に肩を小刻みに振るわせると、こみ上げてくる笑いを噛み殺す。
医術の心得がある訳でもなければ、魔法の行使が行える訳でもない。
それでも、思い当たる節がない訳でもなければ、愉快そうに頬肉を綻ばせて。
「分からないか? アニタのお腹の中に、赤ん坊が宿っているって事だ。
彼氏のライオネルとはやる事はやっていたんだろう?
若気の至り、かも知れないが、行為の結果は当然ついてくるものだ」
性行為の代償として妊娠は避けられぬもの。
否、元来の意味から考えれば、子をなす為の行為であるから成果が実ったと言うべきであろう。
恋仲である学院の男子生徒をはじめ、複数の男性と関係を持っている彼女であれば、
避妊に失敗して、子種が卵子に命中したとしても、何ら不思議ではなく。
「もしかしたら、他の浮気相手の子供かも知れないな。
前に犯されたって言っていただろう? その相手が父親かも知れない。
それとも、……他の心当たりがあるか?」
■アニタ > 理解できなかったその言葉に首を傾げていたものの、彼が続けた言葉がその耳から頭へと染み込んでいく。
ゆっくり、ゆっくりと。
無意識に自身の腹を撫で、それから笑みを浮かべる彼を茫然とした様子で見上げた。
「…………」
無言のまま腹を撫でる――が、ふと深く吐いた息を機に、我へと返れば慌てて首を横に振った。
「……い、いえいえいえ。まさかそんなわけないですよ。
だいたい先生、お医者様でもないんですから……撫でただけで」
■トーラス > 「まぁ、俺の勘違いの可能性も十分あるな。
だが、調べるならば早いに越した事はないぞ。
ライオネルには事情を話して、……責任を問ってもらわねばなるまい?」
学生の身分の少女が子を孕んで出産したとして、一人で育て上げるのは至難の業。
当然、子供には父親の存在が必要不可欠となる。
その場合、白羽の矢が立つのは当然、彼女の恋人である学院の男子生徒であろう。
彼女もそうではあるが、幸いな事に学院はただの教育機関ではなく職業訓練校の意味合いも含み、
初級冒険者なみには稼ぐことも難しくはない筈で。
「よし、善は急げとの言葉もある。
呑まされた薬の事もあるしな。此処のお抱え医師にでも診てもらうとしよう」
一方的な善意の押し付けなのか、或いは、別の思惑があるのか。
いい事を思いついたと柏手を打てば、少女の手を引き、屋敷の奥へと引っ張っていき。
■アニタ > 「そ、そうですよ。……いえ、ちょっと……あの、ま、待ってください先生」
焦りから早口になっていた少女だったが、
矢継ぎ早に繰り出される彼の言葉にもついていけず、怪訝そうに首を振るばかり。
実際のところは分からないが、自覚症状は今のところ一切ない――ともなれば、その表情も当然で。
「えぇっと、その……わ、私は大丈夫ですから。バイトも、ありますし……」
己を引く大きな手を解いては、ふるふる、と首を左右に勢い良く振って。
慌ててパーティ会場でのバイトへと戻っていった……
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からアニタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からトーラスさんが去りました。