2023/09/11 のログ
■サタン > カラン、とグラスの内で氷が音色を奏で、傾けたグラスをカウンターの上へ戻す。
幾らか減ったグラスの内の琥珀色の蒸留酒。
微かな酒精の齎す心地よい酩酊感。
ゆったりとしたピッチで愉しむ男が、この店に幾らかの利益を生んでいるとはしても
馴染とは言え、それほど多くを支払っているわけではない。
ある意味、謎とも言える経営を行う主人は、更に問うたとしても多くを語りはしないだろう。
「――――まぁ、潰れさえしなければ、それでよいか。」
ポツリと、それはこの男の本音とも言えるかのような呟き。
それがこの店主にまで伝わったかは、定かではないけれど。
男はまたグラスを手に取りて、酒を僅かに含みて、静かな一時を愉しみながら
夜は更けていくのだった―――
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からサタンさんが去りました。