2023/09/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にシェティさんが現れました。
■シェティ > 空いたベンチに腰を降ろしながら、女は小さく息を吐く。
豪奢な街並みの中心部に設けられた噴水広場――以前に訪れた時は何かの見世物の最中で多くの人だかりが出来ていたが、今はその様子は無い。
女の他にも離れたベンチで休む人間の姿が幾つか見える程度で、広場の有様は酷く平穏なものであった。
ふと、近くにあった噴水の水面を覗き込む。
緩やかに波打ちながら空の青色を映し出す其処に映り込んだ女の容貌。
普段であればその頭部に見られる一対の巻き角は影も形も無く、傍から見れば人間の女と変わり無く映るであろう。
その身に纏った黒色基調のエプロンドレスにホワイトブリムも、この近辺であれば然程珍しい装いでは無い筈。
その事実を再確認してから、女は視線を噴水の水面から正面に映る街並みへと戻して思案する。
無事に王都まで辿り着いたは良いが、さてこれから先はどうしたものかと―――。
■シェティ > 主からはいつもの様に『人間の国へ赴いて目ぼしい物品や情報を持ち帰る』よう命じられているが、具体的な期間までは定められて居ない。
短期であれば適当な場所に宿を取り旅の者として滞在するのが良いが、
長期的に腰を据えるのであれば貴族や王族に取り入り、住み込みで働きながら彼らの身辺から探るのが理想的だろう。
侍女風貌の装いは伊達では無く、其れが出来るだけの技能は備えている自負は有る。
「―――となると、残る問題は………。」
取り入る事が出来そうな貴族や王族が、そう都合よく居るか如何か。
視界に映る豪奢な邸宅を一軒ずつ訪問して回るのも手ではあるが、そう簡単に上手く行くとは思わないし不用意に目立つ行為は避けたい。
眼前を行き交う人の波を漠然と眺めながら今一度、さてどうしたものかと女は思案を巡らせる。
■シェティ > さりとて此の侭広場のベンチで手を拱いて居た処で事態が好転する筈も無く。
程無くしてベンチから腰を上げた女は長裾のスカートに付いた埃を軽く払ってから、足音も無く静かに広場を去り豪奢な街並みの中へとその姿を消していった………。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からシェティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にユーゴさんが現れました。
■ユーゴ > 魔導具の中でも、少々値の張る物や、表立っては市場に回らぬような物を多く取り扱う店からの帰り道。
深く溜息を吐きながら、暗くなった路地を進む姿は、常よりも一回り程小柄になっていた。
それもその筈、羽織るマントの下の体躯は本来の物ではなく、己へと施された術の所為で性別が転化してしまっている。
魔導具の暴発が原因だったからか、性別が変わっただけで済んだのは不幸中の幸いではあるが――。
「――――……如何したものかな。」
己では解術所か碌に制御も出来ない物な所為で、かれこれ小一時間程この姿の儘だ。
思わず、と言った様子で呟きを洩らしながら、大通りへの道を戻り。
■ユーゴ > 今夜は拠点にしている宿には帰れなさそうだ。
思考を巡らせながら、夜の王都を彷徨う事になるのだろう――――。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からユーゴさんが去りました。