2023/12/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にヴァンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からヴァンさんが去りました。
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ヴァン > 気持ちのいい朝。喫茶店で紅茶を飲みながら読書をする男。
手にしているのは人気作家の新刊。あらゆる前情報を遮断して、この店に到着してから読み始めていた。

「アルゴニアン、ねぇ。なるほど、わからん」

一言で言うとリザードマン、だろうか。龍種であっても人に近い姿をとる者が多い王国の地にあっては、あまり馴染みがないもの。
男が首を捻っている理由は、題名が示していた。『アルゴニアンの侍女』、ジャンルは官能小説である。そう、官能小説。
表紙にはヒロイン(?)の顔が描かれている

「絵も先生が描いているのか……うーん。俺はリザードマンを見たことはないが、実際にいたらこんな感じなんだろうな。
で、なぜその題材でエロを書こうと思った。前作は真面目なミステリだったのにぃ」

机に突っ伏す。多才な作家は恋愛もの、時代小説、ミステリと名作を連発してきた。新作を楽しみにし、期待を裏切られた男がここにいる。
元の姿勢に戻り、読み進める。どうやらきりのよい所までは読み進める腹積もりらしい。
朝の喫茶店で官能小説を読む男は不審者極まりないが、同じテーブルに座るぐらいしなければ題名がわからないことが幸いか。

「さておき。暗喩表現の多彩さが凄いな。さすがは人気作家、語彙力が違う」

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からヴァンさんが去りました。